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作戦の前に

 レオンさんが退出し部屋には陛下と四天王と私だけになった。陛下が話し始める。

 「メアリーも知っていると思うが、地上の同胞たちから助けを求められ、私たちは人間と戦っている。ビーストになれる私たちの方が能力的には優っているので容易に勝てると思っていたのだが、結果は惨敗。私が頼み込んで戦ってくれた民たちは重傷を負ってしまっている。そこでどうしたらこの戦いに勝利できるかを四天王たちに相談したら、君の名前が出たんだ。」

 「メアリーは王立図書館でみんなの悩みを解決しているわよね。実際あたしも困り事を解決してもらったし、それでメアリーなら良い案を出してくれるんじゃないかって!他のみんなも同意見だったのよ。」

 リズ姐さんの言葉に他のみんなも頷く。

 「メアリー、無理にとは言わない。だけど私たちの力になってくれないか?」

 陛下が頭を下げてしまった。私もこの戦いの戦況が良くないのは知っていた。それに人間には個人的な恨みもある。

 「私でよければ喜んでお受けします。みなさん、よろしくお願いします!」



 「君たちは既に顔見知りなようだけど、一応自己紹介をしようか。クシャから頼む。」

 「俺はクシャ=ジョーズ。ホオジロザメのビーストだ。俺の部下たちは俺も含めて戦闘力が高い。肉弾戦は任せろ!」

 「あたしはリズ・アイデクセ!トカゲのビーストよ。あたしたちのところは暗殺が得意ね♡さっきのレオンもあたしの有能な部下よ。」

 「メアリー、いつも面白いお話を読んでくれてありがとう!リンドウ・シュアだよ。シュアはゲルセミウム・エレガンスのビーストなの。シュアのところはモノを作るのが上手!特に毒とか薬は簡単に作れちゃうよ。」

 「おいはルカーノ。カブトムシのビーストだ。おいの仲間は密偵が得意だ。」

 「メアリー・ムートンです。羊のビーストです。みなさんのお役に立てるように頑張ります!」


 「よし、自己紹介が済んだな。では今後どうしていくか考えよう!」

 「陛下、作戦を考える前に訊きたいことがあります。まず戦ってくださる方はどのように選ばれていましたか?」

 「もしもの時にすぐに逃げられるよう、自分の身を守るのが得意な者を選んでいた。だがそれなのに皆深傷を負ってしまっているのだ。」

 陛下が悔しそうに唇を噛みしめている。

 「なるほど。では選んだ方への連絡は?」

 「手紙を書いて渡すのはグースに頼んでいた。」

 「わかりました。そしたら今後は四天王経由でお願いをしましょう。それから情報が漏れないように共有するのはここにいる私たちだけ、他言無用出お願いします。」

 「わかった。」

 「では、早速。ルカーノさん、人間たちの情報がほしいのでお願いできますか?『ロボレンジャー』の正体だけでなく、人間たちがどのように生活しているのか、どんな些細なことでも構いません。『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』です!」



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