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嵐の星のもとで  作者: 音頭
2章 災いの渦中へ

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師匠との出会い 

「一面荒野でなんもない。」


俺は案内されたものの置いて行かれた。

案内っつてもここに来るまでに目隠しをされたから、行き方を知らない。つまりは帰り方も知らない。案内よりかは捨てられたって感じだ。

目隠しをしてしばらくたっても誰も来なかったし、何もなかったからとってみたんだけどこんなことある。ドッキリかな?

しばらく待ってみよう。


~~~~~数分後~~~~~


「誰も来ない。」


あるのは荒野に吹く乾いた風だった。


「俺ほんとに置いて行かれたの?まじかあ…」


普通にショックが隠せない。しかも聞いていたのと違うし。

俺はこんな荒れ果てた場所だとは聞いていなかった。

この場所は開拓地と呼ばれる。俺のいる世界パルス・パンゲアとは違い異界に位置する。

異界ってのは異世界とは違い同じ軸にあるが異なる場所のことらしい。うん、何を言ってるのかさっぱりわからん。

そして、開拓地ってのも何もなかったこの場所にパルス・パンゲアで充満しすぎた魔素を移動させてできたらしい。そこには濃縮された魔素が結晶化して鉱物になったものがたくさんある。それら鉱物は高エネルギー物質らしく、資源として重宝される。そのため採掘する意味が出てきたから「開拓地」って名前になったらしい。

俺は鉱山みたいなところを想像していた。しかし目の前にあるのは果てしなく広がっている荒れ果てた荒野だった。

期待通りを通り越して、肩透かしを食らった気分だった。


「ん?」


そう俺ががっかりしてると、目の前にあるものに気付く。


「俺の剣と盾、それと…リュックサック?」


とりあえず剣と盾に気付き、手に取ってみる。


「わっわっわ!!」


手に取ると、その瞬間剣と盾はどろりと溶け手からスルリと抜けて、粘性のある液体となって地面に落ちていく。


「…。」


俺は突然の出来事に呆然となってその場に立ち尽くしていた。

俺は動揺していた。


「なるほど。」


俺とは別の声が聞こえ、その方向を向く。そこには大きな岩の上に座っていた金髪の男がいた。

その男は目を閉じてこちらに振り向いていた。


「あなたは?」

「グラン・ブラインド。」


グラン・ブラインド、確かギルドのトップの人じゃなかったけ?どうしてそんな人がここに?


「私は今日から君の師匠だ。」

「…ん?は、はい?はぁ!?」


いやいや突然言われても、困るって。師匠?こんなお偉いさんが?…ありがたい話かもしれないけど、今は欲しくないんだけど。


「早速だが、始めようか。」


男はこちらの心情なんて知るはずもなく、俺に木剣を投げる。


「拾え、試合をするぞ。」


どうやらやらなくてはいけないらしい。


言われた通りにし、剣を拾い構える。

(持ち方あってる?)

学校の授業では剣道なんかなかったし、何となくこんな感じ?ってイメージだけで持っているんだが、なんかコレジャナイ感があるんだよなあ。

ま、何となくやってみますか。




数秒後、俺は地面に倒れていた。

(受け流されたのは覚えている。けどそれからは何があった?)

攻撃を受け流された瞬間、見えない攻撃が何度も襲い掛かった。まるで時が止まったかのように。


「弱い、軽い、遅い…0点だな。いや、それ以下か。」


何か言ってる。

そもそもあんな攻撃避けてくださいってのが無理に決まってんじゃん。


「さっさと立て、基礎から教えてやる。」


俺は強引に立たされ、また剣を持たされる。

俺はとんでもなく嫌な予感がしていた。




数時間後、指は真っ赤に。手も真っ赤に。全身があざだらけになった。

(痛いわ、辛いわ、しんどいわ。)

嫌な予感は当たるものだ。

師匠は恐ろしいほどにスパルタだった。

剣の持ち方が違うだけで指を打たれるわ。振りや突きが甘くても叩かれる。


「いてててて…あれ?あざがなくなった?」

