「確信している――これは陰謀だ」
土曜日の朝。午前七時半。
眠れなかった。
また。
何晩続いているのか?
四晩?五晩?
もう覚えていない。
手が震えていた。
いつも。
でも関係ない。
今日がその日だ。
結果の日。
指紋。筆跡。
四十八時間が経った。
松本は即座に始めると言っていた。
たぶん…たぶんもう終わっている。
服を着た。
急いで。
冷めたコーヒー。昨日のモカから直接。
新しく淹れる時間がない。
7:45。
出た。
研究所は八時に開く。
でも俺はその前にそこにいる。
待つために。
最初に。
最初に知りたかった。
午前七時四十五分。
出ようとしていた。
電話が鳴った。
研究所の番号。
「石川刑事です」
「刑事。山本です。鑑識研究所の所長です」
「所長。今そちらに向かおうと—」
「刑事、悪い知らせがあります」
そのトーン。
あのトーン。
「何ですか?」
「松本俊。あなたの事件を担当していた技術者です」
「はい?」
「亡くなりました。昨夜。交通事故です」
世界が止まった。
「何ですか?」
「事故です。トラックに轢かれました。六本木の地下鉄駅近く。午後五時十五分」
「トラック?」
「はい。赤いトラック。田辺物流という会社。運転手は逃げましたが、目撃者がいます。ナンバープレートも」
「遺体はどこに?」
「都立病院。霊安室。今朝正式な身元確認が行われました」
息ができなかった。
「刑事?まだそこに?」
「はい。行きます。二十分で」
切った。
立ったまま残された。
キッチンで。
携帯を手に。
松本。
死んだ。
赤いトラック。
昨夜。
結果の前日。
「いや。ダメだ」
偶然じゃない。
あり得ない(あり得ない)。
確信していた(確信していた)。
絶対に確信していた(絶対に確信していた)。
田中だ。
午前八時十五分に研究所に着いた。
所長の山本が待っていた。
「刑事。お悔やみ申し上げます」
「ありがとうございます」
「松本は…優秀な技術者でした。才能がありました」
「わかっています」
「事故は…本当に事故だったと警察は言っています」
「わかっています」
嘘だ。
事故じゃない。
確信している(確信している)。
「サンプルは?」と聞いた。「松本が作業していたサンプルは?」
「保管されています。304号室。全て無傷です」
「誰が分析を引き継ぎますか?」
「それは…まだ決めていません。月曜日に—」
「月曜日?ダメです。今日です」
「今日は不可能です。技術者たちは—」
「可能にしてください。私は三日しかありません。最大三日。それまでに結果が必要です」
山本が俺を見た。
心配そうに。
「刑事…大丈夫ですか?」
「いいえ。大丈夫じゃありません」
廊下の技術者—斉藤という名前—が近づいてきた。
「刑事さん?」
振り返った。
「松本さんのことを聞きました。ひどいですね」
「ひどい」と繰り返した。
壁にもたれた。
脚が支えられない。
「刑事さん、大丈夫ですか?」
「いや。大丈夫じゃない」
松本。
死んだ。
轢かれた。
赤いトラックに。
昨夜。
結果の前日。
偶然じゃ…
あり得ない。
「田中だ」声に出して言った。
「確信している(確信している)」
「何ですか?」斉藤が言った。
「田中健二。確信している、彼だ(確信している、彼だ)。殺させたんだ」
「田中健二って誰ですか?」
「俺の事件の容疑者だ!松本は彼に不利な証拠を分析していた!そして今死んだ!」
「刑事さん、落ち着いて—」
「ダメだ!偶然じゃない!完璧すぎる!」
「でも運転手は別の会社の—」
「関係ない!田中は教団の一員だ!ネットワークがある!資源がある!証人を排除したんだ!」
斉藤が俺を見た。
心配そうに。
「刑事さん…座った方が—」
「谷口に電話しないと。今すぐ」
携帯を取った。
手が震えていた。
電話した。
「警部」
「刑事。早いな—」
「松本俊が死にました」
沈黙。
「何?」
「鑑識技術者です。指紋を分析していた人。昨夜死にました。赤いトラックに轢かれて」
「クソ」
「田中が殺させたんです!確信しています(確信しています)!」
「刑事—」
「教団か!共犯者か!でも彼らです!わかっています(わかっています)!絶対に確信しています(絶対に確信しています)!」
「証拠はあるのか?」
「証拠は松本が結果を出す前日に死んだことです!偶然ですか?!」
「田中は?昨夜午後五時十五分にどこにいた?」
「俺は…待って」
確認した。
GPSアプリ。
田中の追跡。
昨日。午後五時十五分。
位置:自宅。世田谷。
静止。
何時間も。
「自宅にいました。動いていません」
「じゃあ彼がやったはずがない—」
「共犯者がいるんです!または命令したんです!教団はそう動きます!区画化!委託殺人!」
間。
「わかった。本部に戻る。そこで会おう。二十分で」
