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加えて周りは暗くて見ることが出来ず、見ることができるのは懐中電灯とライトが照らす円形に切り取られた光の中である狭い範囲だけなので、本人が気付かないうちに昼間とは比べものにならないほどに意識が集中していたようだ。


気がつけば、いつの間にか日が昇り始めていた。


まわりが見る見る明るくなってゆく。


――えっ、もう。


岩崎が思わずそう驚いたほどだ。


北山の言うように、ライトのバッテリーはもった。


光りが弱まることすらなかった。


その点はいいことなのだが、結局何も見つけることが出来ないままに、夜の捜索の第一日目が終了した。


「それじゃあ、今日の夕方ごろにまた来ますね」


北山は荷物を抱えて家に帰った。


岩崎は家に帰ると軽い食事をとり、風呂に入るとすぐに寝た。


いきなり昼夜逆転したので、今晩に備えてちゃんと寝られるかどうか心配していたが、慣れない夜の捜索でやはり疲れていたのだろう。


あっと言う間に夢の世界に入った。



岩崎が起きると、当然のことながらお昼を過ぎていた。


いろいろと考え事をした後で、昨日の残り物を口に運んでいると、玄関のチャイムが鳴った。


――誰だろう?


土曜日のお昼に岩崎を訪ねてくる人は、ほとんどいない。


出ると驚いたことに、そこには神城が立っていたのだ。


岩崎は正直動揺したが、努めて平静を装い、言った。


「……なんでしょうか?」


神城は何も答えなかった。


その代わりに笑ったのだ。


本当に神城の周りが物理的に凍ってしまうのではないかと錯覚してしまうほどの、今までに見たことがない凍りついた笑みだ。


それは自身の周りだけではなく、その笑みを見た者までも凍らせてしまうのではないかと思えるほどの負のオーラがそこには存在していた。


岩崎の目には神城が、見ただけで相手を石にしてしまうメデューサのように見えた。


岩崎は身の危険を感じ取り、神城から視線を逸らそうとした。


が、何故か視線が張り付いてしまって、神城から動かすことが出来なかった。


そのまま見ていると、神城はいつもの白い仮面に戻った。


そして背を向けると、そのまま何事もなかったこのように、静かに去って行った。


結局神城は、ただの一言も発することはなかった。


しかし岩崎は、並の人間が怒鳴り込んできて暴れる以上の精神的なダメージと疲労を、そんなものとは比べものにならないほどの圧力を、その全身に感じていた。


――なんだったんだ、今のは?

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