2/3
2話〜出会い〜
入学式が終わって教室ではみんな
新しい友達とわいわい話しているのが聞こえる。
私は一人で机に座って本を読んでいた。
「ねー名前なんていうのー?何中?」
いかにもチャラチャラした女の子だ。
「森田花。歌中」
「花か〜。友達になろうよ!」
「………」
「おーい。……無視?………あっそ」
友達を作って何がいいのか。
裏でどうせ悪口をいって、友達ごっこをするだけ。それなら一人の方が楽だ。
そう思ってるとクラスの中心らへんにいる男子と目が合った。すぐにそらす。
でもなぜだろう。すごくあの男子のことが気になってしまう。
「……はぁー…」
私は教室をでて、屋上へ向かった。
「あーやっぱり屋上は気持ちいなー。」
ここにくれば何も考えなくてすむ。
空は澄んだように青く、風は心地よく吹き、この世界に私しかいないような感覚になる。
ガチャッ
ドアがあく音がした。
ぱっと振り返ると教室で目が合った男子が笑って立っていた。




