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嵐の星のもとで  作者: 音頭
2章 災いの渦中へ

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自分の秘密 仕事内容

「アンレイル、仕事の説明の前にまずはお前のテントに案内する。付いてこい。」


ライトさんの後をついて行くと、テントが多くある場所にたどり着く。テントが集結している中心には光っている電灯と貯水タンク台があった。

ライトさんはその中の1つのテントを開ける。


「ここがお前のテントだ。それとこれを忘れるな。」


ライトさんからカンテラを渡される。


「これはテントの中で唯一の光源だ。なくしたら儂のテントに来い。だが、カンテラの中に入っている鉱石は自分でとってこい。一度点火すればその鉱石が溶けるまで燃え続ける。大体6時間もつ。とりあえず点火させてみろ。」


渡されたカンテラを見る。蓋は回して開けるタイプのようだ。カンテラ全体を回してみても点火する用のボタンやスイッチは見当たらない。黒い何かが埋め込まれている場所があるだけである。


「これどうやって点ければいいのでしょうか?」


おそるおそるライトさんに聞く。


「ギルドにいたのに使い方を知らないのか?そこの黒い部分に魔素を流せばいい。」


ガラクタあさってただけだから、見たこともない。

魔素…俺魔法使えないから、魔素ないんじゃなかったかな?

(とりあえず触ってみるだけ触ってみますか。)

黒いところに触れてみる。


ボッ!


なんとカンテラが点灯した。

(わお!)

点くとは思わなかったので、驚いてしまった。


「私は外で待っている。荷物の整理をして来い。中の書類も確認し忘れるな。」


俺はテントの中に入る。テントの中は外から電灯で照らされているおかげで、中の様子が見える。

(布団はあるけど、それ以外何もない。)

これではまるでサバイバル生活しているみたいだ。

(とりあえずリュックの中身の確認だ。水、携帯食料、よくわからない石ころ、それに診断書と申告書?)

水と携帯食料は俺が倒れないようにを危惧したもんだろう。この石は確かレインが響石って言ってたかな。地面にたたきつければ大きな音が出るっていう。多分防犯用の道具だな。それと診断書と申告書。どっちから見るべきかな。診断書から見よう。


名前:アンレイル・ラナウェイ

種族:蟲融人

共鳴率:99.9%

属性適合性:火〇水×風〇土〇雷×

臨界突破:火〇水×風×土×雷×


なるほど?要は人間じゃなくなって、蟲融人となったってことか。驚くことじゃない。そんな気がしてたし。ただムカデなのはちょっと嫌かな。なるんだったらカブトムシとかが良かったな。

共鳴率はどういうものかは分からないが、属性適合性ってのはおそらくは魔法で使える属性ってとこだろう。臨界突破はその属性の上位互換かな?

(要は強く生まれ変わったってことだな。フライさん曰く生物融人って究極生物らしいし、テンション上がってきた。)

問題は次の申告書だ。この診断を受けてどう判断されたかってとこだと思うし。まあどうせ追放されてることはわかってる。


アンレイル・ラナウェイ様へ

この度の報告を受けまして、パルス・パンゲア審判員の決定として、無期限のギルドライセンスの剥奪と本国への入国を禁止いたしますことを決定いたしました。よって開拓地へ追放となりました。

理由としましては以下のことが挙げられます。

①アンレイル様の魔蟲がランクⅤ以上相当と判断し、本国を侵しかねる危険性があるため。

②魔蟲の知能が高く、アンレイル様下でのコントロールを外れる可能性

③魔蟲が火属性で臨界突破しているため、災害を引き起こす可能性

なお共鳴率が99.9%と非常に高い数値のため、狂騒状態(マッドネスアワー)または狂乱状態(ランページアワー)を引き起こすリスクは極端に低いと考えられる。魔蟲のコントロール・抑制次第では本国の入国の許可が下りる可能性がある。


