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鉄旅学生  作者: 郡山 額縁
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城崎温泉で、受験の疲れをいやす旅「尼崎~丹波大山」

 塚本駅についての解説をし終わった瞬間に「ご乗車ありがとうございました。間もなく尼崎、尼崎です。----」


 と車掌の放送が流れた。短い四両の列車が、大きい尼崎駅に滑りこんでいく。この尼崎駅は東西線、宝塚線、東海道線が乗り入れる兵庫県の駅の中でも大きな駅で乗降客数も多いが、朝ではそれほどお客さんがいないように見受けられた。


 尼崎駅から二人の学生らしき人が車内に入ってきた。この時間帯から通学とはどこに行くのだろうか?そんなことを考えるのも旅の楽しみである。


 尼崎駅を発車すると床下から、ガタガタとポイントを渡る音がすると共に、列車が左右に揺れる。宝塚線に入った証拠だ。


 列車は、軽快に駅に停車しては発車し、を繰り返す。その駅一つにも物語があり、どのような経緯で建てられたのか、周りにはどのような建造物が立っているのかは、駅によって異なる。それを見比べていくのが楽しい。


 次の駅が、武田尾となった時。

「ちょっと景色がのどかになってきたな」


まだ、少ししか日が差していない、風景を見ながら川西が言う。

「そうやなぁ」


 特に何も考えないで、空返事を返す。少しの光しか浴びていないはずなのに、沿線の木々はしっかりと緑を強調してくる。


 列車は武田尾駅に入線していく。少し寂しいプラットホームが列車を迎える。4両分ぐらい進んだところで、川西が「ん?」と言った。トンネルに入ったのだ。


「めずらしい構造やろ」

「ほんまやなぁ、トンネルに駅が食い込んでるやん」


 列車は普通の駅と同じように、武田尾駅に停車し、発車していく。外の人間から見たら意外なものが、その付近の人が見れば当たり前に感じる。これって結構面白いよな?そのような考えをしながら意識を飛ばす。


 列車は一定の間隔で、ガタンと揺れる。。。。


 意識が我に戻った時はちょうど新三田駅に入線する直前だった。川西はまだ寝ていた。


 新三田駅までは、大阪駅から日中でも普通電車が出ているが、この駅より先は、日中の各駅停車の電車は踏み入れない地域に入る。冒険の前のようなわくわく感が心を満たす。


 新三田駅周辺は、それほど都会と言うわけでもないが、田舎でもないというような町だった。ふと視線をホームから逆に写すと面白い光景が見えた。


 線路の近くに道路を挟んで広大な空き地が広がっていた。その中にポツンと政治家の広告ポスターが四枚も連続で建てられていた。


 この選挙区はこの人しかいないのだろうか、そんな馬鹿なことを考えながら、再び意識を飛ばす。


 列車が丹波大山駅に近づいたとき、ふと目が覚めた、何か外で光ってる?そう思って、窓の外を見ると、天井の上の方から青白い光が外を照らしていた。明らかに太陽の光ではない。


 耳を澄ますと、列車の走行音の陰に隠れて「バチバチ」と火花が散る音がした。どうやら列車の集電機構のどこかから火花が散っているようだ。


 丹波大山駅に着くや否や、運転士と車掌がホームに降りて、天井を見上げていた。どうやら乗務員もこの異変に気付いたようだ。


 このような、アクシデントの場合最悪は運転打ち切りとなるが、特に放送もなく丹波大山駅を発車した。




最後まで、ご覧いただきありがとうございました。作者の郡山です。


 今回は宝塚線に乗って気になった点と、本当に私が経験したことを書きました。いやぁ、武田尾駅。あの駅の構造は面白い。是非見に行っていただきたい。(まぁ、私降りたこと無いんですけど)




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