トモダチ作戦
イエローこと盛山大と会った後、私たちはもう一度集まり会議を行うことにした。
「大お兄ちゃんを仲間にするなんて、やっぱりメアリーはすごいね!」
シュアが目をキラキラさせて言った。
「本当にそうね。アンタが『トモダチ作戦』だっけ?人間を、しかもロボレンジャーの一人を仲間に入れるって言った時はびっくりしたけど、やってみたら大成功だもの。」
リズ姐さんがそう言いながら頭をポンポンしてくれた。
「ありがとう。でもこの作戦を思いついたのはルカーノさんたちがたくさんの情報を集めてくれたからなんです。」
ルカーノさんたちの情報は素晴らしく、私が欲しいと思っていたものがある1点を除いて網羅されていた。その中で彼に目をつけたのは、彼が『ロボレンジャー』内で嫌がらせを受けていたことと牛を守るために行動していたからだ。しかも彼ならルカーノさんたちですら手に入れられなかった情報を持っているかもしれない。どうにかして仲間にできないかと考え、この作戦が閃いた。彼の行動範囲内にカレー店を開けば必ず寄ってくる、あとは時間をかけてゆっくり仲良くなり、正体を明かして協力してもらう。しかし予想より早くモー子のことがバレてしまったため一か八かの賭けになってしまったが、結果は大成功だった。だが、欲しかった情報は手に入らなかった。
「気になったんだが、どうしてモー子の居場所がバレたんだ?大だったっけか?そいつはモー子のところに行く時はスマホを家に置いておいたんだろう?」
クシャさんが首を傾げている。それは私も気になった。欲しい情報もだが、まだ私たちの知らないことがある。次の作戦も慎重にやらなければ。
時間は遡って、大がシモンさんとビーストピアに向かって扉を開けた直後。シモンさんの店にロボレンジャーの小型ロボットが突入した。辺りを見回すが人の姿はなく、イエローのスマホと変身ベルトが置かれている。その映像を長官は観ていた。長官は何も言わない。ただピーという機械音だけが響いていた。




