r-what/prologue:Hello the Ripper
正義? うーん……どうなんだろ。
僕はそういうの、あんまり興味ないんだよねー。ほら、なんだっけ……<正義>だって、実際ノリで入っちゃったみたいな感じだし。別に正義だとか悪だとか、そんなのすこしも考えてないよ。
まあ、ちょうどいい機会だと思ったからかな? 強いていうなら。
なんの機会だ、って? そりゃあもちろん、<組織>に近づくためのさ。
だってそうでしょ? <正義>には<番犬>のレイさんがいるし、なにより<組織>元幹部のダーウィーさんだっているんだよ? こんだけいい条件揃っててさ、それでも僕は<正義>には入りませーんとか言ったら……正直、バカだよねー。
――え? なんでそんなにまで<組織>に近づきたがるのかって?
んー……ありゃ、特にないや理由。
いやいや、面白半分に追ってるわけじゃなくて……そうだなぁ、やっぱりグッバイがいるからかなぁ……。
グッバイにはね、ちゃんとした理由があるんだよ。僕から言う気にはあいにくなれやしないけどー。
まあとりあえず、僕は正義なんかじゃないし、正義を貫いている人を見たこともない。語るのは自由だし、名乗るのも自由だけど、それでも誰も大して話題にしてないってことは――正義って、案外その程度のもんなのかもね。
――<切裂魔>。
僕がそんな単純なあだ名で呼ばれはじめたのは、一体いつからだったんだろーか。
えーと……たしか、はじめて人を切ったのがグッバイと出会う二年ぐらい前だから……たぶんグッバイとコンビを組んだときがピークだったのかな? 詳しくは覚えてないし、思い出す必要もないからだいたいでいいや。
<切裂魔>。言葉の通り、僕はいろんな人や物や動物をナイフで切り裂いてきた。罪悪感なんてもちろんなかったよ。誰かに謝ったことだって今まで一度もない。ていうかたいていの場合、謝る前にみんな死んじゃうし。まぁ生きてても謝んないけどね!
……うん、そんなもんなんだ。強いようで、弱い。
生き物なんてみんな矮小だよ。きっとほとんどの人が知らないことだと思うから、改めて言っておく。
さて、お話はこれぐらいにしとこうかな。
あんまり長くても興ざめでしょ。僕は僕らしく生きるんだ。これ、昔からの教訓ー。
それじゃあ、はじまりはじまり。
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