意外な実力と敗北
少し遅れてしまいました
スミマセン
「いや、ここどこですか? 」
「どこって……山だが? 」
うん、なんで?
え、普通家って街とかに建てますよね?
主に住宅街とかに。あれ? 山にぽつんと一軒だけ建てるものでしたっけ?
「私は喧騒が嫌いでね。村とか街とかでは落ちつかないのだよ。ましてや住宅街など以ての外さ。それにここは少し特別な場所でね。」
シニカルな笑で言われた挙句さらっと心を読まれた
何この人怖い
「……読心術とかやめて下さい。普通に怖いです。……特別とはどういうことです? 」
「あはははっ! それは済まなかったな。ま、それはあとのお楽しみってやつだ。」
はぁ……まぁ、いいです
「……それで? 何をするつもりですか? 」
「ん? ……あぁ! そうそう! ちょっと待てよ……」
完全に忘れてましたよ、この人
修が呆れているとまた目の前で何かが構築されていった
「……それは? 」
見た目ただの板ですね
しかもかなり薄いですし……
「これは能力板と言ってだな、まぁ各個人の潜在能力等を数値にして表してくれるという優れものだよ。」
「それはまた便利ですねぇ……でも、他人に見られたりとかしちゃわないんですか? プライバシーとかそういうの、ちゃんと守られるんですか? 」
「その辺は大丈夫だよ。能力板には初めに持ち主の身体の一部を付け、その持ち主が魔力を直接流さないことには見えない仕組みになっている。」
「……え? 身体の一部付けるんですか? グロイですね。要らないです。」
「まてまてまてまて! 何を早とちりしてるんだよ? 」
いや、だって……
手とか切りたくないですし
歯とかでさえ嫌ですよ? 痛いですし
「身体の一部と言ったがそんな大層なものではない。普通に血などを数滴垂らせば良いんだよ。」
「あ、なんだそんなんでいいんですか。良かったぁ……安心しました。」
「それなら良いのだが……ところで、お前達は同じ身体に入っているわけだが……能力とかも同じなのか? その、なんというか運動能力や知能等は……? 」
「あ、それは多少と言いますか、かなり? 違いますよ? 二人で一人なわけですからね。足りないところを補い合っている……みたいな感じです。」
事実、僕は主に知能系統、修は体力系統を得意としている
身体は一つなのでできないわけではないのだが、僕は知能が修は体力が“より得意”なのだ
「へぇ……それはまた便利だな。まぁ、それなら二枚いるな。まずはお前がそこに血を垂らしてみろ。一滴で十分だ。ほらよ。」
そう言ってティアさんは能力板とナイフを投げ渡してきた
普通に危ないですよ?
ナイフは手渡しでお願いします
怪我はしなかったですけど……
「わかりました。」
渡されたナイフで指を少し斬り、血を一滴能力板に垂らした
すると、垂らした血が少しずつ幾何学的な模様を描いていった
幾何学模様が完成に近づくと徐々に能力板が光っていき模様が完成しると一際眩く光った
「うわっ! 」
あまりの眩しさに思わず目を手で覆ってしまいました
「なんなんですかぁ……もぅ……」
能力板の発光が和らぎ目を覆っていた手を除けて見ると
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オサム M 18
magicalquantity:4510471/4510471
magicalvalue:521245/521245
reasonablemagic:Fi・Th・Wa・Wi・Di
uniquemagic:Su・Li
potentialquantity:unknown
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……英語だ……
ものの見事に英語ですよ……
なんでこんなことになってるんですか?
なんでこの時代に英語があるんです?
てゆーか、絶対おかしいですよね?
わかってたけどね?! こうなるって!
異世界転移モノのって大抵スペックチートだもんね?!
値とか使用可能の魔術とか明らかにおおいですよね? ね?!
「……あ、あのー……て、ティアさん? 」
ほらー、ティアさん固まっちゃってるじゃないですかぁ……
わかってたけどね?
