初対面
「そうだ。お前にまたオファーがきてたぞ。しかも共演者にlizがいる。どうだ、受けるか?」
lizと直接対決ができる。そう思った私は内容も聞かずに「やります!」と即答した。そんな私をみて、社長は笑いながら、
「おいおい、せめて仕事の内容を聞いてからオッケーしろよ。依頼はオーディション番組のアドバイザーだ。lizが男性の、お前が女性のアドバイザーとして候補者に寄り添い選抜していくものだ。この仕事受けるのでいいんだな?」
「もちろん!ただ私が男性の方のアドバイザーになりたいわ!」
「わかった、先方にそう伝えておく。だが、俺以外の男に目移りするなよ(笑」
社長がヤキモチを妬く。私がグイグイいくと冷めた態度をとるのに、ちょっとしたことで拗ねるのがかわいい。私は社長にキスをし、また身体を重ね合わせる。こうして夜は更けていった。
オーディション番組の打ち合わせの日。いよいよlizと初対面だ。私は彼女より上だと知らしめるために集合時間より少し遅れて部屋に入る。lizも含め他の共演者は全員揃って席に着いていた。私は挨拶だけして席に着く。みんなの表情が曇っている。すると、
「紫藤麗奈さん、はじめまして。lizです。一緒に共演できることを嬉しく思います。しかし、集合時間はとっくに過ぎていますが何かあったのですか?」
「いえ、なにもありませんが。とっくに過ぎてると言いますがたかが10分くらいですよね?どうかしましたか?」
「後で遺恨を残すのは嫌なのではっきり言います。他の共演者も忙しい中時間厳守で集まっています。あなた一人のために時間が押すことははっきり言って迷惑です。次からは気をつけてください。さあ、スタッフも含め、ここにいるみなさんで最高の番組にしましょう!」
私の顔が真っ赤になる中、他の共演者やスタッフが拍手をした。あの女、許せない。絶対に蹴落としてやる。