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アルケオン  作者: れんP
神界編

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174/182

神々の円卓 ― 欺瞞の神ロキ ―

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

 天の乗り物はゆっくりと神界の都市――ユグドラシルの港に降り立った。


 雲の大地の上に作られた巨大な発着場。

 黄金の紋様が刻まれた床、周囲には白い神殿の柱が並び、翼を持つ天使たちが行き交っている。


 


 扉が開いた。


 


 天使が一礼する。


 


「足元に気をつけておりてください」


 


 彩葉(いろは)たちは順番に乗り物から降りた。


 


 ふわり、と足元の空気が軽い。

 雲の上に立っているのに、確かな地面の感触がある。


 


「すごい……」


 


 彩葉が周囲を見渡す。


 


「ここが……神界」


 


 レナが呟く。


 


「街が全部白い……」


 


 遠くには巨大な塔がいくつも立ち並び、空には神の乗り物が行き交っていた。

 虹色の橋が雲と雲をつないでいる。


 


 (エイ)が静かに言う。


 


「……きれい」


 


 花火(はなび)は目を輝かせていた。


 


「テーマパークみたい!」


 


 (くろ)が笑う。


 


「神様の国って感じだな」


 


 村正(むらまさ)は周囲を観察している。


 


「……なるほど」


 


「空気の神力密度が異常だ」


 


 (リー)芳乃(よしの)が頷いた。


 


「うむ」


 


「ここでは人間の力も何倍にも増幅されるだろう」


 


 天使が前を指さす。


 


「あの大きな門の中の神殿で主神がお待ちですので」


 


 彩葉たちは視線を向けた。


 


 そこには――


 


 巨大な門がそびえていた。


 


 高さは城よりも高く、白い石で作られた荘厳な門。

 扉には神話の戦いが彫刻されている。


 


 その奥には、神殿が見えた。


 


 黄金の屋根。

 白い大理石の柱。

 空へ伸びる神の建築。


 


 (しおり)が感嘆する。


 


「ほぉ……」


 


「これは見事な門じゃ」


 


 ココア=モカ=コフィアが頷く。


 


「えぇ」


 


「まさに神の都ですわ」


 


 ラキシアが笑う。


 


「あは♡」


 


「ワクワクしてきたね♡」


 


 マミが少し緊張した様子で言う。


 


「神様に会うなんて……」


 


「なんだか緊張するね」


 


 ベアトリスは腕を組んだ。


 


「……今さらよ」


 


「ここまで来たんだから堂々としていればいい」


 


 ユキが小さく頷く。


 


「……ん」


 


 彩葉は深く息を吸った。


 


「……行こう」


 


 仲間たちは頷いた。


 


 そして――


 


 彩葉たちは巨大な門へ向かって歩き出した。


 


 門の前には神界の衛兵である天使が並んでいる。

 彼らは彩葉たちを見ると一斉に道を開いた。


 


「英雄様、どうぞ」


 


 門がゆっくりと開く。


 


 ゴォォォォ……


 


 巨大な音を立てながら扉が開いた。


 


 その先に広がっていたのは――


 


 神殿の内部だった。


 


 広大な大広間。


 


 白い柱が何十本も並び、天井は空よりも高い。

 床には黄金の円形紋章が刻まれている。


 


 その中央に――


 


 神々が座っていた。


 


 圧倒的な存在感。


 


 神のオーラが空間を満たしている。


 


 中央の玉座に座るのは――


 


 白い髭を蓄えた威厳ある男。


 


 雷の神。


 


 主神ゼウス。


 


 ゼウスがゆっくりと口を開いた。


 


「良くぞ来たな」


 


「英雄たちよ」


 


 その周囲には――


 


 オリュンポス十二神が並んでいた。


 


 ヘラが腕を組み、静かに彩葉たちを見ている。


 


「……」


 


 アテナが手を振った。


 


「やっほ~~~」


 


 アポロンが微笑む。


 


「そろったか」


 


 アフロディーテがため息をついた。


 


「やっと来た」


 


 アレスが腕を組む。


 


「……英雄と呼ぶにふさわしいオーラだ」


 


 アルテミスが穏やかに言った。


 


「お久しぶりです」


 


 デメテルが微笑む。


 


「こんにちは」


 


 ヘパイストスは彩葉たちを興味深そうに見ていた。


 


「鍛えがいがありそうだ」


 


 ヘルメスが笑う。


 


「あのアテナが気になっているって話」


 


「本当みたいだな」


 


 ポセイドンが豪快に笑った。


 


「よぉ!」


 


「お前ら!」


 


「久しぶりだな!」


 


 ヘスティアは静かに彩葉を見つめていた。


 


「……」


 


「……あのオーラを一人で……」


 


「逸材です……」


 


「これほどの"火"はなかなか見れません……」


 


「さすが英雄の器……魂……」


 


 彩葉は少し戸惑った。


 


「え、えっと……」


 


 ゼウスが手を上げる。


 


 神殿の空気が静まり返った。


 


「……会議を行う」


 


 ゼウスはゆっくりと続ける。


 


「英雄どの」


 


「そのお仲間たちよ」


 


「座って話そう」


 


 ゼウスの横でヘパイストスが立ち上がる。


 


 ゴゴゴゴ……


 


 地面から椅子がせり上がってきた。


 


 神鉄で作られた重厚な椅子だった。


 


「用意しておいた」


 


 ゼウスが言う。


 


「ヘパイストスに椅子を用意させた」


 


「気をゆるめてほしい」


 


 彩葉たちは席に座った。


 


 神々と英雄。


 


 同じ円卓を囲む。


 


 静かな緊張が流れる。


 


 ゼウスがゆっくりと口を開いた。


 


「では」


 


「議題は――」


 


 神殿の空気が変わる。


 


「欺瞞の神」


 


 ゼウスの目が鋭くなる。


 


「ロキについてだ」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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