表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『うっかり邪神(ヤクザ)を舎弟にした箱入り姫の極道スローライフ〜絶品ご飯で神様たちを餌付けして城下町の事務所で暮らします〜』  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/45

EP 4

【服従の輪】の再臨(強制土下座)

「な……ッ!?」

アーサーの全身に、宇宙の重力が全て乗ったかのような凄まじい圧力がかかった。

抵抗。回避。防御。

帝国最強を誇る彼の卓越した魔力も、白銀の鎧も、そんなものは「最初から存在しない」かのように無視された。

ガシャアァァァァァァァァァァン!!!

「ぐ、はぁ……ッ!?」

アーサーの体は、自身の意志とは無関係に、勢いよく床に叩きつけられた。

それも、ただ倒れたのではない。

両膝を突き、両手を床に並べ、額を泥まみれのフロアに擦り付ける——完璧なまでの**『土下座』**の姿勢で、だ。

(な、なんだ……この力は!? 魔法ではない……世界のことわりそのものが、私に屈服を命じているというのか!?)

アーサーは必死に顔を上げようとするが、首の骨が軋むほどの不可視の力がそれを許さない。

そして、追い打ちをかけるような悲劇がアーサーを襲う。

(ぐ、あああああッ!? 床が……床が汚い! 私の白銀の胸当てが、この不浄な路地裏の泥に……不潔だ、死ぬほど不潔だぁぁぁぁ!!)

潔癖症の騎士にとって、この強制土下座は死よりも辛い凌辱だった。

「あーあ。お嬢、本気で怒らせちゃったね」

フェンリルがソファから降りて、アーサーの頭の横にしゃがみ込む。

「おい、帝国最強。お嬢の『服従の輪』にかかったら、宇宙がひっくり返っても逃げらんねぇぞ。大人しくしときな」

「お、おのれ……魔族め……汚らわしい手を離せ……ッ!」

アーサーは床を舐めるような格好のまま、泣きそうな声で罵倒する。

「……フレアさん、フェンリルさん」

リアナが包丁を置き、仁王立ちになって二人を呼んだ。

「はい、お嬢様!」

「おう、なんだ?」

「このお店のドアを壊した『悪い子』には……お仕置きが必要です!」

リアナはそう言うと、冷蔵庫から巨大な豚肉の塊を取り出し、それを「ドンッ!」とまな板に叩きつけた。

「これを食べて、自分がどれだけ酷いことをしたか、反省してもらいます!」

「……は?」

アーサーの目が点になる。

(お仕置き……? 豚肉……? 私を処刑するのではないのか!? どんな恐ろしい呪いの儀式を始めるというのだ!?)

「お、お嬢……そのお仕置きは、流石にこいつにはキツすぎるんじゃねぇか?」

デュアダロスが苦笑いしながら、フライパンを熱し始めるリアナを見つめる。

「いいえ! お腹がいっぱいになれば、きっと悪い心も消えちゃいます!……特大の、カツカレーですよ!」

アーサーの鼻腔を、不意に漂ってきた「飴色玉ねぎとラードの焦げる匂い」がくすぐった。

それが、彼のプライドと潔癖症を完膚なきまでに破壊する、終わりの始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