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俺はあらゆる異世界転生で見かける呪われたトラック運転手で、みんなを異世界送りにしてるけど、俺のせいじゃない!  作者: Adriano_P


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16/18

「たぶん、まだ希望がある」/「俺は全てを発見したと確信している」

【第1部 - 田中POV】

17時に家に帰った。

ユキがキッチンにいた。夕食を作っていた。

哲也がテーブルで宿題をしていた。

普通。家族。ルーティン。

でも俺は普通じゃなかった。

なぜなら中にまだあの瞬間があったから。

松本の顔。恐怖。震える声。

「あれはトラックじゃない。扉です」

「健二、帰ったのね」とユキが振り向かずに言った。野菜を切っていた。包丁がまな板をリズミカルに叩いていた。

「ああ」

「用事は……どうだった?」

用事。

憑かれたトラックを神主に浄化してもらいに行って、恐怖で逃げ出された。

「良かった」

「そう」

包丁が止まった。

ユキが振り向いた。

俺を見た。本当に見た。

「泣いたでしょ」

「え?」

「目。赤い。泣いたでしょ」

クソ。

「いや、ただの……アレルギー。花粉」

「健二」

「本当に——」

「もういい!」

包丁がまな板に叩きつけられた。

「もう嘘はいい!もういい!」

哲也が宿題から顔を上げた。怯えて。

「ユキ、ここじゃ——」

「じゃあどこで?!」

彼女の声が上がった。

「いつ、健二?!いつ何が起こってるか教えてくれるの?!いつ嘘をつくのをやめるの?!」

「嘘なんて——」

「嘘ついてる!何ヶ月も!そして私は……私はもう何を考えればいいか分からない!病気なのか、仕事で問題があるのか、それとも……それとも他に誰かいるのか——」

「誰もいない!」

沈黙。

哲也が俺たちを見ていた。目を見開いて。

ユキが激しく呼吸していた。手を拳に握りしめて。

「じゃあ何?」と静かに言った。「何があるの?」

言え。

今言え。

でも言葉が出なかった。

なぜなら言えなかったから。

憑かれたトラックを運転していると言えなかった。

三人を殺したと。

その遺体はたぶん別の世界に消えたと。

神主が俺の車両を恐れたと。

何も言えなかった。

なぜならもし言えば……

もし言えば彼女は去る。

それとももっと悪い。

俺を入院させる。

「ごめん」と静かに言った。「ただ……難しい時期なんだ。でも過ぎる」

ユキが首を横に振った。

涙が顔を伝っていた。

「もうあなたが分からない」

キッチンを出た。

寝室のドアが閉まった。

そこに立っていた。

哲也が俺を見ていた。

「パパ……大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。全部大丈夫」

彼にも嘘をついた。

みんなに。

いつも。

その夜は眠れなかった。

ソファで起きていた—ユキが寝室に鍵をかけた—天井を見つめた。

山本宮司。

明治神宮の宮司。

残された唯一の希望。

でもどうやって見つける?

松本は名前しか言わなかった。番号もない。直接の住所もない。

明治神宮は巨大だ。東京で最も大きな神社の一つ。

ただ……現れればいい?

「こんにちは、トラックが次元の扉なので宮司を探しています」?

天才だな、健二。

携帯を取った。

3時42分。

ブラウザを開いた。

検索した:「山本宮司 明治神宮」

結果は……少なかった。

2018年の新聞記事:「明治神宮の新しい宮司が伝統と現代について語る」

写真。60代の男性。厳しい顔。深い目。

でも連絡先はない。メールもない。番号もない。

もちろんだ。

宮司は電話番号を公開しない。

検索した:「明治神宮 宮司 連絡」

結果:神社の一般番号。標準的な祝福と儀式の予約。

でもこれは標準的じゃない。

検索した:「強力な祓え 東京」

「車両のお祓い 専門家」

「付喪神 除去 神主」

何十ものサイト。神社。浄化の提供。

でも十分に見えるものは何もない……

扉に対処するのに十分。

携帯を置いた。

胸が締め付けられた。

どうやって連絡すればいいか分からない。

どうやって彼のところに行けばいいか分からない。

そして日が経つごとに……

日が経つごとにトラックはそこにある。

待っている。

次の標的を。

月曜の朝、仕事に戻った。

目の下のクマがあまりに深くて山本が大丈夫かと訊いた。

「ああ、ただ……眠れない夜で」

「家庭の問題?」

「そんな感じ」

理解して頷いたが追及しなかった。

着替えた。ルートの準備をした。

そして更衣室を出ると、佐藤を見た。

新人。

「おはようございます、田中さん」

「おはよう」

近づいた。親しみやすい笑顔。

「大丈夫ですか?……疲れているように見えます」

「ああ、大丈夫」

「もし話す必要があれば、俺がいますよ。俺も難しい時期を過ごしたことがあります。離婚後……」

話していた。何か言っていた。

でも本当には聞いていなかった。

なぜなら頭の中には一つのことしかなかったから。

山本宮司。

どうやって見つける?

