表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はあらゆる異世界転生で見かける呪われたトラック運転手で、みんなを異世界送りにしてるけど、俺のせいじゃない!  作者: Adriano_P


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/15

「パターンを見つけたと確信している」

東京警視庁三階の会議室が作戦本部に変わっていた。

三つの机。六台のモニター。壁一面を占めるホワイトボード。そして沈黙——有能な人々が重要なことに取り組む時だけ生まれる、集中した沈黙。

この種の沈黙が好きだ。

チームを見た。小規模。慎重に選ばれた。

刑事・林里奈——二十八歳、デジタルフォレンジック分析専門。五年の経験。エラー率〇・三パーセント。大阪で人身売買事件に取り組んできた。眼鏡の奥の疲れた、しかし鋭い目。

アナリスト・木村武——三十一歳、位置情報追跡と車両追跡の専門家。元IT技術者で、妹が誘拐された後に警察に転職——そして彼のシステムで発見された。意欲的。正確。

谷口が提供できる最高の人材だった。

十分だろう。

「コーヒー、石川刑事?」

顔を上げた。林が湯気の立つカップを差し出してる。

「ありがとう」

受け取った。苦い。完璧だ。

「では」カップを置いてホワイトボードに近づいて言った。「整理しよう」

マーカーで三つの名前を書いた。

渡辺祐樹 - 二十一歳 - 四月十五日 佐藤博 - 三十八歳 - 四月二十一日 田中真 - 二十六歳 - 五月八日

「一ヶ月以内に三名の行方不明者」続けた。「男性。異なる年齢。異なる背景。明らかに互いに関連なし」

「地元警察は既に家族、友人、同僚をチェックしました」木村が言った。「共通点なし」

「その通り。だから個人的な繋がりは忘れよう。時間と空間に集中する」

林に向き直った。

「携帯基地局データは?」

彼女がコンピューターでファイルを開いた。三つのメインモニターが地図で照らされた。

「三人とも失踪時に携帯を持っていました。基地局の三角測量で正確な最終位置があります」

地図に東京の異なる地域で点滅する三つの赤い点が表示された。

「渡辺:名古屋工業地帯、時刻十三時四十七分」

「佐藤:東京—横浜間の一般道、時刻七時四十二分」

「田中:品川地区、時刻十五時二十二分」

「目撃者は?」聞いた。

「有用なものを見た人はいません。何人かの通行人が歩いてるのを覚えてますが、それから...消えた。文字通り」

「防犯カメラは?」

木村がコントロールを取った。

「これが問題です。失踪地点は全て...カバー率の低い地域。半放棄された工業地帯。交通量の少ない一般道。直接のカメラなし」

「しかし」別の一連のスクリーンショットを表示して続けた。「周辺地域にはカメラがあります。高速道路。料金所。ガソリンスタンド。店舗」

「見せてくれ」

モニターがタイムスタンプと映像で埋まった。

「これは最初の失踪近くの主要高速道路。事件の三時間前後」

観察した。通常の交通。車。トラック。バイク。

「そしてこれが二番目の地域」

別の交通。別の車両。

「三番目」

まる一分間黙って見た。

「木村」

「はい?」

「商用車両でフィルタリングできるか?トラック、バン、大型車両?」

「もちろん」指がキーボードを飛んだ。

映像が絞られた。大型車両のみ。

「では比較しろ。三つの地域のうち少なくとも二つに現れる車両、失踪と同じ時間枠で」

「少々...」

コンピューターが処理した。

十五秒。

それからリストが画面に現れた。

八台の車両。

「八つの可能性」木村が言った。

「多すぎる。今度はETCデータと照合しろ。電子料金システム。全ての商用車両は登録されてる。誰なのか、どこに行ってたのか、その地域にいる理由があったのか知りたい」

「一時間かかります——」

「いい。その間、林、被害者の背景をチェックしてくれ。個人的な繋がりじゃない——それは既にチェック済み。行動パターンを探してくれ。趣味。興味。ライフスタイル」

「正確には何を探してるんですか?」

「まだ分からない。彼らを...理想的な標的にする何か」

「何の標的?」

「彼らを連れ去ってる者の」

一時間後、木村が呼んだ。

「刑事。何かあります」

彼のステーションに近づいた。

「八台のうち、五台は除外できます。その地域で正当な配達記録がありました。二台は遠い目的地への通過中。でも一台...」

画像を表示した。

トラック。大きい。白い。日野プロフィア。

「このトラックが三つの地域全てに現れます。いつも同じ時間枠。そして...」一時停止した。「いつも標準ルートからの逸脱があります」

「説明してくれ」

「商用トラックには登録されたルートがあります。企業GPS。このトラック——東京三百ナンバー——は山田運送の所有です。システムが全ての走行を記録してます」

三つの重ね合わせた地図を表示した。

「見てください。四月十五日、登録ルート:東京—大阪、直通高速。でもここで」赤い点を指した。「逸脱。高速を降ります。名古屋近くの一般道を取ります。工業地帯。渡辺が消えた場所と同じ」

