13話 アリス
13話 アリス
お姉ちゃんは私を後ろから抱きしめながら
「お風呂から上がったらご飯を食べて、それから、お父様に会いに行こう!そうすれば君は安心だよ」
お姉ちゃんは私と湯船に浸かりながら後ろから私を抱きしめる、私は疑問になっていた事を聞く
「あ、あの?なんで私を殺さなかったんですか今も、私を殺すチャンスはいっぱいありますよね」
お姉ちゃんは私の頭を撫でながら
「ふふっ、そうだね、アリスには私の秘密をお話しようかな?私は前世の記憶があるんだ」
「えっ、ぜ、前世ですか?それって自分以外の記憶があるって事ですか」
(衝撃的だった、まさか自分以外にも前世の記憶持ちがいるなんて)
「お、凄いね!よくわかったね、私はね40歳で死んだんだ、旦那と子供が1人いて女の子だったんだ、確かに私は死にたくないけど、子供を犠牲にしてまで生きたくはないかな?」
(お姉ちゃんが40歳!!子持ち!ハハハ、私なんか小さな子供みたいなもんか母さん…)
私は母さんを思い出して…ついお姉ちゃんに溜め込んで誰にも話す気がなかった事をつい喋り出す
「私は、母さんが目の前でだんだんと弱っていく様子を見せられて助けられなかった!母さんを幸せにしたかった!助けたかった…」
(なんで…私はこんな事を喋っているだろう)
私はそんな事思いながら自分の気持ちを言う
「アリス、君がそう思ってくれるだけでお母さんは生きてて良かったと思っていると思うよ、私も母親の経験があるから、自分の娘にそんな風に思われていたら嬉しいからさ」
(何故か心の中のモヤモヤが消えていく感じがした、お姉ちゃんに私の気持ちを暴露したからだろうか)
「そうかな?私母さんに何もしてあげられなかった」
私は泣きながらお姉ちゃんの方をむきお姉ちゃんに抱きついた、お姉ちゃんは私を抱きしめながら
「多分、その気持ちだけで充分だよ、アリスのお母さんは君だけでも助かった事に安心しているよ、こうして転生があるって事は魂があるって証拠だから!アリスの事を見守っていると思うよ」
「うん、うん!そうだといいな!ありがとう、お姉ちゃん」
私が泣き止むまで湯船で抱きしめてくれて、お風呂上がりにご飯を食べさせてくれた
(美味しい!マトモな料理なんて久々だ、母さんにも食べさせたかったな)
お姉ちゃんは微笑んで私が食べる様子をみる
食事の後、私はお姉ちゃんとアニーの3人でお父様のとこにむかう、お姉ちゃんが話があると伝えたので面倒そうにお姉ちゃんの方を見る、だが私がいる事に気がつくと
「あ、アリス、よく無事で心配したぞ!エリスは、エリスはどうしたんだ?」
お父様が私を抱っこして喜ぶ、私は母さんの事を思い出して泣く
「お父さん!お母さんが!お母さんが…死んじゃたよ!ウワァーン!」
「な、どういう事だ!教えてくれ!アリス」
私が泣いて会話にならない、コニーが説明する
「カリム様、実は…」
「な、なんだと!エマ、そこまで愚かだとは思わなかったぞ!アリスはここにいてくれ、ルナはコニーと一緒に部屋にいろ、いいか絶対に勝手に部屋から出るな!」
私を椅子に座らせてお姉ちゃんを見る
(あっ、これマズイな!お姉ちゃんが殺される!助けよう、助けるべきだ)
私がお姉ちゃんに抱きついて、父に対して演技する
「お父さん、私はルナお姉ちゃんと一緒にいたい、お姉ちゃんは自分の立場が危なくなるのを覚悟で私を助けてくれたの、いいでしょう?」
「な、ダメだ危ない!いいかい、エリスが殺されたんだ!父さんにはお前しかいないんだ、お前に何かあったら父さんは…」
「お父さん、大丈夫だよ、ルナお姉ちゃんは私に変な事はしないよ?それにルナお姉ちゃんはお父さんの子供なんだよ、妹に変な事するわけないじゃない!お父さんは自分の子供を信じられないの?」
私は嫌味な質問をお父様に質問する、これで信じられないと答えるのなら、私の事も信じられないと言っているようなものだ
父は答えを困ったようにして私の質問に答える
「そ、それは…わかった!とりあえず母さんの仇は俺が取るから、アリスはルナとルナの部屋にいればいい、いいかい何かあれば報告するだよ、ルナ!アリスの面倒を見ろ!わかっているな…」
父は殺気を込めた目でお姉ちゃんを見る、私は内心呆れる
(ここまで無傷で連れて来たんだ、父に私を合わせた時点でわかるもんだと思うんだけど…)
「はい、わかりました…」
お姉ちゃんが頭を下げる…私は申し訳ない気持ちになった…
その後父はエマをクラエス家の犯罪者を閉じ込める場所に監禁した、その内処刑されるだろう
私は今お姉ちゃんの部屋で寝ている、隣にはお姉ちゃんが寝ていた
隣で寝ていた、お姉ちゃんが私を抱きしめてくれている、多分私がうなされていたのだろう、それをお姉ちゃんが抱きしめてくれたんだろう
私はお姉ちゃんに抱きしめられると安心感があった、私はお姉ちゃんに依存している可能性が高かった
(依存か…母さんが死んで、私には何もない、いや、今は信頼出来るお姉ちゃんが出来た!この人は私を裏切らないだろう!何故かそんな自信がある。こんなに優しいのだから私が依存しても受け入れてくれるよね?)
私はお姉ちゃんに抱きついて寝る、いい匂いがする私は眠ってしまった