「……だから東京で新しいスタートと思ったんです。でもここにもプレッシャーがあるって分かります。仕事、家族……」

うわの空で頷いた。

「ああ」

「とにかく、もしシフト後にコーヒーでも飲みたければ、俺がおごりますよ」

「たぶん。様子を見て」

佐藤が笑った。

「もちろん。じゃあ後で」

離れた。

親切な人。親しみやすい。

でも友情のためのエネルギーがなかった。

今は。

シフト中、運転しながら考えた。

明治神宮。

ただ行けばいい。

現れればいい。

山本宮司と話したいと頼む。

でも何て言う?

「霊的緊急事態」?

もし追い払われたら?

もし狂人だと思われたら?

何か準備しないと。

何か……正当に見えるもの。

トラックターミナルに戻ったとき、駐車した。

キャビンに一瞬座ったまま。

ダッシュボードから紙とペンを取り出した。

書いた:

山本宮司 - 明治神宮 高度な祓え 古代の付喪神 松本大地(八幡神社)- 推薦 対象:日野プロフィアトラック 緊急:危険な現象 「扉」

メモを見た。

……狂人の買い物リストに見えた。

でも持っているのはこれだけだった。

紙を折った。

ポケットに入れた。

明日。明日明治神宮に行く。

そしてもし会ってくれなかったら……

もし聞いてくれなかったら……

何をすればいいか分からない。

トラックから降りた。

更衣室に向かって歩いていると、紙がポケットから滑り落ちた。

地面に落ちた。

「クソ」

拾おうとかがんだ。

でも手が差し出された。

佐藤。

「これ、落としましたよ」

「ありがとう」

紙を取った。すぐにポケットに戻した。

でも見た?

読んだ?

いや。速すぎた。折られていた。

「どういたしまして」と佐藤が笑顔で言った。「じゃあ明日」

「ああ。良い夜を」

離れた。

俺はそこに立っていた。

偏執的。

どんどん偏執的。

その夜、家でユキは話さなかった。

黙って食べた。

哲也が学校について何か話そうとした。

ユキが返事した。

俺は聞かずに頷いた。

夕食後、トイレに行った。

鏡で自分を見た。

目の下のクマ。無精髭。青白い肌。

幽霊みたいだな、健二。

それともすでに幽霊か。

リビングに戻った。

ユキがソファにいた。テレビを見ていた。異世界アニメ。

主人公がトラックに轢かれていた。

皮肉が壊滅的だった。

「ユキ」

「うん?」

「明日……また午後出かけないと」

振り向いた。

「また『用事』?」

「ああ」

「どこに?」

「明治神宮」

眉を上げた。

「神社?あなたが?占いも信じないのに?」

「……複雑なんだ」

「最近は全部複雑」

またテレビに向き直った。

「やらないといけないことをやって」

冷たい口調。距離を置いた。

彼女を失っている。

日ごとに。

そして止められない。

なぜなら止めるには真実を言わないと。

そして真実は不可能だった。

【第2部 - 石川POV】

火曜の朝、7時30分、既にトラックターミナルにいた。

従業員としてじゃない。

観察者として。

200メートル離れた、見晴らしの良い地点に駐車。

双眼鏡。コーヒー。忍耐。

田中が7時15分に到着するのを見た。

普通の動き。ルーティン。

でも何かが……

何かが違った。

もっと……遅かった。

まるで全ての動きに努力が必要なかのように。

ストレス?罪悪感?

メモした:対象は心理的疲労の兆候を示す。

8時に俺のシフトのために入るはずだった。

でもその前に一つ確認したいことがあった。

前日、田中があの紙を落としたとき……

速すぎた。

取り戻すのにあまりに神経質だった。

何かを隠している。

そして俺は何かを発見しないと。

トラックターミナルに入った。

更衣室。ロッカー。制服。

田中は既にルートに出ていた。

完璧。

他の者たちも去るのを待った。

山本が8時20分に出発した。

木村が8時30分。

一人になった。

周りを見回した。

あの紙をどこに捨てた?

