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その中でも特にニュースを見ることは、本当に少なかった。


世間で今何が起きているのかよりも、自分の周りで今何がおきているかの方が、ずっと関心があったからだ。


それでも全国ニュースはごくまれには見ていたが、ローカル放送となるとほとんど見ることはなかった。


もともと見なかった上にここのところは、ローカルニュースが始まるとすぐさまチャンネルを変えるか、テレビを消すということが完全に習慣となっていたほどだ。


昔はしっかりと見ないまでも、チャンネルはそのままにしていたというのに。


テレビから流れているだけで、なんだかわずらわしさを感じるようになったのだ。


しかしここ最近は、深雪は毎日のようにローカルニュースを見ていた。


そこで何度も取り上げられているのは、深雪が少し前まで住んでいた町での事件である。


最初の騒動からある程度の時間が経ち、さすがに全国ニュースでは全く取り上げられなくなったが、ローカルニュースでは前のように毎日ではなくなったが、それでもまだ山狩りの様子が時々放映されているのだ。


今でこそ深雪は通勤距離が遠くなるのを覚悟の上で、隣の市に引っ越していたが、前に住んでいた町での奇妙な事件が、気になってしかたがなかった。


最初に二つの目玉を残してその姿を消した女がいると聞いたのはマスコミからではなく、会社の同僚からだったが、その時に深雪の頭の中にすぐさま浮かんできたのは、マンションの四階のベランダに浮いていた幼い少女の首のことである。


深雪にははっきりとわかった。


あれはいわゆる、幽霊とか呼ばれている類のものではないということを。


その少女の顔は死人のように血の気の引いた青白い色をしており、その表情も極限と言っていいほどに無表情であった。


その見た目からは生きていると言える様子は微塵も伺えなかったにもかかわらず、深雪はその首から得体の知れない強力な力、ある種の生命力のようなものを強く感じ取っていた。


あれは死んだものが化けて出てきたものではない。


死んだものからこんなパワーは感じ取れないはずだ。


この首は間違いなく生きている。


深雪はそう思った。


しかし首だけで宙に浮かび、なおかつ生きている人間などというものは、この世には存在しない。


深雪が考えに考えて出した結論は、あれは人間の少女の首にしか見えない代物ではあるが、けっして人間ではないということだった。


そして深雪はその考えに、強い自信と確信を持っていた。


そこにきて、この騒動である。

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