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――間違いない。あいつがやったんだわ。


深雪はそう考えた。


それ以外の選択肢は、深雪の中には何一つなかった。


そして山狩りの様子がテレビに映し出される度に、深雪は両手をしっかりと合わせて、祈っていた。


みんな逃げて。お願いだから、みんな逃げて。


――あそこには誰も知らないような、誰も見たことがないような、とんでもない化け物がいるのよ。だからみんな今すぐ逃げて。


と。



暗くなり、今日という日は一旦あきらめて岩崎が家に帰ると、この前のように木藤が待っていた。


その立ち姿はまるで仁王像のようだった。


そして木藤がいつもの怖い眼で岩崎を見ながら言った。


「今日はどうでしたか岩崎さん。あれはいましたか?」


「いいえ、残念ながらまだ見つかりませんけど」


「そうですか。それでは、強力な武器は用意できましたか?」


「……」


岩崎が返答しないでいると、木藤はしばらくの間、何かを考えているようは素振りだったが、やがて言った。


「大事なことなのでしつこいようですが、もう一度言います。強力な武器を用意してください。必ず用意してください。ちゃんと忠告しましたよ。私は。……で、実はここからが本題なのですが」


「えっ?」


木藤は何故か岩崎から目を逸らした。


そして口の中で岩崎には聞こえないほどの小さな声でなにかを呟いていたが、やがて再び岩崎に眼を向けた。


「これまた非常に大事なことですから、心して聞いてください。いいですね。岩崎さん。で、警官や猟友会のメンバーが大勢で毎日山狩りをおこなっていますが、それは昼間しかしていませんね」


「ええ。夜はさすがに危ないですから、昼間しかやってませんね」


「あなたと北山さんも同じですよね」


「ええ、そうですけど。……何か?」


「あなたの恋人、確か日華利さんとか言われましたね。その日華利さんが襲われたのは、何時のことですか」


「……夜です」

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