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48.勇者と魔王の絡みはあり

「なんかキツくない?」

「そんなもんだよ」

「うさ耳いる?」

「いるよ」

「ほんとかなあ……」


 文化祭目前、私は当日の衣装の試着をしていた。

 ディーラーと同じワイシャツにネクタイ、ベスト、スラックス……なんだけど、やけにピッタリしてるし、うさ耳もついてる。


「うんうん、エミリはスタイルいいから、似合うね」


 衣装係の子は満足そうに頷いている。


「そうかなあ」


 なんていうか、薄っぺらくない? どこがとは言わないけど。


「宇佐くーん、真野くーん」


 衣装係が声をかけると、ルイとリオンがすっ飛んできた。

 でも私を見るなり真顔で黙りこんでしまった。


「やっぱ似合わないよ」

「似合う」

「えっ」

「とても似合っている。写真を撮っても?」

「えっ、や」

「いいよ!!!」


 衣装係が被せてきて、ルイとリオンにバシャバシャ写真を撮られた。

 いやいやいや……ていうか、二人も同じ格好してるじゃん!


「二人の写真も撮っていい?」

「おう」

「構わない」


 それぞれ何枚か撮って、次に並んでもらう。

 突っ立ってるだけなのも、芸がないな。


「ね、背中合わせになって」

「次、ルイが顎くいして」

「リオン、壁ドンして」

「……なるほど」


 二人の絡みを何枚か撮らせてもらうけど、有りだな。

 いつの間にか他の女子も集まってキャーキャー言ってるし。


「エミリ、あとで送って!」

「一枚百円」

「十倍は出すよ」

「待て、こいつはいいけど俺で金儲けすんなよ!!」

「しょうがないな……」

「しょうがなくないが……?」


 クラス女子ニャイングループで写真を拡散したら、副委員長から『宣伝に使っていい?』と来たので「OK」とスタンプを返しておく。


「エミリ、なんか俺らに言うことないわけ?」

「ルイもリオンもすごくかっこいいねえ」

「……ストレートに言われると、それはそれで照れるものだな」

「ふうん。言われ慣れてそうなのに」

「エミリに慣れるほど言われたことねえよ」

「そうだっけ? いつも思ってるけど、口にしてなかったっけ。二人ともよく似合ってるし、すごくかっこいい」


 二人は赤くなって口をパクパクさせた。

 そうか、こういう攻め方に弱いんだ。

 いつも攻められてばかりで気づかなかったけど、次からは私も攻めさせてもらおう。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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