表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嵐の星のもとで  作者: 音頭
序章
3/30

ドッキリ?

「初見でしか味わえない快感だ。」


エスワードはニコニコしている。


「ドッキリ?」

「ところがどっこい、マジ。」

「マジすか?」

「マジマジ。どうして、そこにオークがいるんだい?」


オーク?指さした先にはスターチスがいた。その姿は確かにファンタジーの世界とかで出てくるオークだ。そんな存在は今までいた場所にはにはいない。

コスプレをしているにしては手の先まで剛毛になっている。その姿は豚男よりかは猪男だった。

それに性格的にかなりの堅物のように感じる。そんな人がコスプレをするとは考えにくい。

確かにここはファンタジーの世界なんだろう。

剣と魔法の世界…ここが異世界なのは本当なのだろう。


何の因果なんだろうか。突如として、異世界に来るとは。

それもクラスメートと共に…。


「痛!」


思いっきり頬をつねる。ここが果たして夢であるのか、はたまた死ぬまでに見てる幻であるのか定かではなかったからだ。現実では刻々と死へのカウントダウンが始まっているかもしれない。


「何やってんだお前?」


将貴に変な目で見られた。


「だって、夢じゃないかって思っちゃって。」

「夢だったら、もっと自分勝手にできるだろ。なんでこんなに体が動かないんだよ。」


マジレスされた。けどそれは一理ある。死ぬ前の幻なら、それはきっと自分勝手で都合の良いものだ。

(そもそも俺こいつとそんなに面識ないし。)

こいつはクソがつくほど真面目で、堅い。融通が利かなく、自分がしたいものを押し通す。

自分の意思を曲げるってのが嫌いな奴だからな。

一匹狼な男で、近づきたいか近づきたくないかで言ったら、どっちかと言えば近づきたくはないタイプだ。

悪い奴ではないことは分かるが…その面倒くさいんだよなあ。

叩かれるから決して本人の前では言わないけど。


「△ってことはどういうことなんですか?」


そんな心の中を知らず、将貴は話を進行させようとする。


「死んでここに来た。」


その返された言葉は手短に収縮されたものだった。


(そっか、がれきの下敷きになって死んだんだ。)

だが、その短かな言葉が確かな真実を教えた。

けど、なんで死んで来たことを知っているんだ?


「死んだことを何で知っているんですか?」

「なんでだろうね。」


はぐらかされた。これ絶対に教えてくれねえじゃん。


「ま、いいいじゃん。転生したってことは君たちにとっては、第2の人生だ。好きに生きたらいい。これは私からの餞別だ。」


生き残っていても、今みたいに2本足で地面を立てるわけではない。

何故かは分からないが、ついている。


俺ら2人に紙が降ってくる。


「「!!!」」


その紙に触れると、ビリビリビリっと電気が走るような感覚を抱く。

今度こそドッキリか?

そんなことを思っていると、大きな違和感に気付く。


「あれ?体が動く?」


先ほどまでの鈍い動きとは違って、身体がスムーズに動く。

この感動は将貴も感じていたようで、手をにぎにぎとさせていた。


「サプラーイズ!はっはっは、その驚いた顔、い~ね。ただこれは有効期限付きだ。それまでに頑張って探すんだな。じゃないと…。」


なんだ?最後の笑顔は?…怖い。

何か薄気味悪さを抱いていた。


「それはどういう?」

「んん?んん。んんう。」


質問しても、ニコニコと頷くだけで決して答えてくれなかった。

これ以上のことは何も教えてくれなかった。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