2話 ルナ
2話 ルナ
隣国のプラリア王国の商業都市フーラが、襲われる2年前…
「おはようございます、お嬢様?今日は気持ちのいい天気ですよ!」
そういいながらメイドのコニーは私の部屋のカーテンを開ける、眩しい日光が私に当たる。
「午後はお嬢様の好きなケーキを用意してお庭でお茶でもいたしましようか」
私が反応しないので不思議に思ったんだろうコニーは私の方をみる
「お嬢様?」
私はそれどころじゃなかった!私は目が覚めたら完全に思い出したのだ!ある日私は気がついた、私には2人分の記憶があると!
前々からおかしいとは思っていたんだ!見たこともない物や風景を知っていたり、それが実はこの世界になかったり
その後を周りに相談しても理解してくれる人は1人もいなくて、私はずっと妄想癖のあるちょっと変わった子だと周囲から思われてきたのだ。
そして今日、私は完全に思い出した!
隣で私がボーと呆けているのでコニーが心配する
「お嬢様どうされたんですか!?大丈夫ですか?熱はないみたいですね?」
コニーが私が熱がないか額に自分の額を当てたりするが私はそれどころじゃない!私は前に私が死んだ時の事を…
(つまり転生したゃったのね、私…)
私はコニーに返事をする
「だ、大丈夫よ、コニー心配しないで」
戸惑いは少なかった、どちらかといえばスッキリしたという感じが強いかもしれない
私がなんで死んだかは割愛する、私は日本生まれで死んだのは40歳だ
旦那もいた恋愛結婚だ、子供も1人いた女の子だ!子供は成人していたので旦那がなんとかしてくれるだろう少しは安心できる
私が死んだ後、旦那と子供と両親や友達がどうなったか胸が痛んだでその後2日ほど部屋に引きこもった。
私は部屋で布団を被って泣いた、クズクズ泣く私を使用人達は酷く心配してれてそれが前世の人達を思い起こさせて辛くなった。
けれど!それと同時に私は前世で死んだ私ではなく 、 ルナ・クラエスなんだという意識を強くしてくれた!それからすぐに立ち直れた訳でわなかったけど、死んで転生したものは仕方ない
私は前向き生きていこうと誓った。
私が生まれたクラエス家は辺境伯だ、我が家はギルダ帝国の武門の家系で特に私のお父様が15年前の戦争で、プラリア王国の敵陣に単騎駆けを仕掛けて王国の国王の首を討ち取って戦争を終わらせた英雄なのだ。
その英雄がまだ生きていているので、他の家は私達クラエス家に敵対はしない
私はこのクラエス家に生まれて12歳になる、お父様とお母様の仲は凄く悪い、お父様は町に愛人を作ってそこに足繁く通っている、愛人の間に子供がいるみたいだった。
お母様はお父様が王国の国王の首を取ったので、英雄扱いを受けて皆んなからチヤホヤされたくて、侯爵家の力を使って無理矢理お父様と結婚したのだ
貴族の義務として子供を作ったが愛はないみたいだ、なのでその子供である私を両親は愛してはいない、お母様もメイドのコニーに私の面倒をやらせている。
(子供を育てた経験を持っているから言わせて貰うけど、なかなかクズな家に生まれたかも?家族の愛がないなんて、前世の記憶が戻ったからましだけど普通不良になるぞ)
メイドのコニーは私を愛情を持って接してくれている、それが救いかもしれない
この世界の文明レベルは中世ぐらいで正直言って前世で大学まで出た、私の知識があれば勉強はいらないレベルだった、なので家庭教師は少なくしてもらって実技の家庭教師は増やして貰った
私は娘が小さい頃見ていたアニメの転生ものなら、やっぱりこれだよねと思い、剣や魔法を教えて貰う事にした
午前中は剣の訓練をして、午後は魔法の訓練だ
私は魔力量が人よりかなり多いみたいだ、家庭教師はかなり驚いていた
「ルナ様素晴らしいです!ルナ様の魔力は普通の人が10だとすると、ルナ様は軽く1000を超えています!さすがはカリム様の子供ですな」
そう言われた、剣の訓練は身体強化を無尽蔵の魔力で行うのでかなり強いが、魔法の方は難儀した魔力量が凄まじく無属性魔法なら出来るが(身体強化や回復魔法)火、風、水、土、などの属性魔法が使えないとわかったのだ、さすがに凹んだ
(えーー!異世界なのに!火、水、風、土が使えないなんて、私落ちこぼれなのかな?)
「ルナ様、大丈夫ですよ!無属性魔法が使えますから、キリヤ人みたいに無能なわけではないですから」
「無能?キリヤ人ですか?なんですかそれは」
私は初めて聞く単語に興味がひかれ家庭教師に質問する
「おや、まだ教えてもらってないのですか?まあいいでしょう!キリヤ人というのは赤目で魔力を全く持たない種族の事です。我々アレフ人は魔力を持って生まれますがキリヤ人は昔、神に見放された種族と言われています!なので我らアレフ人は今から200年前にキリヤ人の国を滅ぼして彼らを奴隷として扱っています!私としてはキリヤ人は滅ぼすべきだと思っていますが…」
(この家庭教師、アウトー!なに子供に教えてるんだ?人種差別なんて最悪だよ)
「滅ぼすですか、キリヤ人は普通に意思の疎通が可能なんですよね?1つの人種を滅ぼすなんて、野蛮ではないですか?」
「野蛮ですか?私はそうは思いません!神を見放された人種だと言うだけで万死に値しますから!それに野蛮というのはカフ王国の事を言うのですよ?カフ王国の人は未だに敵を生け捕りにしたらその人を食べる習慣がありますからね…」
「ひ、人を食べるんですか…マジか?」
(カフ王国、アウトー!人食うなんて、いつの時代だよ?ってまだそんな時代か!)
私はカフ王国、怖!っという認識を強めた