「三つの失踪とゼロの答え」
東京警視庁の会議室は、全ての記者を収容するには狭すぎた。
カメラ。ライト。マイク。何十もの重なり合う会話の絶え間ない唸り。
警視総監の谷口勝が主席テーブルに座っていた。まだ午前十時なのにネクタイが既に緩んでいる。隣には警視監の渡辺と警視正の小島。
三人の経験豊富な男たち。
三人とも、この瞬間、完全に無力に見えた。
「静粛に!」谷口がマイクに向かって呼んだ。
ざわめきが少し収まった。ほんの少し。
「お集まりいただきありがとうございます。ご存知の通り、過去数週間の三名の行方不明について最新情報を——」
「総監!手がかりが全くないというのは本当ですか?」
質問は最前列の女性記者から来た。マイクが既に伸びてる。
「最後まで話させていただければ——」
「渡辺家はあなたたちが十分な努力をしていないと主張しています!」
「捜索は全ての面で続いています——」
「一ヶ月で三人!連続殺人犯ですか?」
「その証拠は——」
「じゃあ何が起きてるんですか?!」
会場が爆発した。全員が同時に質問を叫んでいる。
谷口が手を上げて、コントロールを取り戻そうとした。
「お願いします!落ち着いていただければ、お答えします——」
「遺体はどこですか?」
突然の沈黙。
全員が叫んだ男の方を振り返った。
記者ではなかった。
五十代、皺だらけの黒いスーツ、赤く腫れた目。辛うじて立っている。若い女性——おそらく娘——に支えられて、静かに泣いていた。
「俺の息子だ」男が壊れた声で言った。「渡辺祐樹。二十一歳。四月十五日に行方不明」
谷口が喉を鳴らした。
「渡辺さん——」
「俺の息子はどこだ?」
「できる限りのことを——」
「四週間だぞ!」男の声が割れた。「四週間経って、お前らは...お前らには何もない!遺体なし!手がかりなし!何もない!」
娘が引っ張った。何か囁いてる。男が椅子に崩れ落ちた。顔を手で覆って。
カメラが全てを記録した。
谷口が一瞬目を閉じた。
くそ。
「お気持ちは理解しています」ゆっくり言った。「ご家族の苦痛は理解しています。しかし、利用可能な全ての資源を投入していることを保証します。五十人の捜査員がこの事件に取り組んでいます。全ての地域を捜索しました——」
「でも何も見つけてない」別の記者が言った。
「捜査には時間が——」
「どれくらい?一ヶ月じゃ足りない?」
「従うべき手順が——」
「人々が怖がってる!」誰かが叫んだ。「うちの娘はもう外出しない!」
「両親は犯罪組織だと思ってる!」
「ヤクザが関与してるって本当ですか?」
「臓器売買の話もある!」
「宗教カルト?」
「連続殺人犯?!」
会場がまた爆発した。
谷口が同僚を見た。小島が首を振ってる。渡辺がテーブルを見つめてる。
何もない、と苦々しく思った。全く何もない。
「会見は終了です」マイクに言った。
立ち上がって会場を出た。背後で叫ばれる質問を無視して。
三時間後、総監のオフィスで、雰囲気はさらに暗かった。
「大惨事だ」小島が言って、ファイルをテーブルに投げた。「メディアが俺たちを虐殺してる。見ろよ」
タブレットをつけた。ニュース映像。
「...警察の無能さ...」
「...一ヶ月後、ゼロの進展...」
「...家族が辞任を要求...」
「...総理が国会で答弁せざるを得ない...」
谷口がタブレットを消した。
「整理しよう」疲れた様子で言った。「何がある?」
渡辺がファイルを開いた。
「三名の行方不明者。渡辺祐樹、二十一歳。佐藤博、三十八歳。田中真、二十六歳」
「共通点は?」
「全員男性。全員東京都内。全員日中に失踪」
「目撃者は?」
「ゼロ。いや、正確には、有用なものを見た人はいない。何人かの通行人が三人を別々に失踪前に見たことを覚えてるが、それから...何もない」
「遺体は?」
「痕跡なし。全地域を捜索した。犬、ドローン、川に潜水士。何もない」
「血?DNA?指紋?」
「ゼロ」
「防犯カメラは?」
「何百台もチェックした。被害者が現れて、歩いて...それから消える。文字通り。一瞬そこにいて、次の瞬間にはいない」
「どうやってそんなことが?」
「分からない」
重い沈黙。
小島が顔に手を当てた。
「いいか、俺はこの仕事を二十五年やってる。全部見てきた。殺人、誘拐、失踪。でもこれは?意味がない。人間は蒸発しない」
「説明があるはずだ」谷口が言った。
「何?テレポートされたとか?」
「バカなこと言うな」
「じゃあお前が言えよ!どうやって人が何も残さずに消えるんだ?血なし、死体なし、争った跡なし!」
「たぶん...たぶん素早く連れ去られる。バン、組織的なチーム——」
「地域の全車両をチェックした。不審なものなし」
「じゃあ——」
ドアがノックされた。
「入れ」谷口が不機嫌に言った。
若い捜査員が入ってきた。息を切らして。
「総監、内務大臣と都知事が。会議室に。すぐにお会いしたいと」
谷口と同僚が視線を交わした。
ああ、クソ。
五階の会議室は通常内部ブリーフィングに使われる。
