表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルケオン  作者: れんP
日本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/66

鹿児島の風が、新たな出会いを呼んでいる

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

鹿児島の街に吹く風は、火山の匂いと潮の気配を混ぜ込みながら、静かに通り抜けていた。

その風の中で、彩葉たちの前に立つ二人の少女は、どこか誇らしげで、そして少し緊張した面持ちをしていた。


「私はリリア! リリア=エジソン!

蓄音機の守護者だよ!」


胸を張って名乗った少女は、明るくはつらつとした声でそう言った。


一方、その隣で一歩引いた位置に立つ少女は、小さく息を吸い込み――


「わ、私はマイ……。マイクの守護者……です」


控えめながらも、芯のある声だった。


「エジソンじゃと!?」


(しおり)が思わず声を張り上げる。


「……リリアと言ったか。エジソンとは、もしや……」


「あ、お父さんをご存知なんですか?」


リリアが目を輝かせて聞き返す。


「お父さんじゃと!?」


栞の驚きは、さらに一段階跳ね上がった。


「栞、落ち着いて」


彩葉(いろは)が慌てて宥める。


「すごい慌てようです……」


「はい……」


レナとマミが揃ってうなずいた。


「エジソンって……そんなにすごい人なのです?」


アビが首をかしげる。


「当たり前じゃ。有名人じゃぞ」


栞は即答する。


「わぁ……お父さん、日本でも有名なんですね。うれしいです」


リリアは素直に喜び、にこりと笑った。


「それで……お父さんって、どういうこと?」


陽菜(ひな)が冷静に問いかける。


「リリアちゃんは、最初の蓄音機から生まれた存在なんです」


マイが静かに説明する。


「そうだよ! だからお父さんなの。この名前も、お父さんがつけてくれたんだ!」


「そうか……いい名前だな」


村正(むらまさ)が穏やかに言う。


「ありがとう!」


リリアは嬉しそうに答えた。


「で?」


花火(はなび)が首をかしげる。


「なにか用があるんじゃないの? 英雄がどうとか」


「そ、そうですよ!」


リリアは思い出したように声を上げる。


「あの怪鬼を倒した英雄さんたちですよ! 知らないんです?」


「広まるのは、これからだよね……」


マイがそっとフォローする。


「……英雄……なの?」


(エイ)が小さくつぶやいた。


「そうだよ! もう有名人なんだから!」


「……そう……なんだ……」


影は少し戸惑ったように目を伏せた。


「と言われても、実感は湧かないよな」


(くろ)が肩をすくめる。


「そうなのかい?」


フェルルは興味深そうに首を傾げた。


「ねぇねぇ!」


リリアは一拍置いて、にっこりと笑う。


「私たち、“音楽”を集める旅をしてるんだけど……同行してもいいかな?」


「音楽?」


「うん。いろんな音を聞いて、記憶に残すの」


マイが補足する。


「それ、すごく素敵だね!」


彩葉の声が弾んだ。


「みんなはどう?」


仲間たちは、迷いなくうなずいた。


「よし、出発しよう! 屋久島に!」


「お〜!」


声が重なり、風に乗って広がる。


しばらく歩くと、視界が一気に開け、青い海が広がった。


「……手は、繋いだ? なの」


「うん! 大丈夫!」


「それじゃあ、行くなの」


体がふわりと浮き上がる。


「わぁ〜! 空の旅なんて、はじめて〜!」


「うん……すごい……」


やがて見えてきたのは、深い緑に覆われた島。


――屋久島。


巨木が連なる森の奥深く。


「……お客さん……来る……」


「敵か?」


「違う……怪鬼を倒した人たち」


「マジかよ……」


森が、ざわりと揺れた。


屋久島の奥で、新たな視線が、静かに彩葉たちを捉えていた。

鹿児島での出会いは、音と風を連れてきました。

英雄と呼ばれることに戸惑いながらも、彩葉たちはまた一歩、世界の奥へ進みます。

次なる舞台は屋久島新たな物語が待っています。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