表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はあらゆる異世界転生で見かける呪われたトラック運転手で、みんなを異世界送りにしてるけど、俺のせいじゃない!  作者: Adriano_P


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

「彼だと確信している」



太陽がちょうど昇り始めた時、林と木村がオフィスに到着した。

既にそこにいた。あまり寝てない——三時間、たぶん四時間——でも必要なかった。

アドレナリンで十分だった。

「準備はいいか?」聞いた。

頷いた。

二人ともプロフェッショナルだが無難な服装。グレーのスーツ。控えめなネクタイ。偽造だが完璧な書類が入った鞄。

まさに見えるべき姿に見えた:国税庁の退屈な官僚、定期任務中。

「眼鏡は?」

林が鞄を開いた。三つの特殊眼鏡がそこにあった。普通のサングラスケースに見える入れ物に。

「今朝テストした。完璧に機能する」

「いい。覚えておけ:絶対に通常の振る舞い。犯罪捜査を思わせる何もなし。ただの定期税務チェック」

「了解」

「レンズが反応したら——血液痕跡を見たら——目に見える反応なし。検査を通常通り完了。出る。それから即座に電話」

「責任者が眼鏡について質問したら?」木村が聞いた。

「羞明」林が言った。「目の問題。蛍光灯が刺激になる。使ったことある。機能する」

「完璧。リストは?」

木村がタブレットを取り出した。

「三十七の顧客。地域別に行程を整理した。速ければ今日二十五できる。残り十二は明日」

「いや」言った。「全部今日だ」

「刑事、東京中に散らばってます。時間が——」

「全部今日。田中がこれらの場所の誰かと接触してて、我々がチェックしてると知ったら、警戒するかもしれない。速ければ速いほど、リスクが少ない」

木村が躊躇して、それから頷いた。

「分かった。長くなる」

「長い方が非効率よりマシだ」

時計を確認した。六時四十五分。

「最初の倉庫は七時半に開く。十分後に出発。俺はここに残って調整する。無線常時オン。全顧客、報告しろ。綺麗でも」

「はい、刑事」

準備した。書類を確認。眼鏡。カバーストーリー。

六時五十五分に出た。

オフィスに一人残った。

ホワイトボードを見た。中央の田中健二の写真。

今日、お前が本当は何者か発見する。

そして誰が助けてるか。

顧客1:川崎ロジスティクス - 南部工業地帯

七時五十二分、林の声が無線で流れた。

「刑事。顧客一、完了」

「結果は?」

「綺麗。標準的な倉庫。異常なし。レンズで完全スキャン——痕跡ゼロ」

「いい。次」

顧客2:テックマート流通 - 千葉

八時三十四分。

「顧客二。綺麗」

顧客3:清水倉庫 - さいたま

九時十一分。

「顧客三。綺麗」

次々。

綺麗。

全部クソみたいに綺麗。

正午までに十八の顧客をチェックした。

痕跡ゼロ。

異常ゼロ。

電話を取って林に電話した。

「どうだ?」

「疲れる。でも全て正常。この場所は...普通。普通すぎる」

「普通すぎる?」

「つまり疑わしいことが全くない。綺麗な倉庫。礼儀正しいスタッフ。整った書類。もしこの中の一つが人身売買に関与してたら、隠すのが信じられないほど上手い」

「それとも関与してない」

「ネットワーク理論が間違ってると思う?」

「まだ分からない。続けろ。残りは?」

「十九」

「頑張れ。できるだけ速く」

十五時に二十九を済ませた。

十七時に三十三。

全て綺麗。

疑念が忍び寄るのを感じ始めた。

もし間違ってたら?

もし田中が公式顧客を使ってなかったら?

もし思ってたより賢かったら?

ダメだ。

集中しろ。あと四つ。仕事を終わらせろ。

顧客34:中村スチール - 港湾地域

十八時二十三分。

「顧客三十四。綺麗」

顧客35:藤田輸出入 - 品川

十九時五分。

「顧客三十五。綺麗」

フラストレーションが高まった。

三十五の倉庫。痕跡ゼロ。

どうしてありえる?