昨夜ポケットに戻した。

でもたぶん今朝……

ゴミ箱を確認した。

更衣室に二つ。

一つは空。

もう一つは……

紙を見つけた。

折られている。くしゃくしゃ。急いで捨てたかのように。

開いた。

山本宮司 - 明治神宮 高度な祓え 古代の付喪神 松本大地(八幡神社)- 推薦 対象:日野プロフィアトラック 緊急:危険な現象 「扉」

二回読んだ。

三回。

心臓が加速した。

山本宮司。

明治神宮。

祓え。付喪神。

神道の宗教用語。

危険な現象。

扉。

紙を撮影した。

元通りに折った。

ゴミ箱に戻した。

それから更衣室を出た。

落ち着け、石川。

考えろ。

考えろ。

車に戻った。

座った。

携帯の写真を見た。

山本宮司。

宮司。

明治神宮。

田中は神主を探している。

何のために?

高度な祓え。

浄化。

付喪神。

霊。

扉。

宗教的象徴。

そして突然……

突然全てが理にかなった。

孤独な連続殺人犯じゃない。

臓器売買じゃない。

カルトだ。

宗教的カルトだ。

携帯を取った。

谷口に電話した。

「署長」

「刑事。早いな——」

「カルトです」

沈黙。

「何?」

「田中。普通の連続殺人犯じゃありません。宗教カルトの一員です。神道のカルト」

「刑事——」

「証拠があります。メモ。彼自身の筆跡。明治神宮で『宮司』を探している。山本宮司。『祓え』、『浄化』、『霊』について話している。コード化された宗教用語」

「それは意味しない——」

「署長、考えてください。失踪。見つからない遺体。田中がこのプロセスを『扉』と呼んでいる。カルトは被害者に何をする?犠牲にする。別の次元に『通す』。浄化の儀式」

谷口が呼吸するのが聞こえた。

「続けろ」

「候補者。全員若く、孤独、疎外されている。オタク。ニート。『救われる』のに完璧。浄化される。宗教カルトはまさにこのプロファイルを標的にする」

「トラックは?」

「隠れ蓑。方法。事故に見える。誰も疑わない。それから遺体を—衝撃では本当には死なない—秘密の場所に運ぶ。神社。寺院。そしてそこで……そこで儀式を行う」

長い沈黙。

「それは……大胆な理論だ、刑事」

「でも理にかなっています。全てが理にかなう。だから遺体が消える。だから痕跡がない。魔法じゃない。組織。ネットワークです」

「もし正しければ……」

「もし正しければ、署長、一人の男を追っているのではありません。組織を追っています。おそらく何十年も活動している」

「何を提案する?」

「記録。過去20年間の宗教カルト、神道のカルト、儀式に関連する失踪を含む全ての終了した案件を再開してください。パターンを探してください。名前を探してください」

「刑事——」

「お願いです、署長。確認させてください。もし間違っていたら、何も失いません。でももし正しければ……」

また沈黙。

「分かった。記録を開かせよう。でもこれはリソースを必要とする。時間を」

「分かっています。でも価値があります」

「正しいことを願う、刑事。二人のために」

「正しいです」

切った。

座ったまま。

カルト。

もちろんだ。

なぜ前に考えなかった?

水曜の午後、谷口が電話してきた。

「刑事。本部に来い。何かある」

20分後、彼の事務所にいた。

テーブルに三つのファイルがあった。

古い。カバーに埃。

「終了した案件」と谷口が言った。「三つ。全て宗教カルトまたは神道のカルトを含む。全て失踪を伴う」

心臓が加速した。

「見せてください」

最初のファイルを開いた。

ケース1:京都、1995-1998 永遠の浄化教団 リーダー:山本武 3年間で6件の失踪。全員18-25歳の若者。遺体は見つからず。 カルトは秘密の儀式による「穢れた魂の浄化」を説いた。 「霊的な扉」と「純粋な世界への通過」への言及。 捜査終了1998年。リーダーが交通事故で死亡。メンバー散会。