でも流石にこれは引くよ……
「…………あ、あぁ! す、すまない。想像以上だったものでな。つい惚けてしまった。」
そんなに凄いんですか……
どうするんですか……
「だが、まだ上があるのか……末恐ろしいな。」
「そういえば……!」
能力板を見て疑問に思ったことをティアさんに聞こうと思い声をかけた
「あぁ、聞きたいことは分かるよ。英語のことだろう? 」
「なッ!! んで、分かったんですか? て言うか、なんで英語を知ってるんですか?」
「何故、か。まず、英語はこの世界で使われだしたのは極最近だ。それも魔術に関する事だけを。ほんの数十年前ぐらいだったかな? 」
「え……そうなんですか? 」
「あぁ。先々代の王がね魔術に関する事柄を全て英語にしてしまったんだよ。ただ、私達は知らない言語の筈なのに元から知っていたかの様に読めるし使えるのだよ。」
なんて言いうか、末恐ろしいですね。異世界って
「まぁ、その辺はいいじゃないか。読めるのだろう? 元はお前達の国の言葉なのだからな。」
ニヤッとティアが不敵な笑を漏らしながら言った
「まぁ、このぐらいは大丈夫ですよ。」
「そりゃぁよかったよ。さて、それでは修の方に変わってもらえるかな? ヤツの力も見てみたいのでな。」
「わかりました。」
(修……)
(わーってるよ。)
「おら、変わったぜ。とっととそれよこしな! 」
「……うーむ……なんと言うか、ガサツだな……」
そういいながらティアは俺に能力板を渡してきた
「うるせぇよ。余計なお世話だ。」
ナイフで指先を斬り血を垂らす
修の時と同じように能力板が眩く光り能力が映し出される
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シュウ M 18
magicalquantity:4510471/4510471
magicalvalue:521245/521245
reasonablemagic: PhM・St・Re・Ac・Le・Ha
uniquemagic:Tr・Da
potentialquantity:unknown
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「おらよ。てかなんだ? この“PhM”とか“Tr”とかってのはよ? 」
「ふむ……流石としか形容できんな……よもやここまでとは……」
「おいこら! 聞いてんのか?! 」
「あ、あぁ! す、すまん……して、なんだったか? あぁ、“PhM”とかについてだったな。それらは能力板の持ち主が使える魔術を表している。火属性なら“Fi”水属性なら“Wa”といったように魔術の初めての文字をとって表記してある。」
「へー、便利だな。で? 俺は何が使えるんだ? 天変地異でも起こせるのか? 」
「いやー、それは無理だろ。流石にな。まぁ、それらは後ででいいだろ。どうせ今のお前じゃ使えないんだしな。」
呆れ顔のティアにひどい事言われた
「え゛?! まじで?! なんでだよ?! 」
「だってお前魔力使えないじゃん? 使い方知らないじゃん? 魔力ありきの魔術なんだから、魔力使えないお前が魔術使えないのはあたりまえじゃん? 」
したり顔で言われた
なんか、すげぇ腹立つな
いっぺん殴っていいかな?
いいよね? ね?
(いや、ダメだからね? ティアさんは悪くないからね? )
(わーってるよ、ったく……)
「……で? 俺達はどうすりゃ魔術が使えるようになるんだ? とっとと教えろ。」
「うん、お前の教えを被る態度じゃないよね? なんで上からなの? ばかなの? 」
ティアの額に青筋が浮かんでいる
が、気にしない
「なぜ俺が遜らなければならない? 」
「普通するだろうが!! あくまで私は年上だそ?! それに、私はお前よりも確実に強い。絶対にな。」
「あ゛? やけに自信満々に言うじゃねえかよ? 」
「自信、か。確かに自信はある、がこの場合は少し違うな。これは自信ではなく“確信”だよ 」
「は? なんだそれ? 地べたに這わせて土舐めさせるぞ? 」
「それは無理な相談だな。まぁでも、いずれはそうなるさ。今は無理だがな。あっはっはっ! 」
このBBA……いったい何を根拠にそんなに大口が叩けるんだ?
どう見たって男の俺の方が体格はいいしこう見えて武術の有段者だぞ? 俺達は
それを分かってないだけなのか?
ただのアホなのか。そうなのか。
「……おい、お主。今心の中で二度ほど私のことを貶しただろう? 」
「そ、そんなことしてないぞ? 」
なんて敏いBB……アm……女性だよ
こえぇよ、眼力が
え、なに? なんでそんなに睨むの?
怖いからこっち見ないでよ……
「まぁいい。それより……しばし待て。なに、ものの五分程だ。」
「なぜ、待つ必要がある? 待って俺に得があるのか? それとも、お前の勝率が上がるのか? 」
「うーむ……私の勝率は変わらず100%だが、お前の勝率が少しは上がるかな。コンマ数%ぐらいはな。じきに私の一番弟子のエルダが帰ってくる。そやつに勝てたらお前の欲しいものを何でもくれてやろう。」
「けっ! そんなやつすぐに倒してやらぁ! 」
「ははっ! そいつは頼もしいな。まぁ、万が一にも有り得んがな。」
「ほざけ! で、どこだよ? その御自慢の弟子とやらはよ?! 」
「お前、人の話聞かないやつだな……じきに帰ってくると言っただろうが……お、ほら、あやつだよ。」
そう言ったティアが指し示す先に目をやると一人の小柄な女がこの家の敷地内に入ったところだった
え、まじであれ? ショボっ! 背は低いし華奢だし、何より女じゃん
もーこれはあれだな
さくっと終わらせてティアになんかさせよう!
