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アルケオン  作者: れんP
北米編

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167/182

世界守護者の雑談会

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

 彩葉たちはメープルの国「カナダ」の特殊空間に来ていた。


 彩葉の仲間たちは、守護者たちの圧倒的な気配に潰されないよう、少し離れた場所で巨大端末を使って会議を見守っている。


 そして――


 彩葉(いろは)と会議場所に来た守護者たちは、まだ来ていない守護者たちを待ちながら席について話すことになった。


 


 楓の大樹の下。


 縦長の円卓に守護者たちが座り始める。


 


 サトウカエデが少し考えながら言った。


 


「えっと、まず何から話そうかしら」


 


 ムクゲが静かに言う。


 


「彩葉にいろいろと説明したほうがいいのでは?」


 


「そうね」


 


 サトウカエデは彩葉の方へ向き直る。


 


「えっと〜、世界同盟『G30』の世界守護者会議はね」


「緊急の時以外は、基本的に関係ない話をしたり、お茶会を開いたりしているの」


 


「今は緊急の時ね」


 


「なるほど……」


 


 彩葉は少し考える。


 


「その、緊急って?」


 


 ラーレが腕を組んだ。


 


「断界同盟だよ」


 


 キングプロテアが低い声で続ける。


 


「アイツラ、色んな国で手下や幹部を使って暴れているからな」


 


 ロゼ・シュジャーが頷く。


 


「うんうん!」


「うちでも幹部が暴れて大変だった」


 


「彩葉たちのおかげで幹部は消えて、手下も減ったけど」


 


 ムトゥリヴが真面目な表情で言う。


 


「減ったとはいえ数が多いから……」


 


 スイレンが肩をすくめる。


 


「エジプトでも困ってますからね〜」


 


 カラーが静かに言う。


 


「えぇ、無駄に多いから」


 


 ロータスがくすっと笑う。


 


「すごい言いようだね〜」


 


 シャプラも頷いた。


 


「えぇ、まぁ」


「それくらいのことをしていますから」


 


 ヤグルマギクが言う。


 


「そうだよな」


 


 イトシャジンが手を上げる。


 


「うちでも困ってます〜」


 


 オレンジリリーが少し涙目になる。


 


「うぅ〜」


「強さもバラバラで……私も困ってます〜」


 


 エーデルワイスが冷静に言う。


 


「見つけ次第、フルボッコにすればいい」


 


「えぇ〜……」


 


 彩葉は思わず声を出してしまう。


 


 その時――


 


「なんだか物騒なことを言ってるやつがいる」


 


 入口から声が聞こえた。


 


 サトウカエデが振り向く。


 


「あら、カモミールおかえり」


 


 淡い髪の少女が静かに歩いてくる。


 


「あ、英雄」


 


 彩葉が立ち上がる。


 


「こんにちは!」


 


「ロシアの守護者『カモミール』……よろしく」


 


「はい!」


 


 ビアンカ=ヒナギクが尋ねる。


 


「カモミール、他の子達は?」


 


「もう来ると思う」


 


 ロゼッタが元気に言った。


 


「なら!」


「来るまでお話するデスよ!」


 


 カモミールが小さく頷く。


 


「ん、そうする」


 


 それからしばらく――


 守護者たちは様々な話を始めた。


 


 ラーレとキングプロテアは武器の話で盛り上がっていた。


 


「俺の薙刀はな!」


「最近また強化したんだぜ!」


 


「ほぉ?」


 


 キングプロテアが興味深そうに笑う。


 


「今度俺ともやってみるか?」


 


「いいぜ!」


 


 その隣では――


 


 ロータスとシャプラ、彩葉がのんびり話していた。


 


「彩葉は最近どこ行ってたの〜?」


 


「えっと、いろんな国を回ってました」


 


「すごいね〜」


 


 シャプラが感心する。


 


「英雄は忙しいですね」


 


 別の席では――


 


 イトシャジンがオレンジリリーに話していた。


 


「火薬食べてみる?」


 


「えっ!?」


 


「甘いよ?」


 


「いや、遠慮します……」


 


 エーデルワイスが小さく笑う。


 


「イトシャジンは変わってるから」


 


 その時――


 


「あら、英雄さん」


 


 落ち着いた女性の声が響いた。


 


 彩葉たちが振り向く。


 


 そこには――


 頭上に大きな金色のリングを浮かべた女性が立っていた。


 


「皆さん、おそろいで」


 


 ムクゲが言う。


 


「イペー、ロサ、カトレア・トリアナエ」


「おかえり」


 


 イペーが元気に手を振る。


 


「うん! ただいま!」


 


「あ、私『イペー』!」


「ブラジルの守護者だよ!」


 


 そして隣の二人を指差す。


 


「で、そっちの毒々しいカエルの雨ガッパ着てる二人が」


「コロンビアとエクアドルの守護者だよ!」


 


 ロサが静かに言う。


 


「エクアドルの守護者……『ロサ』……」


 


 もう一人の少女が笑った。


 


「コロンビアの守護者」


 


「『カトレア・トリアナエ』だよ」


「よろしくね」


 


「はい!」


 


 彩葉が元気よく頷く。


 


 そして――


 守護者たちの雑談はさらに広がっていく。


 


 世界中の守護者が集まるこの場所は、


 まるで世界そのものが一つのテーブルを囲んでいるようだった。


 


 しかし――


 この穏やかな時間の裏で。


 


 断界同盟は、静かに動き続けていた。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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