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36.駆け抜ける姿が、風みたいだと思った

 夏休みの最初にやって来たのは、ルイの試合の応援だった。

 陸上部の大会が七月末にあって、ルイが出場する日にリオンと一緒に会場へ向かう。


「わー、盛り上がってるねえ」

「何種目も同時に行うんだな」


 運動公園にあるスタジアムで、大会は行われていた。

 グラウンドは賑わっているけど、長距離走の選手のルイは、もうそろそろ出てくるはず。


「あれだな」

「あ、出てきた。気づくかなー」


 控室から出てきてストレッチするルイに手を振る。

 いつも教室でふざけてるところしか見てないから、大会用のユニフォーム姿は新鮮だ。

 ルイは私とリオンには気付かずに、スタート地点に立った。

 そして、ピストルが鳴り走りだす。


「すごい、早い……!」


 運動会のときから早いのは知ってたけど、それよりずっとずっと早い。

 風みたいに駆け抜けて、あっという間にスタジアムから出て行った。

 しばらく他の競技を見ていたら、ルイが一番に帰ってくる。


「すごーい、早い!!」


 歓声を上げて手を振ると、パッと振り返り、満面の笑顔で大きく振り返してくれた。

 そのまま、私とリオンがいる観客席の下に走ってきた。


「どうだったー?」

「すっごい、かっこよかった!!」

「だろー!! あ、行かなきゃ。来てくれてありがとな!」


 ルイはあっという間に走り去ってしまった。


「騒がしいやつだ」

「あはは。あんなに早く走って、また走り回れるのすごいよね」

「……僕にはできないな」

「私にも無理だよ」


 このあとルイは、もう一つレースに出る。

 そっちでもルイはすごく早くて、誰よりも先にゴールを駆け抜けた。


「さすがだなあ」

「認めたくはないが、うん。そうだな」


 口をへの字にしながらもリオンが頷いた瞬間、怒鳴り声がトラックから響いた。


「おかしいだろ、一年生のくせに!!」


 驚いて覗くと、ルイと一緒に走っていた男の子が、別の男の子に掴みかかっている。

 ルイは他の生徒と間に入って止めていて、たまに蹴られたりしている。


「わ……喧嘩してる……」

「正々堂々勝負した結果なら、仕方ないだろうに」

「ねえ……。それとも何かあったのかなあ」


 先生たちが集まってきて大事になってきた。

 ルイはまだしばらくかかるらしいし、私とリオンは先に会場を後にした。


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