表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/65

29

その姿勢は変わらなかった。


そして遠くてはっきりと確認したわけではないが、神城のその顔はすごく嬉しげに見えた。


――やっぱりあいつ、普通じゃないぞ。おかしなやつ。


神城はその謎の儀式をしばらく止めることなく続けていたが、何の前触れもなく急にくるりと反転すると、元来た道を戻っていき、木々の間にその姿を消した。


そこにきてようやく下谷は、休憩を取ろうとしていたことを思い出し、お腹がへっていることに気付いた。


下谷は下に降りて行った。


もう二度と神城がここにやってきませんようにと願いながら。



二週間ほど山に入ったが、二人に何の成果もなかった。


何十人といる警官や猟友会のメンバーも、同じ結果となっていた。


北山が言った。


「これだけ探してもいないとは、あいついったい何処にいるんでしょうね」


「……」


「かと言って、探すのを止めるつもりは毛頭ありませんが」


「止めるのは、あいつを見つけてやっつけた時ですよ」


「なかなか良いことを言いますね、岩崎さん。そうです。その通りですね」


「ええ、そうです。そうですとも」


――そうですとも。


岩崎はその言葉を心の中でもう一度繰り返した。



ある日、いつものように暗くなるまで山狩りをして、帰宅した岩崎を訪ねて来た者があった。


――この人は……。


テレビで見たことがある。


数ブロック先に住んでいる木藤という男だ。


なんでも飼っていた秋田犬が目玉だけ残して姿を消したということで、何回かマスコミに取り上げられた男だ。


「なんでしょう?」


木藤が面識のない岩崎を訪ねてきた理由はなんとなくわかったが、一応聞いてみた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