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「どうしました。大丈夫ですか」


するとドアが荒々しく開けられた。


そこに深雪が立っていた。


深雪は笠原を見て言った。


「女の子がっ!」


それは悲鳴に近かった。


笠原がきょとんとしていると、深雪は笠原を押しのけるようにして部屋を飛び出し、そのままどこかへ走り去ってしまった。


――なんだよ、まったく。


笠原は深雪の走り去った方をしばらく見ていたが、やがて自分の部屋へと帰った。


ソファに座り、読みかけの本をもう一度読み直そうとして、ふと考えた。


――女の子って、いったいなんなんだ?



次の日には、マンション中の噂になっていた。


深雪の叫び声を聞いたのは、笠原一人ではなかったからだ。


大家が部屋を確かめたところ、ドアに鍵は掛かっておらず、室内が荒らされた様子も無く、飲みかけのカフェオレが冷たくなっていたと言う。


笠原は大家の質問を受け、見たこと聞いたことをそのまま伝えた。


「女の子ねえ……」


大家はわかりやすく首を傾けた。


もちろん大家にも、女の子の意味するところはわからなかった。


大家が携帯で連絡をとったところ、深雪は「友達のところにいる」とだけ答え、後は何も語らずに一方的に電話を切ったのだそうだ。


深雪の最後の姿を見たのは笠原であるという噂も当然のように広まり、仕事から帰ってきた途端、連続して五人の主婦からの訪問、そして質問及び尋問を受けたが、笠原はただあったことをそのまま伝えた。

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