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すらいむときどきまおうさま!  作者: 霧谷遥兎
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第四話︰気分スッキリ爽快!(大嘘)

「もっと安くしてくれよ!」

ちなみに今、何をしているかと言うと商人と絶賛値引き交渉中だ。

「これ以上は無理ですって、ギルの旦那!」

ちなみに、値引きしてもらいたいモノはというと…


「この日焼け止めクリーム高すぎるだろ!」

相手の商人は男のくせにとか思ってるだろうけど、日焼けって痛いよ!?

「む・り・で・すぅぅぅ〜!」

相手も負けじと反論してくる模様。面倒くせぇ限りである。もっとも、自分もだけれどね!


「おねがいじまずゔぅぅぁぁぁ!」

自分で言っててどうかと思うけど、正直言ってキモいと思う。

「わ、わかりましたから!泣かないで下さいよ!」

フッ、やっと諦めたか……

甘いな、まるで角砂糖の様に甘いよ!フハハハハ!


「そろそろ行こうかな…」

激闘の末に手に入れた日焼け止めクリームを、大事そうに魔法袋(四次元ポケット)に入れながら一人呟いた。

ちなみに魔法袋(四次元ポケット)は2、3年程前に手に入れた、ダンジョンの産物である。


「さ〜てと、これで準備良し!」

鼻歌交じりにウキウキしながら街を出た。

「やっぱり、街の近くだけあって魔物がいないな」

道も整備されていて、とても歩き易くて助かる限りである。


「そういえばこの剣を、鑑定するの忘れてたな…」

鑑定というスキルがあり、これは稀に手に入れる事が出来るレアなスキルである。

だが、欠点がある。

例えぱ、そこら辺に生えている草を鑑定するなら詠唱は必要ないが、高レベルなモノを鑑定する時は詠唱が必要になってくるっていう欠点だ。

「【我の名は探求心。全てを悟る者】」

「【我の名は探求心。万代に眠りし宝を見透かす者】」

「【幻想の賢者の如く、全てを悟り見透かす者】」

「【鑑定】!」

詠唱を終えると俺の剣を蒼白い光が包み込んだ。蒼白い光が消えると鑑定結果が載っている羊皮紙が落ちていた。

「ふむ、どれどれ………」

―――鑑定結果―――

名前︰魔剣テイム=ザ=ソード

攻撃力︰9999/9999

防御力︰9999/9999

属性︰魔属性

スキル︰従魔化※条件︰攻撃対象を討伐

従魔解除

従魔召喚

従魔強化

備考︰初代魔王が世界を恐怖で支配する為に創り、使用し、受け継がれてきたとされている魔剣。


「おっふ…………」

うん、ちょっと待ってね!

状況整理するからねっ!

「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

てか、レオさんなんてモンを持たせてくれてんの?

これはアカンやつでしょうよ、魔王って書いてあるよ?魔王って何だよ、魔王ってさぁ!?


「だけど、魔属性なんて聞いたことがないな」

今、知っている属性は、火・水・木・土・光・闇・龍だけだ。

「しかも、従魔ってなんだろう?」

これも一度も聞いたことがない。


「魔剣っ本当にあったんだな……しかも、初代魔王が創ったものがねぇ…」

取り敢えず、オークの集落潰しに行くか……

この剣を試すのにちょうどいいしね!


「だけど、強い剣を手に入れれたのは心強いな……うん、本当に…」

実を言うと、こんなに禍々しく扱いやすい剣を持つのも、見るのも初めてで、正直言ってワクワクしている。


「もうそろそろ着くかな?」

既に森の中に足を踏み入れていて、一時間は経っている筈だ。

『ブモォォ!ブモォォォォォ!』

と突然、獣の雄叫びが聞こえてきた。その方向に奴等は居ると確信し、走り進んでみると、そこにはオークの家の様なものが眼の前に広がっていた。


「此処がオークの集落か……」

そこは人間の村と似ていて、家があり、広場もある。しかも、広場の中央には豚小屋のようなものがあり、その中に裸にされた人族や他種族の()が溢れんばかりに詰め込まれていた。


「――――ッ!オークの癖になんてことしやがる!」

俺の中で何かが『プツンッ』と何かが切れた音がした。

気が付いた頃には、何も考えずにそこ(オークの集落)に突っ込んでいた。


「ウォォォォ!死ねっ、死ねっ!」

さっきまで仕事仲間と楽しそうに話していたオーク達は、脳天から縦に斬られたり、下半身とサヨナラした奴等もいた。稀にミンチになった奴もいた。その中には、上位種のオークもいた。


「ふぅ、スッキリしたっ!」

オークの返り血を浴び真っ赤に染まった顔で、笑っている自分は狂気じみていると思う。

『ブ、ブモォォ!ブモォォオオォォォ!』

まだ残っていたのかと思い振り返ってみると、図体がでかくて筋骨隆々なオークが、殺さんとばかりに俺を睨んでいた。


「はぁ、面倒臭いな………」

そう呟き、上級魔法滅びの悪夢(ペリシュ・ナイトメア)を奴に向けて放った。

『ブ、ブオオオォ?』

オークは、俺が魔法をかけたのにピンピンしている。実を言うと、この魔法は外部的にでは無く、内部からダメージを与えていくという質の悪い魔法である。

()()が効いてくるまで、俺と奴との剣戟を始めた。

『グフォッ……ブフォ…………』

魔法が効いてきたのかオークの動きが鈍くなってきた。最後には悶え苦しみながら、最期には黒い粒子となって空気に溶けていった。

後からわかった事だが、今さっき殺したオークは、オークロードって奴だった。


「あの娘達を解放しなきゃ……」

重い足取りで彼女達の居る小屋へ向かった。

キイィィと音を鳴らし開いた扉の向こうには、壊れた人形の様に四肢を放り投げていたり、泣いていたり、虚空を見ていたりしている娘達ばかりであった。











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