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57.魔王の残り香

 一時間後、我が家のリビングに真野宗一郎さん、リオン、ルイが並んでいた。


「なんで俺は呼ばれたんだっけ?」


 ルイは気まずそうに声を潜めた。


「あのさ、ルイは前世のご両親のこと覚えてる?」

「知らねえ。エミリと一緒に孤児院にいただろ」


 ママと宗一郎さんが顔を見合わせた。


「……長くなるから端的に言うけど、ルイくんもリオンくんも私の息子なのよ。いえ、息子だったのよ。父親はこの人ね」

「は? はあ……?」

「端的すぎる……!」


 目を丸くするルイとリオンを無視して、ママは真野さんの方を見た。


「で、原因はなんだったのかしら」

「魔王の追っ手だ」


 リオンが眉をひそめた。たぶん、私も似たような顔をしていたと思う。


「僕を……?」

「ああ。前世の世界から、魔族が魔王を取り戻そうと手を伸ばしている。しかし、連中はこちらでうまく身体を作れなくて、聖女が見たという黒いモヤの状態で人間に取り憑いているんだな」


 真野さんは落ちついた様子で続けた。

 ルイとリオンが揃って首を傾げる。


「悪い、なんの話?」

「最近、喧嘩や暴力沙汰が増えてるってニュースでやってるでしょ。学校でもよくわかんない喧嘩してる人がいるし。その原因を真野さんが調べてたんだって」


 私が答えると、リオンが顔をしかめた。


「原因が、僕だったということか?」

「大雑把に言うとそうだな。突然魔王が消えて、向こうに残された魔族が混乱したんだ」

「……僕は向こうに戻った方がいいのだろうか」


 リオンが肩を落とした。

 え、そういう話になっちゃうの?

 でも真野さんは首を横に振った。


「いや、その必要はない。向こうでもすぐに新しい魔王が産まれるだろうから」

「ええ、あなたたちのようにね」

「俺達? あ、そっか。魔力の測定をして、黒魔法の適正が高ければ魔王に認定されるのか」

「そうよ。同時に聖女と勇者も選定されるでしょうし」

「向こうはそれでいい。こちらはこちらで手を打つ必要がある」


 リオンが不安そうに真野さんを見た。


「そんな顔をするな。なに、大したことじゃない。――魔王の気配を断てばいい」


 真野さんはリオンとルイ、そして私の顔を順番に見つめた。

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