12話 アリス
12話 アリス
「お、お姉ちゃんなの…」
私が不用意に口走ってしまったので、ルナお姉ちゃんに妹だとバレた、殺される!私が死を覚悟した時に…
「も、もしかして君がアリスなの?お父様が探していたんだ、無事でよかった!このゲガは誰にやられたの教えて?」
(言えない!貴方の母親に散々酷い目に合わせられたなんて、どうすればいいの?怖い、あそこに戻って拷問をされるのはもう嫌だ!)
私は恐怖のあまり震えながら、覚悟を決める!ルナお姉ちゃんも魔力持ちだ、どうせ逃げれない…
「あ、あの、お願いです!もうあそこに戻るのは嫌なんです!戻るくらいなら、こ、殺してください…」
私はダメ元でお願いしてみる、するとルナお姉ちゃんは全てを察した様に…
「エマお母様にやられたんだね?大丈夫だよ、私とエマお母様は仲が悪いから、助けてあげる!」
仲が悪い?もしかして助かるかもしれない!私は死ななくてもいいかもしれない、私は安心して今まで心に溜め込んでいた物が溢れ出る!
「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございます、お母さんが殺されて、毎日、毎日、痛い事をされて、グスッ、うわぁーーん、お母さん、お母さん、うわぁーん」
私は泣き出した、ルナお姉ちゃんが私を抱きしめて頭を撫でながら私が落ち着くまで待つ
(ルナお姉ちゃんはやっぱりいい匂いがする?何でだろう?わからないけど落ち着く)
その時近くにいたメイドが真剣な顔で
「ルナ様、私はアリス様をここで殺すべきだと思います!今なら間に合うます!ルナ様ならわかっているはずです、ここでアリス様を殺さないとルナ様が殺されます…ルナ様がやらないなら私が…」
メイドがルナお姉ちゃんに提案する
(私を助けるとルナお姉ちゃんが殺される?何で?もしかして?やっぱり私はここで死ぬんだ)
私はメイドが言っていた事にやっと気づいた、絶望した。あの男は母さんを愛していた、あの男がエリス母さんを殺した人間の子供を許す訳が無い、恐る恐るルナお姉ちゃんの顔を見る、何故かルナお姉ちゃんは微笑んでいた
「コニー、貴方の意見は間違いないわ?このままだと私はお父様に殺されるでしょう、お父様の大事なエリスさんを殺して、アリスにはこんな酷い仕打ちをしたんだもの、エマお母様は殺されるでしょうね、そして私も、お母様を殺されていつアリスに弓を引くかわからないからね?でもね、子供が助けを求めているの…しかも妹だよ!私は助けるわ」
(なんで?そこまでわかっていながら)
「ルナ様、私からすればルナ様も子供です!もっと自分を大切になさってください!お願いですから」
メイドが泣きながら、ルナお姉ちゃんを説得しようとする
「コニー、部屋のお風呂を準備して?私はアリスと入るわ、その後食事も用意してその後にお父様に連絡を」
(なんで?私を助けるの?生き残る為にはここで私を殺すしかないはずなのに?)
ルナお姉ちゃんの命令にメイドは諦めた様子だ
「つぅ、わ、わかりました」
メイドが泣きながら部屋に戻る、私はルナお姉ちゃんに質問しようとしたが、私のせいでこの優しい人を窮地に立たせてしまうかもしれないと思い、上手く言えない
「お、お姉ちゃんはこのままだと、お父様に殺されるの?」
お姉ちゃんは私の頭を撫でながら
「ふふっ、アリスは気にしなくてもいいのよ?お父様は私を愛していないの、だからいつかなんかの理由でこうなっていたわ?私を愛してくれているのはコニーだけなんだ、親に愛されないのは少し寂しいけどね?さあ、お風呂に入ろうか立てる?」
(同じだ!前世の私と同じで親から愛してもらえなかった、なのにこんなに優しいの?私はこの人を殺すのか?こうして私に手を差し出してくれてる人を、クラエス家の人間は皆殺しにしてやる!そう決意したのに?なのにこの人は殺したくないなんて…)
私は混乱した恐怖や助かるかもと感情がいろいろ溢れて混乱した、足がガクガク震えていた!お姉ちゃんは微笑んで私をお姫様抱っこする
(恥ずかしい、恐怖のあまりお漏らしして汚れているのに、こうしてお姫様抱っこなんて恥ずかしいけどちょっと嬉しいかも)
私は顔を真っ赤にして
「あ、あの、ありがとうございます…」
「いいんだよ?お姉ちゃんなんだから、それに言ったでしょう?私が助けてあげるって」
そのまま、お姉ちゃんの部屋に行く、部屋のお風呂場に行って私とお姉ちゃんでお風呂にはいる
お姉ちゃんは私の髪を洗ってくれた
「あ、あの、私1人でも洗えますよ?恥ずかしいです」
お姉ちゃんは嬉しそうに私の髪を洗う
「いいから、アリスはジッとしていて…♪〜♪♪〜♪〜♪〜」
お姉ちゃんは楽しそうに鼻歌を歌いながら私の髪を洗う
(この鼻歌前世で聞いた事がある?お姉ちゃんがなんで前世の歌を?)
一緒に体を洗い2人で湯船に浸かる