117話 ルナ
117話 ルナ
結局私達の学校イベントは強制終了になった
ゴブリン達を殲滅した日のお昼頃に騎士団が、やって来て私達を護衛しながら帝都まで戻る
どうやら村に向かう商人がゴブリン達を発見して尋常じゃないと判断して騎士団に報告したらしい、だが、もうすでに学園側に被害が出た後で騎士団のお偉いさんはお咎めを受けるみたいだ。
ただ、今回のゴブリンが溢れる事件は騎士団が監視をしているはずの場所に発生しているので、そこが謎になっているみたいだ?もしかして魔王の仕業じゃないかと噂があるほどだ
今回犠牲になったのは冒険者23人、学園の生徒5人だ、男4人、女1人が殺されているらしい。
同じクラスメイトだが、敵対派閥なので挨拶くらいしかした事がない人達だった。
私達は予定を一日早めて帝都に帰ってきた、今回の一件は皆にいるんな影を落とす事になった。
フィルとシャナは初めての実戦を経験していい勉強になったみたいだ、剣の訓練をするたびに考えながら剣を振るう様になった。
今日はフィルとシャナと私で剣の訓練をしている、シャナは私に斬りかかる、私はシャナに一気に間合いを詰めてシャナのみぞおちに肩で当て身投げを仕掛けて転倒させる!
「がっ!嘘でしょう?」
「そこ!」
フィルが剣を横薙ぎに振るう!私は剣で受け止めて更に受け流して斬りつける!
[ガッ!ギリリリリ!ザン!]
「え、嘘!」
「ふぅ、まだまだ甘いかな?でも強くなったね?ご褒美としてこれあげる」
私は2人を褒めてショートソードを2本亜空間から取り出して一本ずつあげる…
「あ、ありがとうございます!」
「だ、大事にしますわ!」
「2人ともそれは破壊不能がついた剣だがら外に売ったりしたらダメだよ!でも、それがあれば2人の体力があればずっと戦っていられるから」
「「いや、ずっとは戦えませんよ!」」
2人はハモって断る
「ふふっ、冗談だよ…でもいつあんな事が起きるかわからないから持っていてね?」
2人に剣を渡して教室に戻ると、生徒達が噂をして噂が飛び交う
最近帝都近くにゴブリンの群れが多く目撃されているらしい、しかも私達が殺したゴブリンの中に人間とのハイブリッドが大量にいたらしい
(つまり、それだけ女性が拉致られてゴブリンの母体になっていると言う事なのだが…同じ女性として酷い事だと思う…)
噂では帝国はプラリア王国の戦争に参加する予定だったそうだ
だがこのゴブリン騒動で話が流れたらしい、しかもユニオン国にも同じ騒動があるらしく同じく自国警護に集中してるらしい
このゴブリンは人の村や町を襲わず、村や町を包囲して逃げようとした住民を殺して目の前で食べるという事をするらしく、その度に騎士団がゴブリンを退治しに行き、ゴブリンが逃げて離れた場所にまた、ゴブリンが包囲して騎士団が追い払いにいくとイタチごっこを繰り返していた
このクラス生徒達もこの騒動のせいで家に帰れない生徒が沢山いる
「あー!もうすぐに大型連休になるのに帰れないかもしれないよ、どうしよう!」
「糞、あのゴブリンども!我が領地に蔓やがって!ゴブリンのせいで商売が上手くいかない!財政が破綻する領地も出てくるぞ!」
この年齢で領地経営に参加してる子供もいるので皆他人事じゃない、ゴブリンのせいで商業の流通がストップしている場所が多いのだ
この帝都も例外ではない、帝都は人が集まる場所だ食料などは他の場所から集めないといけないのに周りの食料を担っていた村や町がこんな状態だと流通が軽く停滞するのだ。
寮の食堂でも食料を集める事が困難になっていた
「お姉ちゃん!なんか最近ご飯のメニューがしょぼいね?お父様にお願いして持ってきてもらおうか!」
確かに今日のメニューはパンとジャガイモみたいな芋を蒸したやつとサラダとスープだ…
(アリスが文句を言うのもわからなくもない)
「お父様か、確かにお父様ならゴブリンに襲われても大丈夫だと思うけど?」
「あ、でもマズイかも?ただでさえクラエス家は嫌われてるから、これ以上偏見を持たれたら皇帝とガチバトルになるかも?」
「確かにそれはマズイね?でも、私達は転移でクラエス領地に戻れば普通に食べれるんだからマシだと思わないと!」
クラエス家は農地がいっぱいあるので食料は豊富だ、私達は味気ないご飯を食べて部屋に戻る、
部屋に戻ると普通にご馳走が用意されていた。
「あ、アリス?なにこれ?」
「え、だってあんなんじゃあ足りないでしょう?皆んなで食べようよ!」
「そうだね!皆んなで食べようよ!」
レナとユエルが少し遅れて来て皆んなで食卓を囲む、私とアリスとレナとユエルは楽しく会話をしながら食べる
その後皆んなに襲われてベッドの上で揉みくちゃにされる。
このゴブリン騒動は暫く続く、年単位で続くのだ帝国の国民の不満や食料不足が続いて深刻な状態になる。
私はこの現状になぜか疑問も思わなかった、そしてプラリア王国とヴァルキリア王国との戦争でまたプラリア王国は周りの国に救援要請をするがどこの国も自国のゴブリン騒動を収める事に力を入れないといけなくなり、そのドサクサでプラリア王国は守りの要を一つ失った、軍事都市ケープが落とされた、各国はヴァルキリア王国の策謀に気づかなかったのだ…
次はアリス編です