「山本」とゆっくり言った。「田中が探している宮司の名前」

「偶然かもしれない——」

「それとも息子。または弟子。カルトは解散していない。隠れた」

文書を指した。

「見てください。『霊的な扉』。『純粋な世界への通過』。田中のメモとまったく同じ用語です」

谷口が二つ目のファイルを開いた。

ケース2:北海道、2003-2006 聖なる扉の同胞団 リーダー:中村真 5件の失踪。若い成人。カルトは「純粋な世界への扉」について語った。 「通過」の儀式。被害者は「穢れている」と定義され「浄化」される必要があった。 遺体は回収されず。 捜査終了2007年。証拠不十分。リーダーが独房で自殺。

「扉」とほとんど叫びながら言った。「見てください。扉。田中はメモに『扉』と書いた。そしてこのカルトは文字通り『聖なる扉の同胞団』と呼ばれていた」

谷口がゆっくり頷いた。

「関連は……不穏だ」

「不穏?完璧です。異なる名前で活動している同じ組織です」

三つ目のファイルを開いた。

ケース3:大阪、2010-2013 再生者の会 リーダー:鈴木恵子 4件の失踪。社会的問題を抱える若者。「霊的再生による浄化」。 改変された神道儀式。「神聖な物」と「霊的な乗り物」への言及。 被害者は「純粋さへと運ばれた」と説明される。 捜査終了2014年。グループ解散。リーダーは精神科に。

「霊的な乗り物」とゆっくり繰り返した。「トラック。彼らはそれを『霊的な乗り物』と呼んでいる」

立ち上がった。

三つのファイルを見た。

京都、1995年。

北海道、2003年。

大阪、2010年。

「同じ組織です」と言った。「30年間活動している。名前、リーダー、場所を変える。でもイデオロギーは同じ。浄化。扉。通過。霊的な乗り物」

「でも全てのリーダーは死んだか逮捕された——」

「知られているリーダーは。でもカルトには構造がある。階層。リーダーが倒れると、別のが取って代わる。そして今……」

田中のメモを指した。

「今、山本宮司が新しいリーダー。おそらく京都のカルトの山本武の息子または子孫。そして田中……田中は活動メンバー。第二世代。おそらく古いメンバーの一人の息子または親族」

谷口が椅子にもたれた。

「もし正しければ……これは巨大だ」

「そうです。三人の死について話しているのではありません。何十人について話している。たぶん何百。30年間で」

「そして全てのあの遺体は?」

「儀式。秘密の火葬。森の中の秘密の埋葬。または本当に被害者が他の場所に『通過』すると信じているかもしれない。カルトは自分たちの真実を信じているときは何でもできる」

谷口がファイルを見た。

それから俺を見た。

「今何をする?」

「潜入を続けます。田中を観察します。でもさらに……さらにいつ明治神宮に行くか発見しないと。なぜなら行くとき……」

「カルトの会合に行く」

「正確に。そして我々は彼を追う準備ができていないと。記録する。写真を撮る。全てのメンバーを特定する」

「刑事、これは許可が必要だ。公共神社の監視——」

「分かっています。でも価値があります。何十年も活動している犯罪組織を解体しようとしています。何十人も殺したカルト。殺し続けている」

谷口がテーブルに指を叩いた。

考えた。

それから頷いた。

「分かった。でも慎重に動け。もし疑われたら……」

「疑われません。田中は俺を友人と見ている。同僚。リラックスしている」

「よろしい。報告を続けてくれ」

「常に」

事務所を出た。

心臓が激しく打っていた。

捜査の高揚感。

全てが合い始めるときのあの感覚。

パズルが完成するとき。

カルト。

30年の活動。

リーダーが変わるがイデオロギーが残る。

何十人もの被害者。

そして俺は……

俺は彼らを暴こうとしている。

車に戻った。

座った。

田中について考えた。

宮司を探す田中。

「扉」と「浄化」について書く田中。

7年間そのトラックを運転する田中。

何人殺した?

何人「浄化」した?

我々が知っているのは三人。

でもたぶんもっといる。

まだ繋がっていない他の。

携帯を取った。

鈴木芽衣にメッセージを送った。

「最新情報。理論が変わった。連続殺人犯じゃない。宗教カルト。できるだけ早く更新する。妻のカバーを準備して。すぐに動かないと」

返事が2分後に来た。

「了解。準備できてる」

微笑んだ。

田中健二。

山本宮司。

扉の同胞団。

浄化のカルト。

何と呼ぼうと……

どう組織されていようと……

お前たちは倒れる。

これについては……

これについては完全に、絶対に、完璧に確信している。


時に真実と嘘は同じ言葉を使う。でも意味は……意味が全てだ。



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