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43.刺激が強いので、お手柔らかにお願いします

 五人で焼きそばとたこ焼きを食べて、まだ入ってないプールに向かった。


「俺、ウォータースライダー乗りたい」

「あんな野蛮なものに乗ったら僕は吐く。荷物番をしているから、行ってくるといい」

「いいの?」


 リオンに聞くと、真顔で頷いた。


「ああ。勇者に譲るのはしゃくだが、エミリの背中に吐くわけにはいかないからな」

「そだね……」

「よっしゃ、行こうぜエミリ!」


 満面の笑みで私の手を引くルイに連れられて、ウォータースライダーに向かう。

 ……近づいたら、結構な高さだった。


「ペネロペ山じゃん」

「んー、キルケ谷くらいじゃない?」


 アイリと二人で並んで見上げた。

 高いし、怖い。


「そんなにねえよ。たかが人間のアトラクションだろ?」


 火渡くんの感想が完全に人外だ。

 誰か今は彼も人間だと教えてあげてほしいけど、肝心のアイリは、


「円は頼もしいねえ」


 とメロメロしてる。

 ……まあ、いいか。

 ルイは相変わらずニコニコして私の手を引っ張った。


「行こうぜ」

「怖いよ」

「大丈夫だって。勇者様がついてるんだぜ?」

「そうだけどさあ」


 階段で最上階まで上がった。

 高さが二十五メートルもあるらしい。無理、高い、怖い。


「ひえ……」

「エミリ、前乗れよ」


 ルイに勧められて二人乗りの浮き輪の前に乗った。

 手すりを掴んだら、後ろからルイに抱きしめられた。


「ちょ、近いって」

「こんなもんだろ。俺、これ以上後に行けねえし」


 耳元で話されてゾワっとする。

 背中にルイがピッタリくっついてて、熱い。

 太い腕がお腹に回された。


「……っ」

「エミリ、あんまエロい声出さないで」

「だ、出してないし! 何言ってんのバカ!!」

「無意識かよ。質悪い。まあいいや、行くぞ」

「えっ……ひわっ!?」


 ルイが水を蹴って、浮き輪が滑り出した。

 ヤバい、早い、待って、なんにも見えない……!


「ひゃーっ」


 あっという間に滑り落ちて、浮き輪から放り出された。


「おい、エミリ!?」

「ぶへ……鼻にも耳にも水入った……」

「ひどい顔じゃん」

「ひどい目にあったんだもん……」


 ヨレヨレしながらプールサイドに上がると、アイリと火渡くんも落ちてきた。

 二人は笑いながら上がってくる。


「楽しかったから、もう一回行ってくるね」

「マジで? 元気だね」

「アイリ、あっちにもう一段高いのがある」

「さすがに高いな……いや、でも行く!! エミリと勇者は?」


 私は首を横に振り、ルイは悩んだ末に一回だけ滑ってくると言って、アイリと火渡くんに着いていった。


「元気すぎるでしょ」


 私はリオンのところに戻って、休憩させてもらうことにした。

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