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ヒコイチの商売



 道をつくるようにのびた石垣の中には、低いお茶の木がならび、土を盛った場所には、栗や梅畑になった場所もあるが、椿だけをよせて植えている場所もある。


 野菜などを育てる畑は、みな自分の家のそばにつくり、この石垣の中は、別のものをつくる場所なのだろう。


 昼に通ればあまり人にはあわず、ただ、道の近くの家からは、飯の支度の匂いがする。





 ヒコイチがこの商売で身をたてていられるのは、ひとえに《元締め》のおかげであるのだが、はじめたときに、『いやだと思えば、いつやめてもかまわねえし、おもわなければ、つづけてみりゃいい』などと気楽なことを言われ、あまり感じていなかったのだが、 ―― このごろ、どうやらこの商売が気に入っているのだと、ようやく気づいた。


 ひとつところで店をひらくよりも、向いている。



 売り物をかつぎ、ずっと歩き続けるのも苦にならない。


 売り物にあわせた唄をうたいながら、その日に気がむいた方へと足をむける。




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