切った。
斉藤が俺を見ていた。
「刑事さん…座りますか?」
「いや。知りたい。松本が死んだ今、誰が鑑識分析を管理するんだ?」
「わかりません。たぶん別の技術者を割り当てる—」
「いつ?」
「わかりません。たぶん月曜日—」
「月曜日?!ダメだ!今日だ!今すぐだ!」
「刑事さん、土曜日です。そして松本さんが亡くなったばかりです。時間が—」
「時間はない!」
出た。
階段を走った。
降りた。
二階。
管理事務所。
研究所の所長を見つけた。
年配の男性。六十歳。眼鏡。
「山本所長」
「はい?」
「石川刑事です。スコットランドヤード。松本俊の代わりに即座に新しい技術者を割り当ててください」
「刑事、緊急性は理解しますが—」
「いいえ。理解していません。確信しています(確信しています)、松本は私の事件に取り組んでいたから死んだんです。そして今、他の誰かに仕事を終わらせてもらう必要があります。今日」
「今日は不可能です—」
「不可能なことはありません!四十八時間以内に分析しなければならないサンプルがあります!最大で!」
「刑事、技術者たちは—」
「残業代を払ってください!三倍!四倍!構いません!でもチームが必要です!今!」
五万ユーロをすでに使った。
弁護士のために二百万円。
そして今これ。
でも関係なかった。
事件を終わらせること以外、何も重要じゃなかった。
所長が俺を見た。
それからため息をついた。
「わかりました。中村結衣を呼びます。松本の副です。そして筆跡のために藤本さんも」
「ありがとうございます」
「でも刑事…もし本当に松本がこの事件のために殺されたなら…私のスタッフは危険ですか?」
止まった。
「はい。たぶんそうです」
「では…スタッフを守らなければなりません」
「わかっています。武装警護を要請します。24時間。関わる全技術者のために。分析が終わるまで」
「武装警護?」
「はい。警護なしで研究所を出られません。そして作業中…部屋の外に警官」
「これは…極端すぎる—」
「松本は死んだんです!他を危険にさらせません!」
午前九時半。
警察本部。
谷口のオフィス。
俺。谷口。木村。林。
全員。
「まとめよう」谷口が言った。「松本俊、鑑識技術者、昨夜死亡。赤いトラックに轢かれた。別の会社。田中とは別の運転手」
「でも田中が関わっています!」俺が言った。
「どうやって?」
「殺人を命じたんです!または教団が!偶然すぎます!」
「刑事、時々偶然は—」
「松本が結果を出す前日に死ぬんですか?!田中に不利な唯一の証拠を分析していた技術者が?!しかも赤いトラックに轢かれて?!」
沈黙。
「メッセージです」俺が言った。「警告です。『やめろ。さもなければ他も死ぬ』」
谷口が顔をこすった。
「わかった。本当だとしよう。どうする?」
「新しい鑑識チーム。今日。そして全員に武装警護」
「武装警護?」
「はい。24時間。分析終了まで。他の証人を殺させられない」
「刑事、コストがどれだけ—」
谷口の電話が鳴った。
画面を見た。
青ざめた。
「省庁だ」
「出てください」
電話を取った。
「警部谷口です」
スピーカーフォンにした。
「警部。中村大臣です」
声は…氷のようだった。
「大臣」
「報告を受けたばかりだ。鑑識技術者が死んだ。失踪事件を担当していた」
「はい、大臣。事故が—」
「非常に都合のいい事故だな。容疑者にとって」
「捜査中です—」
「捜査している時間はない。この事件は何ヶ月も引きずっている。教団とされる六人を逮捕した。結果は?また被害者だ。そして今技術者が死んだ。メディアが我々を虐殺している。いや違う!我々の死体の上で踊っている!」
「承知しています、大臣—」
「いや。わかっていないと思う。だからはっきり言う。三日間だ。七十二時間。この事件を終わらせろ。さもなければ解雇だ。お前と英国人刑事の両方」
「大臣、私は—」
「議論ではない。総理大臣からの命令だ。三日間。確固たる証拠での逮捕。さもなければ全て終了だ。そしてお前たちは…家に帰る。失業者として。明確か?」
「…はい、大臣」
「よろしい」
カチッ。
切った。
完全な沈黙。
谷口が電話を置いた。
手が震えていた。
「お前もか」静かに言った。
「なぜこの仕事を選んだんだろう?用務員になれたのに…」
「解雇される。お前も。俺だけじゃない」
「ああ」
「なぜ?」
「お前をここに連れてきたから。全てを承認したから。支出。方法。それに誰かの首を切る必要がある。お前が失敗したら…俺も一緒に落ちる」
座った。
…壊れているように見えた。
「三日間」彼が言った。
「七十二時間」俺が付け加えた。
「分析で確認されなかったら?本当に罠だったら?」
「そうしたら…全て失った。そして田中が勝つ」
ホワイトボードを見た。