顧客36:山田電器 - 池袋

十九時四十七分。

「顧客三十六...」

一時停止。

「刑事、この場所は変です」

姿勢を正した。

「変ってどう?」

「責任者が...緊張してる。すごく緊張してる。汗をかき続けてる。速く出そうとした。『全て大丈夫です、行っていいです』って」

「レンズは?」

「今スキャン中。少々...」

沈黙が伸びた。

十秒。

二十。

「林?」

「綺麗。クソ。痕跡なし。でも責任者は明らかに不安」

「たぶん他の問題がある。脱税かも。我々の案件じゃない。最後に進め」

「はい」

顧客37:秋山運送サービス - 東部郊外

二十時三十一分。

最後。

もしこれも綺麗なら...

ならネットワーク理論は間違ってる。

そしてゼロから始めないと。

無線が一分間沈黙したまま。

二分。

何が起きてる?

それから、木村の声。低い。緊張してる。

「刑事」

「ああ?」

「レンズが...反応してる」

心臓が跳ねた。

「確かか?」

「ああ。血液痕跡。床に。メイン倉庫の北西の隅。肉眼では見えないがレンズが検出してる。青い蛍光。血だ」

ビンゴ。

「どれくらいの痕跡?」

「複数。飛沫だけじゃない。まるで...何かが引きずられたみたいだ。跡。それから洗浄されたが十分じゃない」

「普通に振る舞え。検査を完了しろ。何か見たと悟らせるな」

「了解」

「今出る。二十分で着く」

ジャケットを取った。鍵。バッジ。

谷口に電話した。

「総監。何か見つけました」

秋山運送サービスに二十一時四分に到着した。

中規模の倉庫。郊外。交通量の少ない地域。控えめな活動には完璧。

林と木村が外の車にいた。手を振った。

乗った。

「見せろ」

木村が特殊眼鏡を渡した。

着けた。

「北西地域。荷積みドアの近く」

フロントガラス越しに倉庫を見た。

通常の照明。通常の構造。

でもレンズが起動すると...

青い線。蛍光。床に。

多くない。暴力的殺人みたいな劇的な飛沫じゃない。

でもそこにあった。

痕跡。引きずり跡。まるで何か——誰か——が引きずられたみたいに。

それから洗浄された。

でも十分じゃない。

決して十分じゃない。

「人間の血?」聞いた。

「レンズは人間と動物を区別しない」林が言った。「でも量とパターンから...おそらく人間」

「いつ?」

「痕跡は古そう。数週間、たぶん。でも工業用製品で洗浄されてる。漂白剤。強いもの。誰かが消そうとした」

倉庫を見た。

田中がここに配達する。

死体をここに運ぶ。

そして誰かが...何?処理する?他の場所に運搬する?

「責任者は?」聞いた。

「中。秋山博って人。五十歳。オーナー兼管理者。検査中は普通に見えた。緊張してない。むしろ親切だった」

「サイコパスはよくそうだ」

電話を取った。谷口に電話した。

「総監。秋山運送サービスで血液痕跡を発見しました。サンプル採取のため鑑識チームを要請します。至急」

「関連性にどれくらい確信がある?」

「痕跡はプロフェッショナルに洗浄されてる。誰かが隠そうとした。そしてこの倉庫は田中の顧客リストにある」

「チームを送る。二十分」

「ありがとうございます。それと総監?控えめにする必要があります。サイレンなし、目立つ制服なし。もしこの場所がネットワークの一部で秋山が怖がったら、他の者に警告するかもしれない」

「了解。私服チーム」

「完璧です」

鑑識チームが二台の無印バンで到着した。

点滅灯なし。騒音なし。

プロフェッショナル。

「石川刑事」チームリーダーが言った。五十代の灰色の髪の男。「長谷川博士です。何がありますか?」

特殊眼鏡を渡した。

「血液痕跡。倉庫の床、北西の隅。洗浄されてるがこのレンズでまだ見える」

眼鏡を着けた。見た。

「ふむ。ああ。見える。興味深い。入れますか?」

「税務検査は一時間前に終わった。技術的には戻るのに令状が必要」

「技術的に」長谷川が微笑んで繰り返した。「でもオーナーが丁重に招待してくれたら?」

「秋山はまだ中?」

林が確認した。

「ああ。照明がついてる」

「いい。行こう」

オフィスのドアをノックした。

秋山が開けた。普通の男だった。中肉中背。眼鏡。薄い髪。物流業界で二十年働いてる人の優しい表情。

「あ、またですか?」驚いたが怖がってない。「書類に問題が?」

「いえ、問題ありません」親しみやすいトーンで言った。「お邪魔してすみません。石川、警視庁コンサルタント刑事です。こちらは鑑識の専門家。この地域で定期調査を行ってて、倉庫を簡単にチェックさせていただきたいんです」

