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64.もうすぐクリスマス。の前に期末試験。

 縁を切って数週間後。

 すっかり喧嘩が減っていた。

 テレビのニュースでも、突然トラブルや喧嘩が激減して、未だ原因不明だと繰り返していた。

 でも、それもだいぶ減ってきた。

 このまま、そんなことなかったみたいに、別のニュースや事件で上書きされればそれでいいと思う。


 学校の方も特に揉め事もなく、のんびり過ごしている。

 相変わらずルイとリオンはたまに言い合っているけど、でも宿題を教え合っていたり、一緒に掃除をしていたり、前より仲良しに見えた。


「別に友達じゃねえんだけどさ」


 ある日の掃除中、ルイが苦笑して言った。


「でもまあ、兄弟らしいし、勇者と魔王じゃなくなったし、いつまでも喧嘩しててもしゃーねえなって思っただけだよ」

「ふうん。私は仲良くしててくれると嬉しいよ」

「そうなん?」

「うん。授業中に私を挟んで喧嘩されるの邪魔だったから」

「う、それはごめん」


 笑いながら掃除道具を片付けていたら、ゴミ捨てに行っていたリオンが戻ってきた。


「ところで、期末試験まであと一月ないわけだが」


 真顔でリオンが言った。


「え、そうだっけ……?」

「俺、やっぱりこいつと仲良くできねえわ」

「今回もなにかご褒美があるといいと思うんだ」

「おっけー、何にする?」


 ルイの手のひらがくるっくるひっくり返った。早すぎるでしょ。


「前回の反省を踏まえて、それぞれが一番だったらしたいことを、二番三番が叶える、というのはどうだろうか」

「なるほど」


 机を運びながら、ルイが頷いた。

 私は運び終えた机から椅子を下ろしていく。


「じゃあ、一位だったらエミリとクリスマスデート」

「それはいいな。僕もそうしよう」


 二人が笑顔で私を見た。

 だから私も笑顔で答える。


「私が一位だったら、二人ともうちの大掃除手伝ってね。女二人だと大変なんだ」


 ルイとリオンは目を丸くしてから肩をすくめた。


「シスターの掃除の手伝いか……ハードだけど頑張るわ」

「掃除を終えたら、ねぎらってくれるのだろう?」

「もちろん。一緒にクリスマスパーティしようね」


 つまり私が負けたら、どっちかとデートの後にママと二人で大掃除だ。

 それはそれで悪くないけど、手伝ってもらうためにも、頑張ろう。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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