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34.私はその顔が好きだった

 期末試験が半分くらい返ってきたから、放課後にルイとリオンと三人で教室で見直しをしていた。

 リオンはいつもどおり。

 ルイはぐったりしている。


「ルイ、大丈夫?」

「だめ。慰めて」

「放っておけ。水をかけて日に当てておけば回復するだろう」

「俺は雑草かよ!」


 むくれるルイにちょっと笑いながら、私も自分の結果を見直す。

 悪くない。

 予想よりもだいぶいい。

 問題は、リオンの方がもっといいことだけど。


「エミリは、僕とどこに行きたい?」

「まだデートするって決まってないじゃん」

「そうだ、そうだ! このあと俺が逆転するかもしれねーだろ」

「するのか?」

「したい……」


 淡々と言い返されて、ルイは唇を尖らせる。

 私は少し迷ってから口を開いた。


「あのね、夏祭り行きたいな」

「僕と?」

「ううん。三人で」


 そう言うと、ルイとリオンが目を丸くして顔を見合わせた。

 だから、二人が何か言い出す前に続ける。


「あとね、海とか山とか、行きたいところいろいろあるの。海なんて前世で魔獣退治に行ったっきりだし、山も似たようなものでしょ」

「そうだな」


 リオンが苦笑して頷いた。


「僕も海は海の魔獣に挨拶に行ったくらいだし、山は山の魔獣が山賊に襲われていたから助けに入ったくらいだ」

「ウケる。ま、俺もそうだけど。んじゃー、試験が全部返ってきたら、どこに行くか決めるか。あ、俺は部活の試合あるから応援来いよ」

「わかった。行くよ」


 頷いたらルイが嬉しそうに笑って、私は前世からその顔が好きだったと気付いた。


「リオンも一緒に行こうよ」


 そう言うと、二人が同時に嫌そうな顔になる。

 思わず吹き出した。


「あはは、二人も、三人で行きたいところ考えておいて」

「……わかった」

「しゃーねー聖女様だな。任せとけ。めちゃくちゃ楽しませてやるよ」

「楽しみにしてる」


 最初からこうしておけばよかったと、少しだけ反省した。

 “最初”がどこなのか、今となってはわからないけど。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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