田中健二。
四人の被害者。
今五人。
松本。
「許せない」俺が言った。
「どうする?」
「新しい鑑識チーム。今日。四十八時間以内に完全な分析。全員に武装警護。そして俺は…俺は研究所で寝る」
「何?」
「そこで寝る。技術者を一人にしない。一秒たりとも。教団が他を殺したければ…俺を越えなければならない」
「刑事—」
「必要なことだ」
午前十一時。
鑑識研究所。
中村結衣が到着した。
女性。三十五歳。短髪。真面目。
「石川刑事?」
「はい。中村結衣さんですか?」
「はい。所長から説明を受けました。松本さんの仕事を完了しなければなりません」
「その通りです。サンプルは?」
「はい。指紋付きのカップ。とノート。松本さんは既に予備分析を始めていました」
「どれくらいかかりますか?」
「正確な仕事には…三日—」
「三日はありません。四十八時間。最大」
俺を見た。
「刑事、指紋は複雑です。多層。必要なのは—」
「四十八時間。必要なら夜も働いてください。三倍の報酬。でも四十八時間」
躊躇した。
それから頷いた。
「わかりました。でも助けが必要です」
「何人の技術者?」
「二人。私を含めて。合計三人」
「了解。そして武装警護がつきます。24時間」
「武装警護?なぜ?」
「松本さんがこの事件に取り組んでいる間に亡くなったからです。また起きるリスクは冒せません」
顔が青ざめた。
「わかりました」
午後二時。
三人の技術者が作業中。
中村結衣。小林俊。山田麗。
304号室。
外:二人の武装警官。
内:俺。
隅に座って。
見ている。
常に。
技術者たちが働いていた。
沈黙の中で。
集中して。
顕微鏡。コンピューター。化学分析。
奇妙な言葉。
「どれくらい?」二時間後に聞いた。
「指紋を分離しています」結衣が言った。「妻のは最近のもの。下に他の指紋があります。部分的ですが使えます」
「カップのと一致しますか?」
「確認中です。時間がかかります」
「どれくらい?」
俺を見た。
顔に何かを見た。
恐怖?絶望?
「刑事…お願いです。仕事をさせてください。間違いは犯せません。命がかかっているので」
「二つの命だ」俺が言った。「俺の。そして谷口の」
「ではちゃんと仕事をさせてください」
頷いた。
座った。
手がまだ震えていた。
午後六時。
まだ働いていた。
食事が運ばれてきた。
弁当箱。
素早く食べた。
それから仕事に戻った。
俺は食べなかった。
空腹じゃなかった。
ただ…不安。
「一致しますか?」聞いた。
「まだ分析中です」結衣が振り返らずに言った。
午後九時。
まだ。
「刑事さん」小林が言った。「たぶん休んだ方が。私たちは続けます—」
「いや。ここにいる」
「でも—」
「ここにいる」
主張しなかった。
午後十一時。
結衣が立ち上がった。
伸びをした。
「部分的な結果です」
飛び上がった。
「それで?」
「カップの指紋は明確です。鮮明。成人男性のもの。推定年齢三十から四十歳」
「ノートのは?」
「もっと複雑です。重なっています。でも妻のものの下から部分的な指紋のセットを分離しました」
「一致しますか?」
「比較中です。法的確実性には最低十ポイントの一致が必要です」
「いくつありますか?」
「七つ。今のところ」
「残り三つは?」
「探しています。でもノートの指紋は部分的です。いくつかの箇所でぼやけています」
「でも一致すると思いますか?」
俺を見た。
「はい。そう思います。でも十ポイント揃うまで公式には確認できません」
「どれくらいかかりますか?」
「明日の朝。たぶん」
「たぶん?」
「はい。たぶん」
真夜中。
技術者たちは寝に行った。
隣の部屋に。
外に武装警官と。
俺は残った。
研究室の中に。
椅子に。
目を開けたまま。
サンプルを見つめて。
カップ。ノート。
証拠。
たぶん…
たぶんついに…
探していたものをくれる。
確信(確信)。
ついに確信(遂に確信)。
あるいはそうじゃないかもしれない。
たぶん全て偽物だった。
たぶん騙されていた。
また。
「明日」暗闇の中で囁いた。
「明日、確信していた理由があったのかわかる(確信していた理由があったのかわかる)」
田中が本当に怪物なのか。
それとも…
そして目を閉じた。
ほんの一瞬。
ただ…
でも眠りは来なかった。
疑いが確信を食い尽くしていたから(疑いが確信を食い尽くしていた)。
そして恐怖が…
全て間違っていたという恐怖が…
どんな疲労よりも強かったから。
三日間。
七十二時間。
そして…
そして終わり。
何かの。
こんなに近くにいる時…終わりの一歩手前にいる時…疑いは耐え難くなる。なぜなら正しければ…勝ったことになる。でも間違っていれば…全てを失う。中間はない。勝利か破滅だけ。そして明日…明日どちらかがわかる。




