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45.カジノやろうぜ

 楽しかった夏休みが終わって、二学期が始まった。

 最初のロングホームルームで席替えをしたら、一番窓側の後ろから二番目。

 なかなかいい席! と思ったら、前にルイ、後ろにリオンが座った。

 ……包囲されてる!

 隣がユウキで、さらに向こうがアコだったから、まあいいか……。



 席の移動が終わったら、学級委員の男子が前に立って手を叩いた。


「はい、次に文化祭の出し物ですが、うちのクラスはカジノをやります」


 学級委員が断言し、クラス内がザワついた。


「決まってんの……?」

「カジノって文化祭でやっていいんだっけ?」

「ていうか、何でカジノ?」


 また学級委員が手を叩いて注目を集めた。


「一年生ってあんまり選択肢ないのはニャインで流した通り。カジノか執事喫茶、お化け屋敷、迷路、謎解き、展示から選べって言われて、俺の独断と偏見でカジノにしました」


 前の方の生徒が


「横暴じゃん?」

「アンケートとかしないの?」


 なんてブーイングを飛ばした。

 分からんではない。


「カジノにした理由は、まず謎解きと展示は面倒だし、よほどアイディアないと面白くねえだろ」


 ブーイングしていた生徒が黙った。


「あとお化け屋敷は暑いです。文化祭は来月頭だけど、気温たぶん下がんないから、今の気温で教室を密室にしたら、たぶん俺らは熱中症になる。で、執事喫茶は飲食系は保健所に申請が必要だから、俺が面倒」


 身も蓋もなくてちょっと面白い。

 だからってなんでカジノ? って気はするけど。


「カジノなら、最低限の道具は去年使ったやつが学校にあるから借りられるし、準備が楽。あと、うちのクラスは顔がいいのが多いから、客寄せになるし」


 学級委員長が先生のパソコンから、スクリーンにディーラー服の画像を出した。

 すらりとしたスーツにベストとネクタイだ。


「これ。ディーラーの制服も何年か前に買ったのがあるから、女子はちょっと想像してほしい。これを着てトランプを交ぜる真野を」


 つい振り向いたら、クラスのほぼ全員が同じように振り向いていた。いきなり名前を呼ばれたリオンは注目されてビクッとしている。


「たしかに……」

「委員長、センスある」

「宇佐くんも有りだよね」


 女子のささやき声が聞こえた。

 分からんではない。ごめん、嘘ついた。最高だと思います。


「リオン、ルイ、頑張ってね。応援してる」

「いや、エミリ。僕はあまり目立つことは……」

「待て、なんで俺まで!?」


 二人がギョッとしているのを無視して、学級委員がまた手を叩いた。

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