悲報ムカデさんとんでもなく強かった。とんでもなく強いせいで追放をされたってことかあ。

強いってのも考えものだな。

ただどうにかなる可能性はあるってことか。もしかしてそれでグランさんが来たのか。

なるほどね。

要は俺が強く生まれ変わった+頑張ったら帰れそうってことだろ。

これはあのムカデさんに感謝しなければいけないな。

(了。)

…ん?なんださっきの声。ライトさんの声でもないし、俺の声でもない。無機質な声だった。

周りを見渡しても誰もいない。

(気のせいか。)

リュックとカンテラを置いて外に出る。


「終わったか。」

「ああ。」

「儂のテントに行く前にトイレの場所を教えておこう。」


トイレ、確かにそれは超大事だ。


「ここだ。」


何となく感じていたけれど、水洗なわけがない。昔ながらのボットンだ。そして男女兼用。個数は2つ。匂いは臭くない。溜まっているわけなさそう。定期的に回収しているんだろう。


「男女で分かれてはいない。するときはしっかりノックしろ。トラブルになっても責任はもたない。」


そりゃそうだ。肝に銘じておこう。


「さて、仕事内容からだな。まずは…」


ライトさんのテントに入り、適当な場所に座らせられると、説明が始まった。

仕事は鉱物発掘。発掘するものとしては魔鉱石っていう魔素が濃縮されて出来上がった鉱物で、最深部に行けば行くほどより濃縮された鉱石が出てくる。

だから魔素に対して耐性の高い生物融人とかは重宝される。

給料は日給で、その日中に発掘した鉱物をすべて売却したものを山分けする。

休日は週1日

労働時間は朝の9時~18時まで。昼休憩は12時~13時。

朝食・昼食・夕食はこのテントに集まってみんなで食べる。

朝食は7時から、昼食は12時から、夕食は19時から

20分過ぎたら飯は無くなる。

入浴は近くに沸いている温泉があるからそこを使う。

男性組と女性組で時間が分かれる。時間は18時~18時30分と18時30分~19時。

夕食後からは自由時間となる。

水は貯水タンクから自由にとっていい。補充は朝の5時と正午の2回らしいが、申請したら補充は何回でもできるらしいので、水分補給は適宜とるべき。

電灯の消灯時間は22時。

残業は許可していない。執行機関のカープ・マウンテンが巡回しているらしく、もし残業しているのがばれでもしたら、ペナルティがある。

このカープ・マウンテンっていう人は竜人らしく背中には翼が生えている。空からも現れるので、神出鬼没らしく、突然捕まるってのも珍しくない。秩序維持にも貢献しているので、困ったら頼るべき存在。


始めはブラックかと思ったが、相当ホワイトだった。

就業時間は8時間、休憩1時間、残業なし。住居が粗末である点と休日が1日であるのをのぞいたら、いい環境じゃないか?

開拓地ってのは奴隷のように働かされるようなもんかと思っていたが、ある程度の自由はありそうだ。


「さて君の場合は特殊だ。週4日グラン殿が来る。その日は12時まで働いてもらって、それ以降はグラン殿に従ってもらおう。その場合の給料だが、12時までしか働いていないのに同じ給料というのは道理が通らない。なので半分カットさせてもらう。」


妥当か。と言うより週4あの地獄の時間があるの?

頑張らないといかんなあ。でも聞きたいものもいろいろ出てきたわけだから、無駄ではない。

でも…絶対痛くなるんだろうなあ。


「もうすぐでみんな戻ってくる。何か聞きたいことはあるか?」

「えっと…。」


周りを見渡す。俺のテントよりも広く、20人くらいは余裕で入りそうな広さがある。本棚や収納ラックなどがあり本棚には〇月収益と書かれたファイルばかりが収納されている。収納ラックにはカンテラやコップ、食器が置いてある。私物は何処にも見当たらない。

私物があるとしたら、遠くに見える作業机の中にありそうだ。


「特にないです。」

「そうか。」


気になるものは何処にもなかった。

そうこうしてると、足音と声が近づいてくる。どうやら仕事から帰ってきたようだった。


「あれ正也じゃん。」


聞いたことのある声が聞こえ振り向く。


「いや誰だ?」


そこには小さなゴブリンがいた。









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