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異世界に来ても凡才は凡才だった件  作者: おわりの一歩
凡才、異世界に適応しようとする
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凡人の望み

努力が報われないことが、一番人の心を折る。

努力した者が全て報われるとは限らない。

成功した者は皆、すべからく努力している。


努力したことがすべて報われたら、ホントに幸せなんでしょうね。

「ごほっ…」


あー、なんだどうなったんだ…。


煽ってきたトラックが急に前に来たと思ったら、急ブレーキしやがった。


そしたら今度は、トラックの荷台の鉄柱が落ちてきて…。


そっか…、俺の胸に刺さったのか…。


コー◯ブルーとかでよく見るやつじゃね、これ…。


あー、このまま死んじまうのかなー、俺。


意外と痛みは感じないけど、絶対にやばいよな。


大動脈損傷とか大動脈破裂、いや、心臓そのものに鉄柱が刺さっているか。


まさか、こんな風に人生が終わるとはね。


幸せだったのか、幸せじゃなかったのか、なんとも言えない人生だったなー。


愛する人と結婚できたわけでもなく、何かを成し遂げたわけでもなく。


努力することに抵抗はなかったけど。


努力を積み重ねてはきたけれど。


それが身を結んだことはなかったなー。


そんで、あがいてきた結果がこんな終わり方とはね。


まあ、俺の人生なんてそんなもんか…。


人並みの幸せでよかったのにな…。


そんなに多くを望んだわけじゃないと思うけど。


それでも、叶わないものは叶わないんだなー。


まあ、いっか。


ここで俺の人生は終わりだ。


生まれ変わりなんて信じてないし。


そんな都合のいいこと起こらないでしょ。




でも、もしそんな都合のいいことが起きるのなら。


次はもう少し努力の報われる人生になるといいなー。


努力はするからさ。


それくらい望んだっていいよね…。



「しょう、もない、人生だっ、たな…」






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