俺はそう決めると即座に女に向かって駆け出した
「っしゃ! くたばれぇぇぇ!!! 」
「あっ! ちょ! 」
ティアがなんか言ったが気にしない
とりあえず倒してから聞けばいいさ!
「そこの女ぁぁ!! 俺に負けろ!! 」
「……えっ?! え、何この人?! こわい! 」
いきなりの俺の突撃にビックリしたのか女は顔を引きつらせている
あとで謝っとくかなー……なんて思いながらも止まらない
女は呆気にとられているので何も出来ずに俺に組み伏せられt……
(修ッ!! )
……え? あれ? なんで?
なんで空が見えるの?
あと背中痛いし……
「もー、なんなのさ? この男は! フツーにキモイんだけど? 」
「な……ッ!」
キモイは酷いと思いますよ?!
「ねぇ、ティア! これ、僕はどうしたらいいの? 殺していいの? いいよね? てか良くなくても殺すけどさぁ! 」
「まてまてまて! 殺してはいかんよエルダ。そやつは私が育て革命をおこかせる中心人物にするのだからな。」
リアル僕っ子かよこいつ……
てか殺すとか物騒だなぁ……ははっ……
(修……キャラがブレてるよ……)
(うるせぇ、キャラブレとか言うな! )
「こんな奴をですか? こんなキモイやつを? 」
またキモイかよ……
ん? てかさっきティアの奴なんて言った?
「いや、待てよおい! 革命? 中心人物?! そんな話聞いてねーぞ?! 」
「おや? そうだったかな? まぁ、いいじゃないか。エルダ、退いてやりな。」
「よくねぇわ!! 」
「……チッ!! わかりました。」
今舌打ちしたよ?! この子!
「と、まぁこういうわけだ。お前では敵わん。」
「分かった。俺が悪かった。」
かなり異世界のこと舐めてたわ……
「なんだ、案外素直なところもあるじゃないか。今後はこれに懲りてだな……」
ティアがなんか言ってるが無視だ、無視
それより……
(おい、修! お前あいつの攻撃見えたか? )
(まぁ、ある程度は……修は見えなかったみたいだね。)
(あぁ、完全に舐めてた。俺のミスだ。だが、次はそうはいかない。お前が見えたなら俺にも見えるはずだ。)
(え、まだやるの? 負けたんだから潔く諦めなよ……)
(は? やだよ。負けで終われるかよ! 次は勝てるさ。お前もいるからな。)
(え、僕も手伝うの? )
(まぁ、念のためにな。魔術はまだ良くわからんからな……お前は目と頭を使え。俺は四肢と残りの身体全体を使う。いいな。)
(わかったよ……もぅ……)
よし、これで勝てたな
絶対に跪かせてやる……ッ!!
そんなことを思っていると修に話しかけられた
(あ、そういえばさ修! )
(なんだよ? )
(実はさっきから気になってることがあってさ……あのね……)
「……ぃ! 聞いているのか?! 修!! 」
「ん? おぉ、わりー聞いてなかったわ。」
「んなっ?! お前というやつは……ッ!! 」
「わーるかったって。で、えーっと……エルダ……だっけ? お前」
そういってリアル僕っ娘のティアの弟子とかいう女を見やる
「……。」
「おい! 無視するなよ! 」
そう言ってもこちらを見向きもしない
……っとにムカつく奴だな、こいつ……
「……o「なに? 僕に話しかけないでくれる? キモ男「ブッ」僕にキモいのが感染したらどうしてくれるのさ? 」
再び声をかけようと口を開いた矢先に被せるようにエルダが冷たい声音で言ってきた
いや、キモ男って……何? こいつ。態度だけじゃなくて口まで悪いの? キモ男とか初めて言われたよ? あと何でてめえが笑ってんだよクソババア……ッ!! あ、今凄く冷たい視線がッ!! 背筋がゾワッってした! 怖い……
後ろを振り返るとティアが今にも殺しに来そうな雰囲気を醸し出してます。危ないです。
なんか、理不尽……
訳の分からん僕っ娘にはキモ男扱いされるしクソバb……綺麗なお姉さんには笑われるし……
と、少し落ち込みかけていた時、ティアが笑いを殺しながら声をかけてきた
……いや、まだ笑ってたのかよ! しつこいわ!
「まぁ、そう落ち込むな。お前が弱いのではなくエルダが強いだけなのだからな。」
どや顔で言われた
……凄くむかついた
あ、そうだ!
「まぁ、その事はいいんだよ。女だと思って舐めてかかった俺か悪いしな。そんな事よりだ、さっきからこいつの身体を覆ってるオーラ? みたいなのは何だ? 」
先程修に目を渡した時に気付いたことをティアに尋ねてみた
あと、ステータスは今出てきているのだけではなく二章あたりで他の部分も明らかにするつもりです