心臓が加速した。わずかに。

「偶然?」

「待ってください。四月二十一日。登録ルート:東京—横浜、直接配達。でもここで」別の赤い点。「また逸脱。一般道。佐藤が消えた場所と同じ」

「三つ目は?」

「五月八日。別のルート。別の逸脱。品川地区。田中が消えた場所と同じ」

沈黙。

林も近づいていた。

「偶然じゃありえない」静かに言った。

「いや」答えた。「違う」

「運転手は誰?」

木村がファイルを開いた。

ID写真が画面に現れた。

田中健二 年齢:三十二歳 雇用:山田運送(七年) 免許:カテゴリーA、B、C 事故記録:0

写真を見た。普通の日本人男性。穏やかな顔。疲れた目だが威圧的じゃない。道ですれ違っても気づかないタイプの人間。

「記録ゼロ」木村が言った。「七年間。事故一つなし。罰金なし。へこみ一つすらない」

「誰もそこまで完璧じゃない」言った。

「その通り。誰も」

林がファイルの残りを読んだ。

「既婚。妻、田中ユキ。息子、九歳。世田谷のアパートに住んでる。借金なし。前科なし。何も...何もない」

「綺麗すぎる」木村が言った。

「完璧すぎる」同意した。

ホワイトボードに近づいた。中央に名前を書いた。

田中健二

それから被害者の名前に向かって三本の線を引いた。

「彼はそこにいた。毎回。正しい場所。正しい時間」

「彼が...誘拐してると思いますか?」林が聞いた。「トラックで?」

「ああ」

「でもなぜ?何の動機?」

「まだ分からない。でも一つ確信してる:これは単独犯じゃない」

「どうして?」

「考えろ。被害者は消える。死体なし。痕跡なし。彼は商用トラックを運転してる——管理され、追跡され、検査される。そこに死体を保管できない。じゃあどこに行く?」

林が考えた。

「誰か他の人。共犯者」

「その通り。田中は狩人だ。見つける。捕まえる。でもそれから誰かに引き渡さなければならない。ネットワーク」

「人身売買?」木村が提案した。

「可能性はある。臓器?闇市場?まだ分からない。でも誰かに引き渡さなければならない。そして通常どこに引き渡す?」

「顧客に。商品を受け取る企業」

「その通り。リストを取得しろ。田中が過去二ヶ月間にサービスした山田運送の全顧客」

「全部?」

「全部。名前、住所、連絡先。全て」

「時間が——」

「やれ」

二時間後、リストができた。

三十七の顧客。

倉庫。企業。配送センター。

「全部を迅速にチェックするには多すぎます」林が言った。

「公然とチェックしない。田中がネットワークの一部なら、顧客に警告したら警戒される。いや。別のやり方をする」

「どうやって?」

「日常検査。税務。保険。不審なことは何もない。ただのランダムチェック」

「何を探すんですか?」

バッグからケースを取った。

開けた。

中に三つの眼鏡。普通のサングラスに見える。

林が混乱して見た。

「何ですか?」

「ロンドンから持ってきた技術。スコットランドヤードが二年使ってる。血液痕跡を検出する特殊レンズ。古いものも。漂白剤で洗浄されたものも。その場所に血があったなら、これが見える」

「本当に機能しますか?」

「八百四十七の犯罪現場でテスト済み。精度九十四パーセント」

林と木村に一つずつ渡した。

「明朝検査を開始。通常の検査官として振る舞え。書類。日常的な質問。でも話してる間、見ろ。どこでも。床。壁。運搬車両」

「痕跡を見つけたら?」

「控えめな合図。検査を通常通り続けろ。アラームなし。出る。それから即座に電話」

夜遅くまで働いた。

二十二時にドアがノックされた。

「どうぞ」

谷口総監が入ってきた。

部屋を見た。点いたモニター。地図。繋がり、矢印、名前で埋まったホワイトボード。

それから俺を見た。

「何か見つけましたね」

質問じゃなかった。

「ああ」

「二十四時間で」

「ああ」

ホワイトボードに近づいた。読んだ。眉がわずかに上がった。

「田中健二。山田運送」

「三つの現場全てに存在。説明のない逸脱あり。記録が綺麗すぎる」

「主要容疑者?」

「ああ」

谷口が長い間沈黙した。

それから、ゆっくり、頷いた。

「一ヶ月で我々はどこにも辿り着けなかった。あなたは一日で確固たる手がかりを」

一時停止。

「優秀だ。本当に優秀だ」

認識。歯を食いしばって。でも誠実。

「ありがとうございます、総監。でも本当の仕事は明日始まります」

「何をするつもりですか?」

ホワイトボードに向き直って、データを指した。

「田中は単独じゃない。できない。被害者は消える——死体なし、痕跡なし。彼は追跡され検査される商用トラックを運転してる。そこに長く死体を保管できない。誰かに引き渡さなければならない」