「調査?どんな調査?」

「商品盗難。この地域で報告がありました。標準的な安全チェック。二十分以上かかりません」

秋山が安堵したように見えた。

「ああ、分かりました。もちろん、問題ありません。どうぞ」

リラックスしすぎだ、と気づいた。本当に無実か、演技が非常に上手いか。

鑑識チームが入った。

秋山はオフィスに残って、書類を見てた。明らかに無関心。

長谷川とチームが静かに作業した。

ポータブルUVライト。化学試薬。綿棒。

見えた場所で正確に痕跡を見つけた。

長谷川が手を振った。近づいた。

「ルミノール陽性」囁いた。「確実に血液。でも人間か確認して、DNAを取るには研究所分析が必要」

「どれくらい?」

「人間対動物?明朝早く。DNA?押せば三日」

「押せ」

「了解」

サンプルを収集した。写真を撮った。全て記録した。

約束通り二十分。

出た時、秋山が笑顔でドアまで見送った。

「大丈夫でしたか?」

「ええ、ご協力ありがとうございました」言った。

「どういたしまして。他に必要なことがあれば、いつでもここにいます」

今のところ、と思った。

外で、倉庫から離れて、長谷川がファイルを渡した。

「ラベル付きサンプル。今夜ラボに行く。明朝八時に予備結果」

「完璧だ」

「人間の血で被害者の一人と一致したら...君の案件だ」

「分かってる」

「現場に監視をつけるか?」谷口が聞いた。合流してた。

「ああ。でも控えめに。非常に控えめに。活発な捜査を思わせる何もなし。もし秋山がネットワークの一部で尾行に気づいたら、田中に警告するかもしれない」

「逃げたら?」

「なら止める。でも逃げないと思う。何も見つけたと知らない。彼にとっては地域の盗難をチェックしてた警察だけだ」

谷口が頷いた。

「了解。二人の捜査員。民間車。八時間シフト」

「ありがとうございます」

二十三時三十分にオフィスに戻った。

林と木村がまだそこにいた。疲弊してたが緊張してた。

「で?」林が聞いた。

「待つ。明朝人間の血か分かる。そうなら、DNAを送る。三日で被害者と一致するか確認できる」

「一致したら?」

「なら秋山を捕まえる。秋山から田中に辿り着く」

机に座った。

ホワイトボードを見た。

赤いマーカーを取った。

田中健二から新しく書いた名前に線を引いた。

秋山博 - 秋山運送サービス

下に書いた:「血液痕跡 - 分析中」

それからタイムラインを書いた:

明朝(8:00):人間の血確認 +3日:DNA一致 その後:逮捕

背もたれに寄りかかった。

「家に帰れ」林と木村に言った。「明日もまた長い一日だ」

「あなたは寝ないんですか?」木村が聞いた。

「後で。その前に全部見直したい。穴がないか確認する」

去った。

一人残った。

ファイルを開いた。データ。地図。

全てが合ってた。

田中は三つの失踪全てに存在してた。

田中は秋山に配達してた。

秋山に血があった。

明日確認を得る。

それから...

ゲームオーバー。

時計を見た。零時二十分。

八時間以内に分かる。

立ち上がった。窓に歩いた。

夜の東京。光。命。無知。

あそこには無敵だと思ってる連続殺人犯がいる。

捕まるには賢すぎると思ってる。

完璧な記録と綺麗な顔を持ってる。

でも十分じゃない。

誰も十分じゃない。

明日、彼の終わりが始まる。

そして俺は...

俺は確信している。

机に戻った。

七時半にアラームをセットした。

机に頭を預けて、目を閉じた。

三時間の睡眠だけ。

十分だろう。

なぜなら明日...

明日は真実の日になる。



勝利前夜は甘い。でも時々...時々物事は予想通りにいかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