「さて、最後だぶつかってこい。」


…回復魔法ってすげえ。さっきまでのを無傷にしてしまうんだから。俺もさっきのでまあまあ感覚を掴めたと思う。さっきまでのやり返しをしてやるぜ。




…数秒後、同じように返り討ちにされていた。全く歯が立たない。恐らく足元にすら立てていない。


「弱い、軽い、遅い。しかし悪くはない。ただ筋がいいか悪いかで言うとどちらでもない。平凡だな。」


平凡。現実は非情だよね。アニメや漫画とは違うからね。

ちゃんと鼻柱ぽっきりと折られたよ。困った。楽できないじゃん。


「今日はここまでとする。付いてこい。宿に案内する。そこの荷物を忘れるなよ。」


荷物。リュックあったんだった。忘れてた。リュックを取って後に付いていく。

今までの人生で海外に行ったこともなかったし、こんな荒野なんてテレビでしか見たことがない風景だったから、宿をわくわくしている自分がいた。


数十分後に荒野の風景からごつごつとした岩肌のある山々が加わってくる。

次第にレールやトロッコのようなものが見えてくる。どうやら鉱山のようだ。

奥に奥に行くと、大きなテントが見えてくる。

テントの前には誰かが立っているのが見える。

顔はフードを被っていて分からないが、左手には杖を持っていた。


「グラン殿、そのわっぱがあの?」

「ああ、そうだ。こっちでこき使ってやってくれ。代わりに衣食住の提供をお願いしたい。」

「かまいません。もう慣れておりますので。それに蟲融人ってのは何処であっても喉から手が出るほど欲しい人材でありますので、今後とも御贔屓に…」



師匠はその誰かと話している。会話の内容的に俺はそこで住むことになっているようだが…、これは俺がこき使われることになっているよね?それに俺が蟲融人とも言っている?

これは新事実だ。転生したと思ったら更に転生してしまった件について考えなければならないな。


「明日また迎えに来る。」


話し終えたと思って、師匠は向かってきた次の瞬間、それだけ言うと師匠は帰っていった。

(え、それだけ?)

俺はぽかんと啞然となっていた。


「わっぱ、自己紹介といこう。」


師匠に替わり男が近づいてくる。男は遠出からはフードを被って見えなかったが、近くに来たからよくわかった。その姿は猪のような顔で、口には鉛管を咥え、左目は失明しているのか真っ白で、両牙は折れていた。体格は腹には巨大な贅肉が蓄えられ太っており、身長は2mはありそうな巨躯をしていた。


「…。」


俺は圧倒されていた。種族はオークなんだろう。スターチスさんよりはオークぽさはある。だがこれは…あまりにも威圧感がありすぎる。怖い怖すぎるわ!!

でも意外と優しいかもしれない。ガワが怖い人は実は優しい人も多いらしいしね。


「チッ!返答ぐらいしろやクソガキが。」


怖ッ!!前言撤回。この人絶対歯向かったらダメな人だ。


「ごめんなさい。」

「…ふん。分かればいい。次はないぞ。」


その言葉に背筋が凍る。

(次したら何されるの?指詰められる?口が答えれないぐらいサンドバックにされる?…目が笑ってない。本当にされる!?)

体が震えていた。


「何震えてやがる。分からんのなら鈴でもつけてやろうか?いい音色が鳴るぞ。」

「はははは、い、いえ、遠慮しておきます。」


怖いわ。その顔を変えないのやめてくれ。今のは分かりやすいジョークだから作り笑いができるけど、分かりにくい冗談があったら笑えないわ。


「ふーん、そうか。儂の名前だったな。儂の名はライト・ハウスだ。」


ライト・ハウス?そんな可愛い名前なの?冗談じゃないよね。目は…笑ってない。多分本気だ。


「アンレイル・ラナウェイです。よろしくお願いします。」

「ああ、よろしく。」


俺はお辞儀をし、手を差し出すとその手を握って握手をしてくれた。

(よかったぁ!!!!合ってた。)

俺は心の中でガッツポーズをしていた。







体調不良が続いていたため、更新が止まっていました。

申し訳ございませんでした。

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