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いい品の目利き
申し訳ありません。『西堀の隠居』と『ぼっちゃん』につきましては、シリーズ他を、ひろい読みしてみてください。。。。
老若男女、声をかけられればそれにこたえ、かついだ品をみてもらい、気に入れば買ってもらう。
口上は、それほどうまいとは思っていないが、しりあいの《ぼっちゃん》にいわせると、「あの西堀のご隠居とお友達になったんですから」そんなこともない、という。
だが、あの年寄りに口でうりこんだ覚えはない。
『西堀の隠居』ことトメヤのセイベイは、呉服屋の隠居で、目も口も肥えた、なかなか口うるさい年寄りだ。
その『口うるさい』年寄りが認めるほど、ヒコイチがかついでいるモノは、《品》がいいのだ。
その品を見定めて仕入れているのが『元締め』だ。
ぼっちゃんにきかれてようやくおもいあたったのだが、ヒコイチは《元締め》の名はしらない。