その夜は内務大臣の山田武、東京都知事の小林博、そして真面目な顔の六人の役人を迎えていた。
谷口が小島と渡辺と一緒に入った。
雰囲気は氷のようだった。
「総監」大臣が前置きなく言った。「問題がある」
「はい。我々は——」
「いや。私に問題がある。そしてその問題はあなただ」
谷口が喉を鳴らした。
「家族は結果を求めている」大臣が続けた。「メディアが我々を破壊している。総理は毎日電話を受けている。この状況は...政治的になった」
「理解しますが、捜査には——」
「一ヶ月だ、総監。四週間。そしてあなたには何もない」
「難しい事件で——」
「言い訳には興味がない」大臣が身を乗り出した。「解決策に興味がある。そして迅速に」
「利用可能な資源で全力を——」
「では資源が足りない」
都知事が介入した。より外交的な口調だが同様に深刻。
「谷口総監、困難は理解します。しかしこの状況は手に負えなくなっている。恐怖に怯えた市民から二千件以上の電話を受けている。学校が追加の保護を求めている。親が子供を外出させない。東京が恐怖で麻痺しつつある」
「理解します——」
「だから決定を下した」
谷口が硬直した。
「どんな決定ですか?」
大臣がファイルを開いた。
「専門的な...技能が必要だ。未解決事件の経験を持つ誰か。あなたたちが見えないものを見ることができる誰か」
「我々には最高の捜査員が——」
「結果を出していない」
都知事の電話が鳴った。
画面を見て立ち上がった。
「失礼。これを取らないと」
部屋を出た。
大臣が続けた:
「スコットランドヤードに連絡した。コンサルタントがいる...国際経験を持つ刑事だ。不可能な事件に取り組んできた。連続殺人犯。大量失踪。解決率八十七パーセントだ」
「恐れながら、大臣、ここは日本です。我々には——」
「許可を求めているわけではない、総監。通知しているのだ」
ドアが再び開いた。
都知事が入ってきた。後ろに...
谷口が顔を上げた。
男は背が高く、痩せていて、四十代。わずかに白髪混じりの黒髪。強烈な、ほとんど黒い目。洗練されたスーツだが使い古されて、まるで長旅をしてきたみたいに。
おそらくしてきたんだろう。
「谷口総監」都知事が言った。「石川涼刑事をご紹介します。ロンドンから到着したばかりです」
刑事が小さくお辞儀をした——形式的だが卑屈ではない。
「よろしく」完璧な日本語で言った。海外での長年を裏切るわずかなイントネーションがあったが。
谷口がお辞儀を返した。硬直して。
「刑事」
石川が座って、持ってきたファイルを開いた。目が素早く書類をスキャンした——被害者の写真、地図、タイムライン。
「フライト中にレポートを読みました」言った。「三名の行方不明者。男性、異なる年齢。明白な関連性なし。遺体なし。犯行現場なし」
「その通りです」小島が懐疑的に言った。「で、あなたは我々が見落としたものを見つけられると?」
石川が彼を見た。
「小島刑事、ですね?」
「警視正だ」
「警視正。あなたのレポートも読みました。...完璧です。几帳面。利用可能な資源で素晴らしい仕事をされました」
小島が少し和らいだように見えた。
「しかし」石川が続けた。「時には新鮮な目が必要です。異なる視点。私はあなたたちの仕事を批判するためにここにいるわけではない。助けるためです」
「どうやって?」谷口が聞いた。
石川が微笑んだ——わずかに、ほとんど知覚できない。
「まず、全てを見たい。全ての書類。全ての映像。全ての証言。彼らが消えた道を歩きたい。家族と話したい」
「それは既に全て——」
「分かっています。でも私は自分の目で見なければ」
大臣が介入した:
「石川刑事は全てに完全にアクセスできる。部署からの全面協力。明確ですね?」
谷口が歯を食いしばった。
「明確です」
「よろしい」大臣が立ち上がった。「仕事を任せます。刑事、幸運を祈ります。我々全員に必要です」
役人と都知事を伴って出た。
二人きりになって、谷口が石川を見た。
「で?どこから始めますか?」
石川がファイルを閉じて総監の目を真っ直ぐ見た。
「携帯データから。被害者の最後の位置。そして防犯カメラの映像——全て、近隣のものだけじゃなく」
「既にチェックしました——」
「分かっています。でもあなたたちは被害者を探していた。私は別のものを探します」
「何を?」
「そこにあってはならないものを」
立ち上がって、ファイルを取った。
「オフィスが必要です。そしてチーム——小規模、二、三人。あなたたちの最高のアナリスト」
「それから?」
石川がドアに向かって、それから止まった。
振り返って、初めて谷口が彼の目に何かを見た。
傲慢じゃない。思い上がりでもない。
絶対的な、完全な確信。
「それから」石川が穏やかな声で言った。「これをやっている者を見つけます。そして止めます」
一時停止。
刑事が「確信している」と言う時、大抵正しい。
問題は...正確に何を確信しているのか?




