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自分の人生を捨ててでも

男は高校生の時に好きだった子への想いを拗らせて以降、恋愛をする気になれず、ずっと独身でいた。

男には友人がいた。

友人はある日、彼女ができたと報告してきた。

それは男が好きだった子で、とてもショックを受けたが祝福した。

しかしアパートで独り暮らしを始めて20年が経った今でも好きな子への想いは変わらない。

2022年の冬に男は流行り病にかかり、このまま一人寂しく死んでいくのかと思いながら自室で意識を失った。


気が付くと、高校生に戻っていた。

しかし鏡を見てみると自分の姿ではない。

その姿は友人のものだった。

だが自分で体を動かしたり、言葉を発することができず、友人の人生をFPS視点で見ているだけに過ぎないと気づいた。

新手のNTRプレイが頭によぎったが、とりあえず好きだった子と一緒にいられるのであれば、このままでもいいと思った。


好きな子とはじめてのデート、旅行、結婚、子供の誕生など楽しいイベントを観測しながら20年の時が過ぎた。

仕事帰りのある寒い日、どこか見覚えのあるアパートに救急車が止まっているのが気になった。

どうやら孤独死した人が見つかったようで、救急隊員や警察やらが対応に追われているようだった。


そういえば今は2022年の冬だがら、この見覚えのあるアパートで孤独死した人はたぶん自分なのだろうということに気づいた。


しかし孤独死したときと比べて、今は好きな子と結婚して、子供もできたのでとても幸せだ。

自分は何もすることはできないが、これからも幸せな友人の人生を観測していこう……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 怖い!良いですね。
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