48
二人は日が沈むまではいつものように山狩りを行なった。
もちろんなんの成果もなかった。
そして日没とともに、岩崎の家に戻った。
「装備はばっちりですね」
岩崎がそう言うと、北山が笑った。
ある程度は予想していたことだが、やはり夜の捜索はそう簡単なものではなかった。
頭と腰のライトは前方は照らしてくれるが、その分足元がお留守になってしまう。
山の地面はアスファルトとはまるで違うのだ。土は凹凸だらけで、穴と呼んで差し支えのないものもいくつもある。
木の根が走り、ひび割れているところもあたりまえのようにある。
かといって頭のライトで足元をてらすと、当然前がおろそかになり、木の枝などにぶつかってしまう。
北山はすでに木の枝で、右頬を切っていた。
頼りは岩崎が手にしている懐中電灯だが、それも二人分となるとなかなかに操作が難しく、ゆえに岩崎も北山もこれまでに何度となく転びそうになっていた。
「大丈夫ですか」
すんでのところで踏ん張った北山に、岩崎が声をかけた。
「大丈夫です。ご心配なく」
「すみません。もっとうまく照らせばよかったんですが」
「岩崎さんのせいじゃありませんよ。夜の山は、こういったもんなんですよ」
「それにしてもこれじゃあ、先が思いやられますね」
「その点ですが、私はそれほど心配はしていません。今夜は空に雲が少ないですから、月明かりがある程度期待できます。私たちの目も、そのうちこの闇に慣れてくるでしょう。岩崎さんの懐中電灯の扱いも、うまくなるでしょうし」
「そうですか……」
そんな会話をしていると、前方で何かが光った。
「?」
「!」
二人の反応は早かった。すぐさまその場にしゃがみこみ、懐中電灯とライトを消した。何の合図をすることなく、二人同時に行なったのだ。
「……」
「……」




