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異世界に来ても凡才は凡才だった件  作者: おわりの一歩
凡才、異世界に適応しようとする
2/2

死後の世界もリアルだった

「んんっ…」


顔にさわやかな風が当たる。

目を開くと目の前に木々と木漏れ日が。

すげー気持ちいい。

森林浴は副交感神経を優位してくれるってことだったけど、それでこんなに気持ちいいのかな…。


「とりあえず、地獄ではなさそうだけどね…」


自分で自分の体を触って、確認してみる。

顔も手も足もあるらしい。

胸に鉄柱も刺さっていない。

声も出せる。


「とりあえず、起き上がってみようかなと。」


起き上がって自分の体をさらに確認。

服装は、全体像はわかんないけど、とりあえず死ぬ前に着ていた服じゃないね。


「すんすん」


匂いを嗅いでみても、特に臭くはなしと。


おれは元々、生まれ変わりそのものを信じていない、というか生まれ変わりなんてあって欲しくないと思っってるヤツだから、当然、天国も地獄も信じていない。

だって、生まれ変わってもロクな人生じゃなかったら嫌でしょ?

死ぬ前の人生がロクなもんじゃなかったから、なおさらそう思ってしまうわけ。


「でも、天国はあったってことなのかな…」


森の空気が気持ちよくて、木々の隙間から差し込む太陽の光も気持ちいい。

こんな風に森林浴したことはなかったなー。

こんなに気持ちいいんだから、とりあえず地獄ではないでしょう。


死んだことのある経験なんて、誰もしたことないはずだから、何が天国で何が地獄がなんて誰も知らないはずだけどさ。


ただ、死んだはずなのに、今自分が生きてる感じしかしないってことは確かだね。


「天国でも地獄でもどっちでもいいけど、早く俺を終わらせてほしいわ。」


ちなみに、独り言が多いのは昔からだ。

癖みたいなものだし、一人行動が多かったからね。

いわゆる、コミュ障ってやつでもあるけど。


「とりあえず、その辺を歩いてみるかな…」


独り言をブツブツ言いながら、ちょっと周りを散策してみる。

独り言を言ってると、なんか安心するんだよねー。


歩いてる感じなんかは、ほんと生きてる時みたいな感じ。

足の裏の感覚っていうのかな。

葉っぱや枝を踏んでる感覚。


嗅覚に訴えてくるものだと、森の香りっていうのかな、そういう匂いとか。

あ、でも蚊とか、そういった虫は一切見ないね。

虫がいないのは、ありがたい。


「よくある漫画やラノベだとモンスターがいたりするけどな。」


漫画やラノベ、小説なんかが友達だった割合多かったからね。

ついついそんな想像してしまう。


「モンスターなんかいたら、襲われてまたロクな死に方しないじゃん…」



なんで死んでまでこんなこと考えなきゃいけないのか。

嫌になるねー。

歩くのもちょっと飽きてきたなー。

森ばっかり見ててもつまらんし。


「はぁー。神様でもなんでもいいから早く迎えにきてくださーい。」


そんな風にため息と愚痴を漏らして、近くの木によりかかった時だった。


アクション映画の爆破演出のような爆音が。

地面も揺れた。


「死後の世界にもテロとかあるんですか?」


また独り言を呟きつつ、爆音の下方向に向かうかどうか考えてみた。




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