任務後に待ち受けていたもの
「ねえ、訊きたいことがあるのだけど?」
「アンタの質問に答える義理はないわ!」
lizが構わず訊いてくる。
「小狼たちがビーストだってことリークしたの、本当にあなたなの?」
私は思わず攻撃をやめる。
「……。私じゃない。だけど蜂谷くんは私しか知らないタイミングで情報が漏れたって。」
「蜂谷がウソをついてるんじゃないの?」
「それは絶対にない!!!!」
私は大声で叫んだ。
「あの番組で初めて彼と接したけど、彼はいつも一生懸命で努力し続けてた。しかもセコい手は使わず正々堂々とオーディションに向き合ってた。そんな人がウソをつくはずないわ!」
「なるほど。ねえ、どうしてそんなに蜂谷を信じられるの?私が言うのもなんだけど彼はビーストだし、あなたがあなたを知ったのも最近でしょ?」
「出会ったのがいつかなんて関係ないの。私は彼の様子をみてファンになった。ファンはね、いつでも推しのことを信じているものなの。」
「……。なるほど、あなた意外と良いところもあるのね。そうだ!あなたこっち側につかない?」
彼女が私に提案してきた。
「はあ⁈」
「だって、あなたもう何にも残ってないでしょう?しかもこの任務に失敗したらロボレンジャーも辞めるように言われたんじゃない?」
「そう、だけど……。」
「ちなみに辞めるってどういうことかわかってる?」
「えっ?」
その時後ろから機械音が聞こえ始めた。
ギィィィィ。
彼女に言われて後ろを振り返るとロボレンジャーのマシンたちがこちらに向かってきていた。
「今から面白いものを見せてあげる。あなたはどこかに隠れながら見ていなさい。」
私は少し離れた岩場に隠れながら様子を伺う。彼女はそれを確認すると、マシンに向かって歩き出す。するとlizの姿が私に変化した。
「パープル、どうやらビーストを倒したようだな。」
長官の声がする。私からは見えないがいつものようにマシンのモニターに長官が映っているのだろう。
「えぇ、なんとか倒せたわ。これでちゃんと約束は守ってくれるんでしょうね?」
lizが言う。声も私そっくりに変わっていた。
「悪いがそれはできない。」
マシンからパンチが繰り出される。寸前のところで彼女が避ける。
「君はもう用済みだ。悪いがここで死んでもらう。」
マシンが彼女に猛攻撃を仕掛ける。このままだと彼女が倒されちゃう。そう思ったとき、ブチっと音が聞こえた。だが何も変わらない。そう思ったら、
「ね、これでわかったでしょ?あなたはここで始末されるの。だったら私と来ない?」
横にlizがいた。私はびっくりして声をあげそうになる。彼女がそれを押さえながら、
「種明かしは後でするから、すぐに決めて!どうするの?」
私は彼女に着いていくため頷いた。




