文芸部部長の推しは僕
僕:先輩が好き。
先輩:文芸部部長で推しの作家がいる。
終わらせたくない関係。
「これくらいでいいか」
「はい。そうですね」
僕はうなずく。
「冬休みの間に誰か作家になったら面白いんだけど」
そう言って、部長は苦笑をする。
本屋。
文芸部部長の先輩と、部員で後輩(高1)の僕は、本を選んだ。
大体10冊くらい。
文芸部は冬休みも活動する。部室で書いたり読んだりする、らしい。もしかしたら勉強もするかもしれない。高校生だし。3年生は引退したけど。
チラ、と部長を見る。
長い黒髪、スラリとした体つき。身長は僕と同じくらい。
正直、タイプ。
「さて。じゃあ、学校に戻って本棚に並べましょうか」
「いや。まだ、することがある」
「はい?」
「年間ランキング1位!
10代の英雄だな、素晴らしい」
「そうですか?」
「10代なのに既にラノベ作家。しかも人気者。素晴らしい」
「はあ」
「私も作家になりたいな」
「作家ってそんなに凄いですか?」
「なに? 今のは声が小さかったが」
「何でもありません」
「そうか」
「1冊買おう。
君も買うよね? 君も推しなんだから」
「わ、わかりました」
『実は先輩の推しの作家、僕です』
て、言えたらいいけど。
文芸部だから、言っても問題ないと思うけど。
この平凡な関係が終わってしまいそうで、なかなか言えない。
先輩と後輩の関係が終わりそうで、僕の恋も終わってしまいそう。
先輩が作家になったら言おうかな、なんて。
「さ、学校に帰ろう」
「はい」
ありがとうございました。




