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深雪がいなくなって十日ほど経ち、彼女が話題に上る回数が減りつつあるころ、何の前触れも無しに引越し業者がやってきて、深雪の荷物を全てトラックに詰め込んで、走り去った。


大家は深雪から引っ越すと聞いたそうだが、それは引越し業者が仕事を終えた後だったと言う。


「何があったか、聞いてはみたんだけどねえ」


問い詰める主婦たちに大家は、深雪は何も言わなかったと答えた。



木藤が夕食を終えて後片付けをしていると、外から金剛の吼える声が聞こえてきた。


金剛は木藤が離婚して一人住まいになったころに飼い始めた大きな秋田犬で、木藤にとっては人間の家族同様の存在だ。


――どうしたんだろう?


金剛は大人しくて、吼えることなど滅多にない犬だ。


木藤が片づけを中断して様子を見に行こうとしたとき、金剛の声が止んだ。


――猫でもいたのかな?


木藤は後片付けを再開した。



作業着に着替えて出勤する。


木藤にとってはいつもの朝だ。


玄関を出ると裏に回る。


金剛に「行ってくるよ」を言うためだ。


これもいつものことである。


しかしこの日は、いつもの朝とは違っていた。


――ん?


金剛の姿が見当たらない。

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