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46.青春の気配がする

「はい、次。これ、女子の衣装ね。どう思う? 男子諸君」


 スクリーンに映し出されたのはタイトなスーツ? だった。

 カジノのディーラーっぽい、細身なベストにネクタイ、スキニー。色は全部黒。


「いいと思う」

「リオン?」

「たしかに……見えないのに、俺には見える」

「ルイ? なにが??」


 つられて男子がざわつく。

 セクハラでは?ってどこからか聞こえたけど、似たような盛り上がり方を女子もした手前、大声で批判できない。

 委員長、策士だなあ。


「俺の方で大体の役目と、当日までの準備を決めたから配るよ。変えたいとことか、難しそうなのがあったら言ってくれ。今なら全然変えられるから」

「委員長、そこまでしたんだ」


 誰かが言った。


「うん、絶対に成功させよう。そんで俺の内申をよくするのに力を貸してほしい」

「委員長の、本音をなんにも隠さないとこ好きだよ」

「おう、俺も愛してる。プリント回った? 五分経ったら説明するから、ざっと目え通してね」


 委員長の手際が良すぎて逆にザワついてる。

 隣の席のユウキがニヤッと笑って顔を寄せてきた。


「学級委員の二人ね、夏休み前に付き合い始めたんだってさ」

「そうなんだ?」

「夏の間、文化祭の打ち合わせを理由にデートしてたって聞いたよ」

「なるほど……」


 委員長と一緒にプリントを配っている女子を見る。

 さらさらのストレートの黒髪が背中に流れ落ちていた。

 委員長はヒョロっと背の高い、メガネの男子。

 なるほど……いいなあ。


「青春じゃん」

「ねー、うらやましい」


 ルイからプリントが回ってきたので受けと取った。

 私は景品を用意する係で、当日は客引きだそうだ。

 景品は何人かで手作りするらしい。


「百均で材料買ってきて手作り……できるかなあ」

「なんか幼稚園のお店やさんごっこみたいでかわいいね」


 そう言うユウキに頷いた。

 幼稚園がなんだか私にはピンとこなかったけど、プリスクール的なあれかな?

 ルイとリオンはカジノの準備で、当日はディーラーらしい。

 きっとかっこいいんだろうなあ。

 ついニヤけてしまうのを止められなかった。

 まんまと委員長に乗せられていた。

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