表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/65

54

岩崎はその場から動くことが出来なかった。


それはまるで、神城の笑みによって本当に凍らされてしまったかのようだった。



時間とはとにもかくにも偉大なものだ。


全く動くことが出来なかった岩崎だが、やがて指、首、手、足と束縛から逃れることが出来るようになった。


岩崎は身体を軽くほぐすと部屋に戻った。


そして神城の笑みの意味を考えていると、再びチャイムが鳴った。


岩崎は瞬間、心臓が喉から飛び出してくるのではないかと思った。


しかし深呼吸をして拳を握り締め、スクワットを素早く数度やってから、玄関に向かった。


そして意を決っして扉を開けた。


そこに立っていたのは木藤だった。


岩崎が何かを言う前に木藤が言った。


「来ましたね」


「はい?」


「神城ですよ」


「ええ、さっき、確かに来ましたけど」


「そうですか。あいつ、やっぱり来ましたか」


「でもどうしてそんなことが、わかるんですか?」


「前に私のところにも来たからですよ。正確に言うと、初めて夜の山狩りをやったその日のお昼です」


「……」


「岩崎さんも、昨夜初めて、夜の捜索をやったでしょう」


「やりましたけど、どうしてそれを知っているんですか?」


刹那木藤が笑った、ように岩崎には見えた。


しかしその顔は、今ではとても固いものとなっていた。木藤が答える。


「あいつを探している人間はたくさんいます。でもほとんどが、仕事とか義理とかで探しているのが現状ですよ。あいつを個人的な私怨で探し求め、そして最初から殺すことを目的としている人は、私を含めて三人しかいません。私と岩崎さん、それと北山さん。この三人だけです。実家に帰っていた飯田の奥さんがこの戦いに参戦しましたが、彼女も彼女なりにがんばってはいますが、あれではとても戦力と呼べるものではありませんね。小熊にもあっさりと負けるでしょうね。もはや私の中では、そんな人はこの世に存在しないことになっています。で、そういった訳でして、私があなた方二人に、いったいどれほどの感心を寄せているのか。そりゃもう、あなた方が想像できないほどに、知ればあなたがたが間違いなく引くほどに、強烈なものなんですよ」


「……」


「ですからわかりますよ。わかりますとも。細かいところを含めて、全てにおいて」


「……それで」


「なんですか」


「神城です。あいつはいったいどうして、この私を訪ねて来たんでしょうか?」


「神城があなたを訪ねて来た理由ですか。それなら単純にして簡単ですよ。それは宣戦布告です。それしかありませんね」


「宣戦布告ですって?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