「共犯者」

「ネットワーク。そして通常どこに引き渡す?」

谷口が考えた。

「顧客に。企業」

「その通り。明日チームが田中が過去二ヶ月間サービスした山田運送の全顧客をチェックします。合計三十七」

「公然とチェック?」

「いや。リスクが高すぎる。田中が組織の一部なら、顧客に警告したら警戒される。カバーを使います。日常的な税務検査。保険確認。不審なことは何もない」

「正確には何を探すんですか?」

バッグからケースを取って開けた。

三つの眼鏡。普通のサングラスに見える。

「スコットランドヤードの技術。血液痕跡を検出する特殊レンズ。古いものも。漂白剤で洗浄されたものも。その倉庫に人間の血があったなら、見つけます」

谷口が眼鏡の一つを取って、検査した。

「本当に機能しますか?」

「八百四十七の犯罪現場でテスト済み。精度九十四パーセント。もし顧客の一人が人身売買に関与してたら、発見します」

「何も見つからなかったら?」

「ならネットワークは思ってたより洗練されてる。固定地点なし。ランダムな場所での引き渡し。その場合...」一時停止した。「アプローチを変えなければならない」

「どんなアプローチ?」

「潜入。山田運送内部」

谷口が硬直した。

「危険だ」

「分かってます。でも明日ネットワークを見つけられなかったら、唯一の選択肢です」

数秒沈黙して、それから頷いた。

「全面的なサポートがあります。必要なもの全て。でも刑事...」

「はい?」

「結果を持ってきてください。迅速に。家族が苦しんでいます。メディアが我々を破壊しています。総理が毎日電話してきます」

「持ってきます」

「確信していますか?」

真っ直ぐ目を見た。

「総監、十二年のキャリアで四十三の不可能な事件を解決しました。成功率は八十七パーセント。負けません」

一時停止。

「そしてこれについては絶対的に、完全に確信しています」

谷口が去った後、ホワイトボードに戻った。

田中健二の写真を見た。

普通の男。穏やかな顔。道ですれ違っても気づかないタイプ。

でも俺は気づいた。

明日、顧客の間に共犯者がいるか分かる、と思った。そしていたら、全員見つける。

一人ずつ。

林と木村がまだそこにいて、明日の装備を準備してた。

「プロトコルを復習しよう」言った。

木村が頷いて、タブレットを開いた。

「顧客ごと。迅速だが完全な検査。偽造書類——国税庁の税務検査官。しっかりしたカバーストーリー」

「振る舞いは?」

「退屈。日常的。まるで今日二十回目の検査みたいに」林が言った。「犯罪捜査を思わせる何もなし」

「完璧。眼鏡は?」

「入ったらすぐ着ける。普通のレイバンに見える。責任者と話してる間、スキャン。床、壁、隅、運搬車両」

「痕跡を見たら?」

「控えめな合図。検査を通常通り続ける。アラームなし。出る。それから即座に電話」

「責任者が眼鏡について質問したら?」

林がわずかに微笑んだ。

「『羞明。目の問題。倉庫の蛍光灯が刺激になります』過去に三回この言い訳を使いました。いつも機能します」

「いい」

時計を見た。二十三時十五分。

「寝ろ。明日七時開始。長い一日になる」

「あなたは寝ないんですか?」木村が聞いた。

「後で。その前に全データを見直したい。何も見落としてないか確認する」

去った。

オフィスに一人残った。

ファイルを開き直した。地図。田中のルート。

全ての逸脱。全ての分。

パターンがあるはずだ。あるに違いない。

渡辺祐樹。佐藤博。田中真。

何が共通してる?

写真を見た。プロフィール。

若いオタク。疲弊したサラリーマン。無職のニート。

全員...周縁化された。脆弱。誰も熱心に探さないような人々。

こうやって選んでるんだ、と気づいた。簡単な標的。あまり注目を集めない。

賢い。

非常に賢い。

でも十分じゃない。

俺の方が賢いから。

そして明日それを証明する。

椅子に寄りかかって、ホワイトボードを見た。

中央の田中健二の写真。被害者への三本の線。

近づいてる、と思った。

まだ知らない。でも近づいてる。

そして捕まえたら...

確信している。


確信は正しい時に力強い。でも間違ってる時も。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