7話 ルナ
7話 ルナ
アリスは私に助けられてから変わった
今までキリヤ人の血が入っていたので魔力がなかった、なのに急に魔力が使えるようになり、魔法が使えるようになっていった
私は魔法の訓練を毎日しているのだが、アリスも最初は見ているだけだったが、最近は一緒に参加していた
「お姉ちゃん見て見て!凄いよ!こんなにデカイ炎が出たよ?」
アリスが自分よりデカイ炎の塊を出して自分の周りをグルグル回して遊んでいる、私は属性魔法が出来ない!無属性の身体強化の魔法や回復魔法しか出来ないのだ
(う、羨ましい!私にも才能があれば、いや、魔力の操作さえ上手くなれば、いろいろ出来るはずなのに)
私より魔法を使うのが上手いのだ!しかも、普通だと1人1属性なのにアリスは全属性を使えるのだ
普通に考えてあり得ない存在なのだ!これは昔のおとぎ話に出てくる勇者や魔王の存在に近い、もしかしたらアリスは将来そんな存在になるかもしれない
私も本でしか知らないが、勇者とは魔王が誕生したら世界中の何人かの才能がある子供が神に選ばれてなる存在らしい
選ばれた子供達は1人1人が一騎当千の力を持ち、1人で国を滅ぼせるらしい
私にはよくわからないシステムだ!そんな勇者システムよりも魔王を作らないシステムを作ればいいのに、と思ってしまうからだ
(この世界の神はあんまり力を持っていないのかもな?私だったらこんなシステムは作らないけどね!まあ、魔王とか勇者か、ちょっと憧れるしね)
アリスは魔力量が日が経つにつれ増えていく
(なぜ増えるのかは、アリスにもわからないらしい?今や私と互角?いや多分上だと思う!アリスは私に気を使って下に見せている感じだ、そんなに気を使わなくてもいいのにな)
私はそんな事を思っていた
しかもアリスは剣の訓練も私と互角に戦えるのだ!魔法の訓練が終わったら、すぐに剣の訓練だ!私とアリスは木剣で打ち合う
「お姉ちゃんもっと強く打ち込んでも大丈夫だよ」
「わかった!じゃあ本気で行くよ」
私は身体強化をフルに発動させ、斬りつける!
[ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!]
アリスは余裕で受け止めて面白そうに微笑む
(くっ、凄いな!お父様以上に強い!この家に来て私と暮らす様になってから、剣を始めたのにこのレベル!マジモンの天才だ!)
私は凹んだ!前世でも単なる主婦だった今世の才能だけでは、本物の天才には勝てない、才能の差がありすぎて私は必死にやってギリギリ剣で勝った!私の方がかなりの時間をかけて訓練したのに、アリスは軽く遊び半分でやるだけで強くなるのだ!理不尽だ、まあ、可愛いから許せるが
最近はお父様が私に構わなくなったので静かに暮らせた
だがちょっと怪しい?何か企んでなければいいのだが、最近はアリスにも自分から会いに行こうとしないのだ、アリスが時々会いに行く程度だ
(お父様は元々私に関心がないのはわかっていた事だし、今では私の事は大事なアリスを奪った憎き存在だと思っているかもしれない、まあ、私もアリスがここまで懐くとは思っていなかったが)
コニーもアリスとは仲良くやっているみたいだ、最初に会った時に私を守る為にアリスを殺そうとしたのだが、今では2人とも仲良く話しをしている
だが、私には違和感を感じるのだ!コニーは今世で私の母親みたいな存在だ、1番長く一緒にいるし、私の事を愛してくれている、だからこそコニーから小さな違和感を感じるのだ
(コニーはアリスに怯えている様に感じるのだ、前にコニーにアリスの仲はいいのかと聞いた時に、問題ないと微笑えみながら言っていたが)
とりあえず全てが順調に問題なく進んでいるみたいに思っていた
そんな時に問題が発生したのだ
アリスと一緒に暮らす様になって半年経った頃、辺境伯のお父様の領地を隣の国のカフ王国が攻めてきたのだ
カフ王国とは遊牧民族の集落を集めた国であり、族長が集まり族長会議で全てを決めるらしい
彼らは人食いの習慣がある民族だ!戦争に負けたり捕虜になって生きて帰って来たものはいない、そんな話が広がっている為に尚更恐れられている国だ!そんな国がこの領地を狙って攻めてきたのだ
お父様と領民から徴用された兵士達は忙しく準備している
私とアリスにも戦争に出てくれとお父様から言われた
(なんで?私だけならわかるけど?アリスはなんでるこんな危ない事に参加させるなんて、なんか変だ?)
私は嫌な予感がしていた、危険な感じがする戦争が始まる
次はアリス編です