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猫じゃれる《桃》
ここで終わりとなります。『黒猫』にかんしては、よろしければ、『西堀の 』をひろい読みしてください。。。
きっと、
――― あれを食べれば、あの姉妹にも、また会えるのかもしれぬ・・・
うちに来る黒猫が、その、《腐らず干からびる様子もない桃》を見つけて、『 こりゃあ、《驚き桃の木》ってやつじゃねえか 』と、じゃれはじめ、いまでは毎日、憑かれたように《桃》を転がしに通ってくる。
この『猫』は、いささかわけがあって、《中身》はじじいなのだが、その年寄が、ひびのいった声で、『 こんな《桃》があるってのは、《桃源郷》ってやつかい? おれもちょいとのぞいてみてえなあ 』と、毎度のように《桃》にささやいているが ――― 、
いまのところは、
――― 《山神様》が、黒猫をさらっていきそうな気配は、どこにもない。
おつきあいくださった方、目をとめてくださった方、ありがとうございました!
よろしければ、シリーズほかも、ひろってやってください。。。。。




