表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/65

30


それにしてもやけに目つきの鋭い男だ。


あまりにも威圧感がありすぎる。


自分がやりたいことは、なにがなんでもやって成し遂げるタイプの男に、岩崎には見えた。


「私は木藤といいます。岩崎さんですね」


「そうですが」


「私のことはご存知ですよね」


「ええ、知っています」


「まあ何度もテレビに出てしまいましたからね。岩崎さんほどではないですが、一応有名人ですから」


木藤は岩崎の顔をじっと見つめると、言った。


「本題に入ります。あなたは恋人を、私はかけがえのない愛犬を奪われました。あの怪物によって」


――怪物?


岩崎は犯人のことをずっと考え続けて、その正体についてもいくつも思い浮かべてきたが、少なくともあれを怪物などという非現実的なものと考えたことは、ただの一度もなかった。


岩崎の表情を探るように見ていた木藤が言った。


「ええ、怪物。化け物ですよ、あれは。あなたがどうお考えになっているのかは知りませんが、私は怪物だと確信していますね」


「……」


「で、お互いに大事なものを奪われた者どうしと言うことで、挨拶にうかがったわけですね」


「そうですか」


「北山さんと一緒に山に入っていますね」


「ええ。でもどうしてそれをご存知なのですか?」


「わたしもあなたがたと同じ想いを持っていますからね。それぐらいはわかりますよ。私も山に入って、あいつを探していますからね」


「そうだったんですか」


「ええ、そうですよ」


「それではこれからは、三人で一緒に探しましょう、というわけですか?」


「いえ、三人で一箇所を探すよりも、三人で二箇所を探した方が、効率がいいと思いますよ。ですから私は、これからも一人で捜索を続けます。幸いにも昔仕事上の付き合いで、半ば無理やり猟友会のメンバーにされたことがありましたが、そのおかげで今ではその他大勢の一人として紛れ込んで、あいつを探していますね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